書籍談義

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 「大東亜戦争」後に生まれた作家が九回特攻隊員として出撃した戦闘機乗りに信頼されて成立した、
貴重な証言集。しかし見事なのは著者・鴻上の物語り方。真面目で誠実ではあるけれど冷静であり、
自分の見方を表明する箇所も押しつけは避けてる。多分、羅列した事実の徹底した分析・解釈こそが、
本書の主張に合致すると鴻上は考えたと憶測でき。

 鴻上尚史の本書での主張は「精神主義を否定しよう」です。実は私は『巨人の星』や『タッチ』に、
「頑張れば何とかなる」という精神(万能)主義があると理解してて。しかし大衆が慰めとして、
「やればできる」というファンタジーを所望するのは理解し。でも作戦や経営はファンタジーを排し、
正確な情報による冷静な分析が必要であり。しかし先の大戦、日本の指導者はファンタジーに逃避。

 私自身は精神主義の全面否定を避けるのは、確かに一時の祭り(=躁状態)ならガンバリズムも、
肯定できそうと理屈で気づいたから。しかし鴻上は「祭り」辞退を創造するプロの作家・演出家。で、
軍も「血祭り」という本来は非日常が組織の業務。つまり両方とも組織の運営には祭りの喧噪を、
制御する必要がある分野。鴻上がプロでい続ける事実に、精神主義を否定できてると憶測。

 しかし演出家の市場が人気と作品の評価、演出の仕方などで計られる自由市場の一方、軍は、
「殺人が可能(義務になる場面がある)」という特質から「上意下達」が組織の絶対条件。だから、
出世するほど自分を律するべきだったが、当時の日本軍は兵隊の従順さと軍の特質に甘え、
「命令する側」として(組織運営の意味で)最悪の指揮を執り続けたと私も理解。

[4124fujimi no tokkouhei.txt]
 磯田道史の本は震災関連で『天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災』を買ったから二冊目。
前著は「日本史に自然災害を位置づけろ」という(私から見れば)極めてロックな狙いで、納得した、
覚えがあります。本作は多くが新聞連載に拠っているらしく、雑多で断片な話題を集積した本。でも、 
「古文書主義」で解明する過去の場面は驚きがいっぱい。
 
女の美貌はそれだけで歴史を変える。織田信長の死も、そうだ。

 上記が書き出しの「美女処刑と信長の死」は驚いた節(せつ)。「高貴な美女二人を死なせ」、
「京の世論は美女に同情し、信長の残虐を憎むきっかけになった」という。評判の反転の事例として、
あり勝ちと思うけど、信長もだったことに正直驚き。一方で松陰の見方に納得。

「蝦夷を開墾して諸侯を封じ、間に乗じてカムチャッカ、オホーツクを奪い、琉球を諭して国内諸侯と同じく参勤させ、朝鮮を攻めて人質を取り朝貢させ、北は満州の地を割き、南は台湾、ルソンを収め、漸次進取の勢いを示せ」

 上記は松陰の『幽囚録』の磯田訳と思うが、「吉田松陰も帝国主義者で植民地主義者だったのね」。
とはいえ構想だけなら私も理解を。問題は実際に日本がこっかとしてやってしまった事実であり、
だからこそ上記の松陰の提言が罪深く思える。私も『花燃ゆ』の放送当時に松陰の帝国主義を知り、
松陰の影響を正確に位置づける日本の近現代の物語を読みたいと思った覚えあり。
[4114uchimaku.txt]
 やはり「SFはロックで」が好きと分かった一冊。結末の意外さや人間を問う文学らしさは、
『ソラリス』より劣ると私も思う。しかし武器・武装では「上には上」がいるんだから、人間は、
「素手」で勝負すべき(時がある)という主題を貫徹した作品。『2001年宇宙の旅』と違い、
劇中人物が説明する仮説は、金属「生物」の進化。攻撃されるのは人間の知識や知恵。

