人権問題(含差別・イジメ・教育問

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安倍政権のメディアへの懐柔や圧力についてたびたび当ブログでもとりあげてきた。
しかし、それらは日本国内でのことであった。
ところが、報道への圧力が、海外メディアにも及んでいたことが明らかとなっている。
 
 
イメージ「LITERA」(本と雑誌のニュースサイト)4月12日によると、今月2日、ドイツの保守系高級新聞紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング」(FAZ)の記者、カーステン・ゲーミス氏が、日本外国特派員協会のウェブサイト上に、「ある海外特派員の告白 東京で5年間勤めた彼からドイツの読者へ」と題した文章を発表したが、その中で、安倍政権の海外メディアに対する情報統制のやり方が、詳細に書き込まれているのである。
ゲーミス記者は、日本の指導者層の思惑と海外メディアの報道との間に「ズレ(gap)」が生じ、日本にいるジャーナリストたちの仕事を難しくさせているとして「そのズレは、安倍晋三首相が牽引する、ある歴史修正の動きによってもたらされているものだ」とする。
 
FAZは、政治的には保守、経済的にはリベラルな立場の新聞だ」とゲーミス記者は前置きしつつ、それでも、「同紙は、安倍首相の歴史修正主義は危ないものであるという見方を示してきた」という。
 
そして、ゲーミス記者によれば「民主党政権下でも、海外ジャーナリストたちはときに政府のスタンスを批判することをためらわなかったが、当局は議論することを歓迎し、なんとか理解を深めるよう努力をしていたという。しかし、2012年の12月の選挙から、事情が変わった。安倍首相はfacebookのような新しいメディアは喜んで受け入れたが、当局は情報公開へ向けての理解を示さなかった。麻生太郎などは決して海外のジャーナリストと話そうとはしなかったし、膨大な財政赤字についての質問にも答えようともしなかったという」という。
「政府を代表して海外メディアに快く話してくれる人は、ほとんどゼロだった」として、「そのうえ、その安倍首相が勇ましく叫ぶ新構想を批判するものは誰でもあっても、“反日”などと言われ」、さらに「外務省は露骨な圧力を行使するようになる。ゲーミス記者が安倍政権の歴史修正主義を批判したところ、ゲーミス氏、そしてFAZ本社に対して、デマ攻撃を仕掛けてきた」のだというのだ。
 
「私が書いた安倍政権の歴史修正主義に対して批判的な記事が掲載されたあと、海外政治部のシニア編集者のもとをフランクフルトの総領事が訪れて“東京”からの抗議を渡した。中国の反日プロパガンダに利用されていると苦情を訴えたのだ」
 
 
 
昨日14日付の「日刊ゲンダイ」に、「安倍政権「海外メディア」にも圧力 日本総領事が編集部殴り込み 前代未聞 ドイツ紙記者が怒りの暴露」と題してガーミス氏(LITERAはゲーミス)の文章について紹介している。
 
イメージ
 
 
「ガーミス氏が暴露したのは、外国人特派員協会が発行する機関紙『ナンバー1新聞』4月号。日本での5年間の取材をふり返る形で、安倍政権の暴走を詳細に伝えている。内容は“国際問題”にも発展しかねないトンデモないものだ」として「『ナンバー1新聞』の記事によると、安倍政権になってから、海外メディアとの関係は悪化。エネルギー政策やアベノミクスの危険性について取材しようとしても、政権サイドはまともに対応しようとせず、日々、対立は深刻化しているという」という。
そして「批判記事を書こうものなら、外務省を使って、本国の本社に直接“圧力”をかけるという行動にも出ているとして、ガーミス氏が安倍政権の歴史修正主義について、批判的な記事を書いた時」には「在フランクフルトの日本総領事が、ドイツにある編集部に乗り込んできて猛抗議した」というのである。
 
