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 今週は主人公のケルヴィンが死んだ筈の恋人ハリーと出会う場面から。私は旧版で読んでいるから、
多分印象は違う筈だけど完全に観客として楽しく読んだ部分。主人公の感情は完全にホラーで、
                    読者
自分の正気を疑って腿を突く場面は痛々しい。結局ロケットに閉じ込めて宇宙空間に飛び立たせるが、
感情を持つ人間の行動として当然と思いました。

 実はケルヴィンについてはハリーに当たる「お客さん」、翻訳で「幽体F」と呼称している存在は、
宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士のトラウマになっている存在が実態になっていると、
作中人物のスナウトが指摘。つまりSFによる精神分析で、ソラリスという「夢」からの追い出しは、
否定や拒否によって「過去との向き合いを避ける」という意味と捉えられる。

 しかし飽くまでSFで考えた場合、ソラリスの「海」の狙いは? 憐憫や同情? 悪戯や悪意からか?
単に宇宙飛行士の脳を走査して、強烈な思い出になっている人物を実体にしただけだったりして。正に、
「ロックとしてのSF」と私が定義したくなる個所。しかもケルヴィンはまだいい方で、思いが強いと、
思いや考えが「お客さん」になる場合があるらしく。しかし今回はハリーの帰還で終わり。

 恐ろしいですねえ。本当にロックで、常識への疑いで、「海のたくらみ」の一端を想像できる事件と、
私は理解し。本作が試しているのは人類の認識であるとともに、私たちSFファンのおつむ。つまり、
「少年向け冒険小説で満足か?」というレムの挑発と考えられ。


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大塩高志
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