超速「タッチ」

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この分類は『タッチ』の最後の夏の須見工戦以降を再アニメ化するという前提で、それまでの話をどれだけまとめられるかを挑戦するものです。とはいっても『Zガンダム』とは違い雰囲気はなるべく壊さずに。
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 南風、店内。ドアを開けて荷物を持って入ってくる、南と和也。
南「はーい!」
和也「こんにちは」
(南の父の声)「あれェ?」
南の父「合宿は?」
南「お仕舞いお仕舞い。荷物置いてくるからね」
南の父「そっか、そうだな。どっちにしても明日の西条戦、これに勝てば甲子園はほとんど決まりだね」
 南風、概観。ドアの開閉音に続いて、
(南の声)「お待たせェ」

 夜空に響く、パンチの遠吠え。

 庭の勉強部屋、外観。子供部屋、内部。トランプを5枚ずつ持っている、達也、南、和也。三角形を作っ
ている三人の中心に、裏返したトランプの山。山の周りに裏返した数枚も。
達也「いいのかよ。こんなのんびりしてて」
 場にはすでに和也と達也、チップを5枚出している。和也、隠していたマークの方を見せながら、
「緊張しすぎるよりはずっといいよ。はい、エースのスリーカード」
南「タッちゃんは?」
 達也、持っていたトランプを伏せて床に置きながら、
「負け負け」
 伏せていたトランプを捲る、南の手。捲られた5枚、ストレート。
和也「真面目にやってよ」
達也「いいじゃねぇか。どうせ遊びなんだから」
 和也、散ったトランプを集めながら、
「じゃあ、賭けよう」
達也「何を?」
 和也を横目で見る南。
(和也の声)「南」
 トランプを切っている和也の手。
(和也の声)「勝った方が南を嫁さんに出来る」
 南、和也の手にあるトランプの山を払いのけながら、
「やめて!」
 和也を睨む南。
和也「良かった」

 勉強部屋、外観。ドアが開いて和也、出てくる。上杉家に向かう和也。
(達也の声)「和也は本気だよ」
(南の声)「あのまま」
 勉強部屋の南、達也を横目で見ながら、
「やっぱりさっきと同じように、わざとカッちゃんに負けてあげた?」
達也「南」
 南、立ち上がりながら、
「さ、寝よ寝よ」
 何か言いたげな達也。
(南の声)「南だって」
 ドアノブに手をかけている、後ろ姿の南。
「本気だよ」
 勉強部屋に一人の達也。ドアの開閉音。

 上杉家、外観。階段を駆ける音。扉を開いた達也、パジャマ姿のままで居間に入りながら、
「和也は!」
 椅子に座ってお茶を啜っている達也の母、
「とっくに出掛けたわよ」
達也「あのバカ、グローブ忘れて行きやがった!」
母「ちゃんと持ってったわよ。大事そうに抱えて」
 達也、手に持っている紐で縛ったグローブを指さしながら、
「だって現にここに」
 達也居間から去り、階段を駆ける音。 
 二階の双子の子供部屋。達也、和也のために買ったスポーツ洋品店の袋が空であることを確認。達也、南
が書いた色紙を見ながら、
「頑張れ、和也」

 試合開始のサイレン。マウンド上でグラブを叩く和也。
(孝太郎の声)「しまっていこう!」
 頷く和也。

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[1259sTouch008.txt]

 雨が降る南風、全景。ドアを開けて入っていく原田。
(達也の声)「いらっしゃいませ」
 少し間を押して、
(達也の声)「雨? 中止か?」
(原田の声)「このくらいの雨ならやるさ」
 南風の店内から、降りしきる外の景色。

 地区大会の球場、概観。雨が降りしきるも歓声が漏れ伝わってくる。
 キャッチャーミットに収まる硬球。
(球審の声)「ボール!」
 投げ返す孝太郎。ボールを受け取る和也。
(南の声)「投げにくそう、」
 スタンドで観戦している、右から佐知子、南、南の父。
南「カッちゃん」
南の父「条件は相手も同じさ」

 打球音。バックネットにぶつかる孝太郎。翳(かざ)したミットにはボールが入っている。
(球審の声)「アウト!」
 孝太郎と一緒に小走りする和也。
孝太郎「和也」
和也「うん?」
孝太郎「甲子園、行こうぜ」
和也「うん!」

