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雨が降る南風、全景。ドアを開けて入っていく原田。 (達也の声)「いらっしゃいませ」 少し間を押して、 (達也の声)「雨? 中止か?」 (原田の声)「このくらいの雨ならやるさ」 南風の店内から、降りしきる外の景色。 地区大会の球場、概観。雨が降りしきるも歓声が漏れ伝わってくる。 キャッチャーミットに収まる硬球。 (球審の声)「ボール!」 投げ返す孝太郎。ボールを受け取る和也。 (南の声)「投げにくそう、」 スタンドで観戦している、右から佐知子、南、南の父。 南「カッちゃん」 南の父「条件は相手も同じさ」 打球音。バックネットにぶつかる孝太郎。翳(かざ)したミットにはボールが入っている。 (球審の声)「アウト!」 孝太郎と一緒に小走りする和也。 孝太郎「和也」 和也「うん?」 孝太郎「甲子園、行こうぜ」 和也「うん!」 練習している明青野球部。 (達也の声)「ほれ、着替え」 (和也の声)「ありがと」 普段着の達也とユニフォーム姿の和也。 達也「お袋が寂しがってるぞ、一日ぐらい帰れないのか」 和也「撒けたらすぐ帰れるよ」 和也が嵌めている、よれよれのグラブ。 (達也の声)「随分いいグラブ使ってるんだな」 和也、グラブを顔の脇に翳して、 「伝統のない野球部の辛さでね」 和也、グラブを叩きながら、 「大丈夫、まだ当分使えるよ」 達也「ふーん」 晴れ渡っている球場、概観。 マウンドに立っている和也。試合開始のサイレンが鳴っている。 (球審の声)「プレイボール!」 和也頷いて、投げるフォームの一部始終。 袋を持って野球部のグラウンドに入る達也。円陣を組んでいる明青野球部員。和也、円陣から顔を上げて、 「兄貴!」 達也、袋を後ろに隠して、 「どうした?」 和也、新品のグラブを嵌めて溌剌とした顔で、 「学校側が予算を組んでくれて、野球部全員にだって」 達也「へー。いよいよだな、西条高校」 和也「うん」 達也「勝てよな」 和也「うん」 走り去る和也。袋を持って去る達也。 夜、上杉家の子供部屋。袋から出てくる、野球のグラブ。 |
超速「タッチ」
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