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宇宙世紀の最初期に耐久性の実証のために建造された「熱いコロニー」と「寒いコロニー」、
各々一基ずつに地球上の各国の居酒屋を再現した区画がある。一年戦争の時分には殆どの店舗が、
代替わりして、最初に通った左党も著名人は物故済み。しかし0030年代にスペースコロニー計画の、
最初期の記録の保存運動が起こったお蔭で、「最初の宇宙居酒屋」も注目されるようになった。
最初は0030年代当時に通っていた左党の証言集だったが興味を持った著名な作家が、
左党でも有名だったことを生かして著書を出したことがあり。二年かけて全ての店舗を回り、
店長から謂れを聞き、該当する地球の店舗を検索したりと。幸い個人でもほとんどの店舗が、
サイトを持っていたので由来の概略は早々に判明し。地球上での証言集め、証拠調べが想定より難航。
作家は家族を持っていたので酒による家庭崩壊を避ける必要から、クラウドファンディングで、
取材費を賄うことに。既に連邦政府内の疑獄事件などで名声を得、インターネットやテレビなども、
擁護してくれたので生活は安定。とはいえ偶像のような扱いをアースノイドとスペースノイド、
両方から受けていたから、作家として軽い話題を欲していた時期。
取材し出したとき四十代で宇宙移民一世の作家はアーケード「最初の宇宙居酒屋」とも知っていたが、
単なる謳い文句と即断を。しかし明菁を生かして店長やお客を取材すると、通い詰めているお客には、
常識となっている話が膨大にあると気づく。今まで世に出る機会を逸していた方が不思議なほどで、が、
証言の裏を取る過程で、多少裏世界が関わっていると分かり、取材が止んだという証言も。
しかし作家が判断したところ虐げられた者たちの歴史であり、宇宙世紀への前史として重要と考え、
仕事を余計に受注してまで取材し続けたと後年証言。
[3810colony.txt]
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スペースコロニー
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