しかも、「対応した編集者に向かって『(あの男は)金が絡んでいると疑わざるを得ない』と信じられない暴言を吐いた上、安倍批判の記事を書くのは中国へのビザ申請を承認してもらうためではないか、と妄想としか思われない見解を示したと」いう。ガーミス氏は、それに対して「『私が?北京のために金で雇われたスパイ? 私は中国へ行ったこともないし、ビザ申請をしたこともない』と真っ向から否定。『私と、編集者と、本紙全体に対する侮辱だ』と激高している」という。
そして「外務省による“攻撃”は昨年からより一層激しくなり、ガーミス氏は記事を書くたびに呼び出しを受けた」という。
 
記事の最後に、元外交官の天木直人氏が次のように述べている。
「今まで聞いたことがない衝撃的な内容です。安倍政権のあまりの下劣なやり方に、ドイツ国民は腰を抜かすのではないでしょうか。圧力をかけた点と外交官の暴言、二重の意味で権威を損ねている。圧力を受けたのはドイツ紙だけとは思えません。今後、世界各地で同じような話が出てくるのではないか。国際的に大問題になりますよ。これを報じない日本のメディアも終わっています」
 
たしかに、これだけの問題を、一部のニュースサイトや夕刊紙ぐらいしかとりあげていないのも、今の日本の現状なのかもしれない。
 
このことを知った外国人ジャーナリストから批判が巻き起こることは確実である。いつものように、世界で大騒ぎになって、また日本に戻ってきて日本のメディアは取り上げることになるのだろうか。しかし、それではあまりに情けないし、いつも、そんなことでは、日本のメディアの劣化はさらに深刻となるであろう。
記者よ、メディア関係者よ、今、ジャーナリスト精神を発揮しなくてどうするのか。
 
 
 
以下にフランス思想研究家である内田樹氏訳によるカーステン・ゲーミス氏の全文をリンクしたい。ぜひ一読をおすすめする。
 
 
「ある海外特派員の告白 5年間東京にいた記者からドイツの読者へ」
Carsten Germis   内田樹・訳
 
 
 
ゲーミスは、文章の最後に次のようにメッセージを発信している。
 
 
以下は私の離日に際してのメッセージである。私の同僚たちの中には意見の違うものもいるけれど、私自身は日本において報道の自由が脅かされているとは思っていない。たしかに民主党政権下に比べると政府批判の声は低くなってはいるけれど、依然として報道されている。日本の政治的エリートたちの内向き姿勢と、海外メディアとオープンなディスカッションを避ける政府高官たちの無能はいまのところ報道の自由に影響を与えるほどには至っていない。それに、情報を集めるためにはそれ以外にいくらでも方法がある。それでも、民主制においては、政策を国民と国際社会に対して説明することが、どれほど重要であるのかを安倍政権がよく理解していないということはあきらかである。
海外特派員の同僚たちから自民党は広報セクションに英語を話せる職員を配置していないとか、外国人ジャーナリストには資料を提供しないとかいう話を聞いても、私はもう驚かなくなった。海外旅行が多いことを自慢している現在の首相が海外特派員協会で私たちを相手にスピーチするための短い旅についてはこれを固辞していると聞いてももう驚かなくなった。ただ、私の気持ちが沈むのは、この政府が海外メディアに対して秘密主義的であるだけでなく、自国民に対しても秘密主義的であるからである。
過去5年間、私は日本列島を東奔西走してきた。北海道から九州まで東京以外の土地では私が日本に対して敵対的な記事を書いているという非難を受けたことは一度もない。反対に、さまざまな興味深い話題を提供され、全国で気分のよい人々に出会ってきた。
日本は今もまだ世界で最も豊かで、最も開放的な国の一つである。日本に暮らし、日本についてのレポートを送ることは海外特派員にとってまことに楽しい経験である。
私の望みは外国人ジャーナリストが、そしてそれ以上に日本国民が、自分の思いを語り続けることができることである。社会的調和が抑圧や無知から由来することはないということ、そして、真に開かれた健全な民主制こそが過去5年間私が住まっていたこの国にふさわしい目標であると私は信じている。
                       (以上 引用)
 
 
 
 
あとは、日本国民と日本のメディアがしっかり考える番だ。
 
 

転載元転載元: TABIBITO

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転載きじです。

2015/6/2(火) 午後 1:35 [ はやぶさ ]



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