 人間の抵抗、攻撃は返り討ちに遭うと分かって「機械対機械」を実行したが、いい勝負はしたが、
所詮アウェーの戦いだった。しかし多大な犠牲者を出してレギス第三惑星を去る前、犠牲者を全員、
収容を決意。まるでナウシカが王蟲(オーム)の触手に調べられる描写があるが、身に着けるものに、
金属を避け、戦闘の意思を避けたお陰で搬入し損なった遺体を確認でき。

 実は確認した主人公が宇宙船に戻った場面で終わり、実際の搬入場面は避けてる。さらに言えば、
『ソラリス』では成立できたと誤解できる「異なるものとの対話」は、完全に拒否・否定された形。
ただ反撃から憶測と類推するだけで人間側の犠牲があまりに大きいため、また調停者を欠いたため、
戦い続けるか退くかという選択を迫られ。

[4104muteki.txt]
 五島勉の著作を読んだということは「ユダヤ人による世界支配」という「仮説」を知っていることを、
意味する。でも当時の私の思考を思い出しても、五島の主張のすべてに同意していたか疑問で。実は、
「滅亡は避けられる」という五島の希望も含め、人類に対する一つの考え方と捉えてた。というのも、
五島とノストラダムスをとっかかりにしたオカルトへの入門は徹底して避けたから。

 似たような対応に心理学や哲学があり。『夢判断』や『精神分析入門』の各々の文庫の上下巻を読み、
『小説フロイト』も面白そうと中古で入手。別冊宝島でも夢に関連した本を買い、『こころの科学』や、
「こころの日曜日」、河合隼雄の著作も買った覚え。しかし悩んでいたための救い探しだったらしく、
今は全く興味が失せている状態。

 哲学に関しては少々事情が複雑で、富野由悠季からニーチェの「人類は地球のノミだ」という定義を、
教えてもらう前から「超人思想のニーチェ」は知ってたこと。マルクスに関してはザ・スターリンを、
知ってから知識を得たか? しかし二人とも「知れば知るほど」とう状態を想像してか、入門書さえ、
読むことを回避。ブルーバックスやSF、CDに金を費やしてたっけ。

 『みゆき』や『タッチ』から買いだしたマンガは、集めたいけどあえて避けた作品が存在し。まず、
『YAWARA!』などの浦沢直樹作品、あだち充の『MIX』と島本和彦の『アオイホノオ』は、
「ゲッサン」で読むのみ。『沈黙の艦隊』に『のだめカンタービレ』、『テルマエ・ロマエ』など、
話題作は同時期に知っているのですが、金の使い道を変えたので避け続けた格好。
[4057dokusho.txt]
 私が永六輔の声を聴くようになったのは『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』。もちろん、
『上を向いて歩こう』などの作詞家として1980年代から知っていたけど、反骨の人と知ったのは、
上記の番組で永の過去をゲストの人が言ってくれたから。だからラジオで主張する権力批判も理解し、
納得できました。しかし断片ごとの情報なので永六輔の全体像の把握に失敗してたのです。

 なので本書の刊行は本当に有り難く。というより私自身が永六輔を定義する本を書きたいという、
野望を持っていたのですね。しかし単著でも膨大だし交友関係も広いから、着手しようとしたら、
膨大な手間と時間が要ると容易に推測でき。だから故人をよく知る記者が書いてくれたおかげで、
私は苦労を避けることができた格好。

 渥美清、黒柳徹子、小林亜星、坂本九、中村八大、野坂昭如、淀川長治、などなど、証言してくれる、
あるいは永自身が言及する著名人の多彩さに今さらびっくり。また芸能活動以外にも尺貫法の復権や、
晩年の「パーキンソンのキーパーソン」などの社会運動の旗手の記述もあり、作詞家だけで知る人は、
驚かれると察する。とはいえ入れて欲しかった話もあって。

 筆頭に挙げるのが永と東京大空襲の関係というもの。私からの説明は避けますが、永さん自身が、
ラジオで説明するときは決まって泣いた話。昨年の七月六日までに出版できれば(礼儀から)言及を、
避けてもいいけど、死後出版だから永の反戦の原点として開陳してもいいと思うのですよ。

[4038ei rokusuke.txt]

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