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 その夜、つまりタッちゃんと西村くんとの“浅倉南杯”が放課後にあった夜、入院中の西村監督にまた探りを入れるひとが来た。その人の名誉のために素性は明かせないけど、この小説で出てきている人物です。しかも以前タッちゃんや孝太郎くんが聞き出した情報より細かい。南たちがこの程度の情報を得るには少し時間がかかったので、いまの時点では会話もふくめてふせとく。ただ一つ来訪者は、私たちが憶測してた「監督代行の恨み」に気付いた。

 だから今日は久しぶりの休日から始めることにする。祝日だったその日、野球部の練習は午後1時から。
「こんにちはァ」
 午前中だけでもデートしようと上杉家にあがり込んだっけ。
「ちょうどいいとこへ来た。マッサージ…」
 まだパジャマのタッちゃん! なんて呆れるか怒るところだけど、階段の手すりに二の腕を乗せていれば。だから南は特注のマッサージをタッちゃんに施した。
「はい、おしまい」
「相変わらず荒っぽいな」
「でも、楽になったでしょ」
「やっぱ南でないとだめだな」
 なるほど。
「昨日新田の妹にやってもらったんだけど、なんの効果もありゃしねえ」
「ほー」
 もちろんいやみの相槌。
「おれがたのんだわけじゃねえぜ。あいつが勝手に」
「いいマネージャーになれそうね」
 このときの南、突っ込みがきつい。
「どうかな、チャラチャラしすぎてるからなァ」
「でも、かわいいから人気あるでしょ?」
「かわいい?」
 タッちゃん、全然こたえてない。というより由加さんを女の子として見てないんだ。
「あー、おふくろ、またおれの飯忘れてる」
 だから南はいい気持ちで誘ったのです。南風に。

「特別サービス、スタミナつくわよ」
 お肉をたっぷり、ニンニクも効かせた南ちゃん特性のスペシャル炒飯!
「うん、うまい。ほんとしっかり食っとかねえと、体がもたねえよ」
 南は頼もしく思った。
「ずいぶん辛抱強くなったね、タッちゃん」
「泣いても笑っても三年生。夏までの我慢だからな」
 そうね。
「それにしても腹がたつのは、あの」
 気配。タッちゃんも気づいたみたい。
「ステキな監督代行」
 が来たことを。


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大塩高志
大塩高志
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