八王子市長選総括
五十嵐仁氏『転成仁語』より
石森陣営は4年間で8万票、
五十嵐陣営2週間で5万票。
1月24日(日)投票日を迎えた八王子市長選挙について、候補として奮闘された五十嵐仁さんが、自らのブログで、次の総括文を発表されましたので転載させていただきました。
今後、関係者で、より深い総括が行われることを期待いたします。
八王子市長選挙での数字は何を示しているか。
1月26日(火)
石森陣営は4年間で9万票だったのに、五十嵐陣営は2週間で5万票を獲得した。これが八王子市長選挙で示された数字の意味でした。
しかし、子細に分析すれば、もっと違った意味も発見することができます。昨年2015年4月の市議選での数字と比較してみましょう。
昨日のブログで、現職の市長対無名の新人であったにもかかわらず、あまりにも時間が足りなかった点に、最大の敗因があったと書きました。ほとんど知られていない候補者がポッと出て来て、サッと通るほど現実は甘くないということであり、それはある意味では当然のことだったでしょう。
しかし、それでも5万票以上を得票することができました。それが何を意味していたかは、数字によって示されています。
ここで使うのは2015年4月に実施された市議会議員選挙での数字です。そこで投じられた票と今回の市長選挙での両陣営の得票を比較すれば、石森陣営は票を減らし、五十嵐陣営は増やしていたことが明らかになります。
国会の市長選挙で、石森陣営には自民党、公明党、民主党が加わりました。対する五十嵐陣営では共産党、社会民主党、生活者ネットワーク、無所属の陣内やす子さん、維新の党の小林ひろえさんが支援に回りました。
石森陣営に加わった市議の得票合計は11万6028票です。これに対して、五十嵐支援に回った市議の得票合計は4万9558票になります。
これを今回の市長選挙での得票と比べれば、石森さんは9万3641票で2万2387票の減、私は5万1811票でしたから2253票の増となっています。昨年4月の市議選挙と比較すれば、石森候補は2万票以上減らし、私は2000票以上増やしていました。
ここに共同の力が示されていたと言えるでしょう。これだけの短期間で、これだけの成果を上げることができたのですから。
問題は投票率です。市議選では45.06%あった投票率が、市長選では32.60%と12.46ポイントも低下しています。この低下した部分の大半は市議選で無所属議員に入れた人たちの票ではないでしょうか。
市議選では無所属議員に入れ、今回は投票しなかった人々が、もし私に入れていたなら、勝利するチャンスがあったということになります。そのチャンスを生かすほどの時間がなかったのは、返す返すも残念です。
この人たちは、なぜ投票所に向かわなかったのでしょうか。現市長には批判が少なく、対決点が明確にならなかったという点が大きかったように思われます。
選挙の告示前にある無所属の市議と話をした時に、「石森現市長は黒須前市長ほど悪くはない」と仰っていました。「良いことをしない代わりに、悪いこともあまりしない」と。
私はこれを「無為の罪」と批判しましたが、多くの市民にとっては変えなければならない必然性が理解できなかったということになるでしょう。だから、わざわざ投票所に足を運ぶ必要もないだろう、と。
沖縄における基地問題のような明確な争点が無かったということも、投票率を下げた原因かもしれません。正確に言えば、無かったのではなく、見えなかったということかもしれませんが。
「安保法廃止」や「アベ政治を許さない」「開発から福祉へ」という形での争点提起を行い、これらの問題を切実に感じた人々は熱心に取り組み、投票してくださいました。それが5万票を上回る得票に示されています。
しかし、それをさらに広げて、幅広い市民にこれらの問題が切実かつ重要であることを理解していただくには時間が足りませんでした。それが、前回市議選を若干上回る票の拡大にとどまった事実に示されています。
これらの分析から、教訓を汲み取ることが必要です。選挙が終わったからといって、問題が解消されたわけでも、闘いが終わったわけでもないのですから。
転載元: 紫陽花(あじさい)のブログ
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