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野球部、練習風景。
ボクシング部、練習風景。
人だかり。達也、横目をやりつつ、通り過ぎる。
ドア開く。正面にサンドバッグを打っている原田。
(達也の声)「なんだ?」
原田「なんだ?」
達也「あれ、みんなは?」
原田、サンドバッグを続けつつ、
「なにしろ全校の期待がかかった上杉和也くんの初試合だからな。ボクシング部も応援だ」
達也「チェッ! いい加減だなぁ」
テレビの高校野球を観ている、小さい頃の南と和也と達也。
テレビに声援を送る南。
(達也の声)「甲子園は南の夢」
壁に向かって投げる幼い和也。
ユニフォーム姿で投げる中学時代の和也。
(達也の声)「それを叶えてやることが和也の夢」
進行している練習試合の場面。
(達也の声)「そして今、夢を現実にするだけの力を和也は持っている」
達也、パンチングを打ちながら、
「わが弟ながら、文句のつけようがない」
(原田の声)「おまえは浅倉のために何の努力もしてこなかった」
原田「だから、浅倉を好きだと気づいた今でも、どうしても弟に一歩譲っちまう」
達也、パンチングを顔にぶつけて、
「あのなァ!」
達也、グラブを外し、制服の上着を取る。
原田「何処へ行く?」
達也「おまえと一緒にいるくらいなら、野球でも見てたほうがましだと思ってな」
原田、サンドバッグに向き直り、
「弟を応援するのは野球だけにしとけよ」
ドアの開閉音。
ドアに振り向く原田。
練習試合の場面。
(達也の声)「どうなった?」
(級友の声)「楽勝楽勝。まともにバットに当てた奴なんか一人もいねぇよ」
フェンス越しに見ている達也ほか、生徒たち。
達也「相手が弱すぎるんじゃねぇのか?」
級友「馬鹿言え、北丘だって結構名門なんだぜ」
明青ベンチ、全景。
(南の声)「ノーヒットノーラン?」
明青ベンチ内、南、和也を嗾(けしかけ)ける。
「やろうよカッちゃん、ノーヒットノーラン!」
和也「えっ?」
もう一人のマネージャー、西尾佐知子「こらこら、駄目よ。余計な力が入ってリズムが狂うんだから」
南「はーい」
南、和也に囁く。
「大丈夫大丈夫。狙っちゃえ狙っちゃえ」
投げる和也。打ち返す北丘の打者。打球、内野手の間を抜ける。
舌を出す和也に、喜ぶバッターランナー。
明青ベンチ、睨む佐知子に、おどける南。
残りは9回を示している、明青が大量で勝っているスコアボード。
投げる和也。
球審「ストライク、バッターアウト! ゲームセット!」
歓声の観客。
ベンチに戻りつつ、喜び合う明青ナイン。ベンチで喜ぶ、南、佐知子、監督など。
ベンチに戻った和也たちに、笑顔で迎える南たち。
ボクシング部部室。サンドバッグに打ち込む達也に、見守る原田。
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