富士山測候所問題

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PM2.5

 今朝の朝日新聞は珍しく科学関連の記事が(トップでなくても)一面に載っています。実は記事の主役の、
PM2.5という物質は富士山測候所問題にも深く関わっていまして。というのもEICネットから、
粒の直径が2.5μm(マイクロメートル)以下の超微粒子。定義上は記事にもある通り10μm以下の、
浮遊粒子状物質(SPM)に含まれる。だから本来環境基準を設定すべきもの。

 今になって問題にするのかという疑問は、問題だという認識が拡がってきたことと、
検出できるようになったから。より小さい微粒子なので身体にいきわたる範囲が多くなり、呼吸器のほか、
肺や循環器に侵入して障害を起こす因果関係が解明されつつあり。しかし奇異に思われたかも知れませんが、
PM2.5の正体について明らかにしませんでした。というのも大きさだけが定義の全てなんですね。

 だから朝日新聞では「工場や車から直接排出されるほか、自然由来のもの、さらに大気中の光化学反応で
二次生成される場合がある」と解説していますが正確を期すならむしろ逆。「PM2.5という超微粒子は、
人間の経済活動のほか地面から放出されるもの、さらに日光との反応で二次生成されるものも存在する」と、
解説すべき。というのも[1415]エアロゾルでも言及したように、組成を度外視するのが問題の立て方。

 つまり現象やモノを取り敢えず定義して解明する手法なのですが、エアロゾルの中のPM2.5の観測も、
富士山頂という高さと位置が有利に働くことは、私にとっては間違いないところ。おもに中国大陸からの、
越境汚染の解明に最適の地点。つまり大気の交通路である自由対流圏に富士山頂がかかっているので、
大気の流れを後付で調べることで測定した微粒子の由来を推定できることに。

 しかし朝日新聞では「環境省は観測地点を大幅に増やして監視を強化」するとのことですが果たして、
富士山頂は増やすべき地点に入っているかどうか。一旦整理の憂き目に遭った地点だし予算獲得が目的なら、
効率のいい観測地点が逆に仇になっても不思議ではない。

 今回スペースシャトルに搭乗して国際宇宙ステーションで長期間滞在する若田光一さんが書いた、
『国際宇宙ステーションとはなにか』を現在読書中。話題は宇宙ステーションの性能や役割のみならず、
若田さんご自身の訓練なども言及されて非常に読み応えがあります。これからの宇宙時代にあって、
特に高校生にとっては手引きとしてすこぶる有効と思って。

 詳しくは読了後に論ずるとして、訓練の一環として山岳地帯の縦走、登山を行なったと書いてありました。
まず夏山は、米国ワイオミング州ランダー地区は、ウィンド・リバー山脈の4021メートルの盗聴が目的。
冬山の方はやはりワイオミング州だけど、今度は西部のトグウォーティ・パス地区の縦走だったらしく。で、
今度の標高は約2700〜3000メートル。

 私が興味を持ったのは、富士山に応用できると思ったから。そもそも日本は山の国だから、
NASAが取り入れている探検隊行動規範訓練には打って付けの土地柄と思うのですね。たしかに、
標高2000〜3000メートルは決して高くないですが、たびたび遭難者が出るように、
日本の山も決して侮れない。職員が4名殉職した富士山であればなおさらに。

 現状では高地トレーニングでデータを集めているようですが、夏の7・8月しか安全に登山が出来ず、
活用できるスポーツの大会も限られると前から思っていたところ。実施者も同じ考えを持っている筈ですが、
派ティーによる登山訓練だけなら必要な設備は最小限で済み。しかも金を取ることができるなら、
「活用する会」の台所事情も潤うはずであり。


エアロゾル

 Wikipediaによると地球の大気は窒素(78.1%)、酸素(20.949%)、
アルゴン(0.9%)、二酸化炭素(0.04%)でで構成されている。森の里ホームズでは、
他にもネオン、ヘリウム、メタン、クリプトン、一酸化ニ窒素、水素分子、一酸化炭素、オゾン、
水蒸気についてのデータあり。しかし上記の成分はみな元素。