 練習している明青野球部。
(達也の声)「ほれ、着替え」
(和也の声)「ありがと」
 普段着の達也とユニフォーム姿の和也。
達也「お袋が寂しがってるぞ、一日ぐらい帰れないのか」
和也「撒けたらすぐ帰れるよ」
和也が嵌めている、よれよれのグラブ。
(達也の声)「随分いいグラブ使ってるんだな」
 和也、グラブを顔の脇に翳して、
「伝統のない野球部の辛さでね」
 和也、グラブを叩きながら、
「大丈夫、まだ当分使えるよ」
達也「ふーん」

 晴れ渡っている球場、概観。
 マウンドに立っている和也。試合開始のサイレンが鳴っている。
(球審の声)「プレイボール!」
 和也頷いて、投げるフォームの一部始終。

 袋を持って野球部のグラウンドに入る達也。円陣を組んでいる明青野球部員。和也、円陣から顔を上げて、
「兄貴!」
 達也、袋を後ろに隠して、
「どうした?」
 和也、新品のグラブを嵌めて溌剌とした顔で、
「学校側が予算を組んでくれて、野球部全員にだって」
達也「へー。いよいよだな、西条高校」
和也「うん」
達也「勝てよな」
和也「うん」
 走り去る和也。袋を持って去る達也。

 夜、上杉家の子供部屋。袋から出てくる、野球のグラブ。

 走る南。
 明青学園後頭部の校門前、佇む原田。
 南、走りながら、
「原田くん」
 原田の前に辿りついた南、息を荒らしながら、
「タッちゃんは」
 言おうとする原田。
 原田と南、遠くから。

 窓が開いてカーテンがゆれている双子の子ども部屋。
 二段ベッドの上で背を向ける達也に、身を乗り出している南。
南「惜しかったね。原田くんが教えてくれた。精一杯戦ったって。だから褒めてやれって」
 達也、背を向けたまま、
「あのバカ!」
 達也、起き上がりながら、
「そんな真似されたら、余計惨めになるだろが!」
南「いいじゃない、練習試合」
達也「そうさ、ただの練習試合だったんだよ! それをおまえが…」
 南、感づいた顔で、
「ごめん…」
 尚も不満げな達也。怪訝な南。目を瞑る南。達也にキスする南。風鈴の音。カーテンが揺れ、風鈴も揺
れる窓際。

 野球部の練習風景。
(達也の声)「お前は平気で食えたのか?」
 保健室、体操着姿の南。
(達也の声)「なんでキスなんかしたんだよ」
南「タッちゃんだから」

 野球部の練習風景。
(南の声)「甲子園。今はそれだけを考えて」
 練習風景を眺める、南と達也。
南「カッちゃんを一生懸命応援する。ね」
達也「当たり前だろ」
 去る達也。野球部に戻る南。

 街頭の下でスポーツドリンクを二本持っている孝太郎。
(南の声)「キスしたこと?」
 別の街頭の下で達也と相対している南、
「忘れたいわけ?」
 照らされている達也。
(南の声)「大事な一生の思い出にはならないわけ?」
達也「違うよ。そのほうがお前の…」
南「ここでいいわ。どうもありがとう」
南、後ろ姿で、
「南は忘れないからね、一生」
 追おうとする達也。
(南の声)「好きな相手との、生まれて初めてのキスなんだもの」
 街灯の下の孝太郎。遠くで手を振っている南。残された達也。
[1169sTouch006.txt]

 晴れ渡る住宅街。立ち尽くしている達也、太陽を見て、
「うーむ」

 野球場、出入り口付近の外観。甲子園予選を意味する立て看板。グラウンド、全景。
 円陣を組んでいる明青ナイン。キャプテンの黒木、二言三言。明青ナインが走り出しながら、
ボクシングのゴングの音。

 リング上にヘッドギアをつけた、達也と対戦相手。
(南の声)「ボクシングを見に行くわけじゃないんだもん」

 外に雨空が覗く教室、南と達也の二人だけ。
南「タッちゃんの一生懸命な姿を見たいだけ」
 達也、モップを液体の入ったバケツに突っ込み、
「それはおあいにく」
 達也、モップをバケツから出しながら、
「さま」
南「どういうこと?」

