平和の翼ジャーナル

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揺れるミャンマーの鉄道に30年前の車窓が…

4月9日産経新聞
【外信コラム】マーライオンの目

先月末、ミャンマーを訪れた際、「最近、日本からの新型車両が導入された」と聞きつけたミャンマー人の同僚に誘われ、一等寝台列車に乗った。同国中西部の都市バガンから最大都市ヤンゴンまでの約520キロ、飛行機なら1時間、バスなら10時間の行程を約15時間かけて進む。料金は1人50ドル。飛行機よりは安い。車両が日本製かは確かめられなかったが、個室にはベッドが4つでエアコン付き。旅の道連れはヤンゴンのビジネスマンだった。やはり新型車両が導入されたと聞いて友人と一緒に乗ることにしたという。

寝心地は揺りかごと言いたいところだが、実際は横転するのではないかと思うほど揺れる。寝ていれば壁に頭をぶつけるし、起きてコップに水を注ぐのさえままならない。だから窓から外を見ている時間が長い。見ていると線路脇のいたるところに列車を見送る人の姿があった。

後ろに広がるのは中央乾燥地帯の乾ききった茶色の大地。ヤシの木が目立つが、それすら枯れているかのようだ。作物はヤシからとる砂糖やゴマ、ひまわり。コメはほとんどとれない。それでも真新しい塗装を施した列車が珍しいのか、笑いながら一生懸命に手を振る子供たちは屈託がない。

「このあたりの風景は30年前とまったく同じです。いつかは変わるんでしょうか」。同室の男のつぶやくような問いに答えることはできなかった。(宮野弘之)

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