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 安倍政権を批判する文言が印刷されたクリアファイルが学校の職員室で目撃された―と、道議から指摘を受けた道教委が、実態把握のため全道的な調査を始めた。

 公立小中高校の教職員に、ファイル配布や所持を見た場合は日時や場所、人物名まで調査票に記入し、報告するよう求めている。

 道教委は「公務員の政治的行為を禁じた人事院規則に違反する疑いがある」と説明する。

 だが、ファイルは職員室の机の上に置いてあったにすぎず、教室に持ち込んだわけでもない。にもかかわらず、教職員に「通報」を求めるのは行き過ぎだ。

 教室の政治的中立は保たれなければならないが、思想の相互監視のような調査は現場の混乱を招きかねない。やめるべきだ。

 ファイルはA4判で「アベ政治を許さない」と俳人の金子兜太(とうた)さんの揮毫(きごう)が印刷されている。

 北海道高等学校教職員組合連合会(道高教組)が作製し、組合員約1500人に配布した。

 調査は札幌市立を除く道内の約1700校が対象だ。回答は任意だが、記入例を見ると「××さんが書類を中に挟んで自分の机の上に置いていた」などとしている。

 まるで告げ口による「持ち物検査」だ。

 道高教組は「ファイルは組合活動として組合員にだけ配ったもので、調査は憲法の団結権や表現の自由を侵す」と抗議し、調査の中止を求めている。

 しかし、道教委は「調査を中止するつもりはない」としている。高橋はるみ知事も「違反の疑義があるから調査していると報告を受けている」と述べ、問題はないとの認識を示した。

 ただ「違反の疑義」というが、道教委は調査に当たり「ファイルを自分の机に置いたり、個人的に使用する行為は直ちに政治的行為とはいえない」とも通知した。

 ならば、「児童生徒や保護者の目に触れれば誤解を招くおそれがある」とはいうものの、調査の必要性はあるのだろうか。

 道議会では、昨年も道立高で弁護士が行った集団自衛権に関する出前授業が「政治的中立」の観点から、問題視された。

 さまざまな圧力から教育を守ることが、教育委員会の役割であるはずだ。道教委はそうした認識をもっとしっかり持つべきだろう。

 文部科学省の業務実態調査で、教職員に最も負担感を与えていたのは、国や教委の調査への回答だったことも指摘しておきたい。

転載元転載元: 北海道は素敵です!!

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