 スタンドで完成している南。
(達也の声)「その日は、全校の期待を背負った、明青野球部の甲子園予選一回戦」
 打球音。
南「え?」
 外野スタンドに吸い込まれる打球。喜ぶバッター。マウンド上の和也。南、和也を見ながら、
「カッちゃん…」

 ボクシングの練習試合、達也の一撃で、相手倒れる。驚く明青の面々。

 マウンドに集まる明青内野陣。
和也「あがっちゃったよ。ずっと夢に見てきた甲子園への第一歩だと思ったら、つい。すみません」
黒木「安心したぜ、天才投手」
和也「え?」
黒木「お前も俺たちと同じ高校生ってことさ。よし、ここからプレーボールだ。一点取られたことなど、
   忘れてしまえ」
内野陣「おーっ!」

 マウンドから散る、内野陣。
南(ごめんなさい、カッちゃん。大事な試合中によそ見なんかして)

 回想の達也、モップを肩にかけて顔だけ振り向いて、
「和也をしっかり応援しろよ!」
南(ごめんね、タッちゃん)

 セコンドに座って域を荒くしいてる達也。
(原田の声)「ま、初めてだからな」
原田「あまり無理するな。適当に負けて来い」
 達也、立ち上がりながら、
「やなこった!」
 達也、マウスピースを頬張る。達也、相手と打ち合い。

 マウンド上の和也、首を振って投球。相手打者、空振り。
 スコアボード、9回表に入る「0」。9回裏に「×」、入る。
(主審の声)「ストライク、バッターアウト! ゲームセット!」
 両手を挙げて喜ぶ和也。明青ナイン、マウンドに集まり喜び合う。喜び合うスタンドの南と佐知子。

 ボクシング部部室、達也でない試合の最中。タオルを顔に被せて横たわっている達也。
(原田の声)「野球部はどうなったかな?」
達也「和也だぜ。心配いらねぇよ」
 達也と、達也を見下ろす原田。[1150sTouch005]

 外から、雨空を眺めている達也。「1−A」の授業風景、達也をちょっと眺める南。南を一瞥する和也。

 体育館、全景。
(孝太郎の声)「しゃくにさわる」

 体育館、内部。柔軟体操をしている野球部。
孝太郎「天気だなァ」
和也「自然には逆らえないよ」
(南の声)「あ、」
南「そうか!」
佐知子「何?」

 ボクシング部部室、外観。
(南の声)「いえ…」

 ボクシング部部室、内部。
原田「やっぱり双子だな」
達也「うん?」
原田「野球をやらせても、何とかなったかも知れんな」
 原田に振り向く達也、
原田「独り言、独り言」

 一人ずつ傘を差して、並んで歩く南と和也。
南「やっぱり延期になったりしたら、調子狂う?」
和也「え?」
南「あ、こんな天気だからさ、当日雨と言うことも覚悟しておかないと」
和也「いちいちそんなこと気にしていたりしたら、とても甲子園に行けないよ」
南「そうだよね。うん、そりゃそうだ」

 3人の勉強部屋、腕立て伏せをしている達也。ドアの開閉音。
(南の声)「えらいえらい」

 達也、腕立て伏せをやめて座り込みながら、
「また降り出したのか」
(南の声)「うん、」
南「ちょっと強くなってきたみたい」
達也「何だよ明日試合だろ。心配じゃねぇのか」
南「自然には逆らえませんからね」
 南、窓から外を眺めながら、
「それに、雨だったらタッちゃんの応援に行けるしね」
達也「バーカ。ただの練習試合って言ったろ。勝っても負けても」
南「駄目! 約束して、必ず勝って」
達也「和也じゃあるまいし」

 南、強引に指切りをしつつ、
「げんまん!」
南「よし!」

 南、ドアへ歩きながら、
「南に応援してほしかったなら、」
 南、靴を履いて傘を取りながら、
「雨が止まないように」
 南、ドアを開けながら、
「祈るのね」
 南、ドア向こうに身を出し、
「じゃあね」
 閉まるドア。

 残される達也。

 上杉家の子供部屋を眺める南。

 上杉家の子供部屋、両手を後頭部に回して寝そべっている和也。
[1147sTouch004]

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