 つまりエアロゾルとは大気中に浮遊する元素以外の微粒子。いくら軽くても元素より格段に大きいから、
地上に落ちると想像しがちですが重要なのは体積あたりに重量なので、風があればいつまでも漂うことも、
不思議なことでなく。組成ですが実は何でもありということ。もちろん顕微鏡で分析すれば、
一つひとつ分別できるけれども成分の割合に法則があるわけでないから。

 というわけで大気と一緒をに運ばれてくる微粒子の総称という定義だから、微粒子の発生場所により、
様々な要素が考えられるわけ。花粉であったり煤煙であったり排気ガスであったりするので。もちろん、
すぐ地上に降下する分もあるけれども、上昇気流に乗れば際限なく漂うことに。とはいっても、
気流に乗ってもエアロゾルは絶えず下降し続けるのは間違いないところ。

 さてエアロゾルの動き方は了解してもらえたと思いますが、分析するとなると地域の特性があるため、
困難な点があると予想できると思います。実際、日本エアロゾル協会の説明によれば、
「分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度まで約5桁」の、
大きさの幅がある研究対象。また個数濃度についても7〜8桁の幅が存在。だから分析方法も…。

 参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/地球の大気
    大気の成分
    エアロゾルとは
[1385aerosol.txt]

[1413]渡辺豊博

渡辺豊博

「グラウンドワーク三島」「富士山クラブ」など六つのの特定非営利活動法人で事務局長を務める、
活動型の環境問題の専門家。早稲田大学と静岡県立大学で教鞭を取っているようですが、
座学でなく実学に重きを置いて活動している。活動の振り出しは春風社 Shumpusha Publishingの、
2005.08.20(Sat)グラウンドワーク三島によれば三島ゆうすい会らしい。

 活動の方針はグランドワーク。Wikipediaに項目がないので引用すると「実践的な環境改善活動」。で、
方法論としては、住民と行政と企業の仲介役となるトラストが重要な意味を持つ。つまりトラストの一つが、
グランドワーク三島ということ。もっとも日本グランドワーク協会のサイトでは両者は混同され。で、
三島と協会の説明を読めば、地方のための環境改善活動と解釈でき。

 二酸化炭素の問題となると規模が大きくなりすぎて個人では対処できないと思いがちだけど、
目に見えて成果を実感できるから。三島ゆうすい会の設立は平成3年ですが1年後の平成4年9月に、
「グラウンドワーク三島実行委員会」が設立されたと記述あり。さらに、
広報も活動の一環と捉えていて。昨年の5月は都留文科大文学部教授として朝日新聞山梨県版に。

 佐藤俊明山形五堰といった個人のブログにも紹介されています。しかしサイバー大学の教員紹介では、
著書多数と紹介されているけれど、Amazonで引っかかる本は『清流の街がよみがえった』しかなし。


五十嵐康人

 論文リスト(和文誌)によると1997年から、なかよし論文データベースによると1991年から、
論文を発表。前者では「動燃事故に関連して、つくば市で観測された大気中の放射性セシウムについて」、
後者では「環境放射能分野への誘導結合プラズマ質量分析法の応用」で、どちらも大気中の元素の成分分析。
富士山頂では1994年7月の「富士山頂における7Be, エーロゾル, オゾンの同時観測」から関与か。

 所属は気象庁の地球化学研究部で、第二研究室の主任研究官の一人。大気観測のほかにも、
(多分関連の研究として)海洋表層の物質循環に関しても研究済み。しかしAmazonで調べたところ、
著作は一冊もなく根っからの研究者のようで。しかし以前私が記事にしたように富士山関連では、
将来の姿の参考としてユングフラウヨッホを視察したことが重要かと。

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