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2008/9/3(水) 午前 4:32ブルちゃんのひとり言政党、団体 Yahoo!ブックマークに登録 全国学力テスト 競争あおるだけでは困る
文部科学省が小学六年と中学三年の全員を対象に、今年四月実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の結果が公表された。
「学校や地域に過度の競争が生じる」などの批判の中で、昨年、四十三年ぶりに復活した全国一斉の学力テストだ。文科省は結果について「知識の活用に課題がある」などと分析した。昨年の指摘とほぼ同じだ。
都道府県別の成績も秋田、福井などの上位は変わらず、最下位の沖縄もそのままだ。教育成果が一年で簡単に表れるものでないことは分かるが、これでは、今後も同様の方式で続ける意味が疑われよう。
しかも今年は平均点が下がった。文科省は「昨年より問題を難しくしたため」としている。難易度がその年ごとで変わっては、比較検討する資料にならない。これでは「都道府県対抗学力競争」と言うべきだ。
二年連続トップの秋田県には他県から視察が殺到しているという。「秋田に追い付け追い越せ」ということなのだろう。これを競争と呼ばずして何というのか。
文科省は「過度の競争、序列化を避けるため」として、個別の情報開示は行わないよう自治体に通達を出している。だが、子どもが通っている学校や地域の学力水準を知りたいのは親心だ。市町村や学校ごとの結果の公開を求める動きが全国で広がっている。
現場の教員からは「校長から学力向上を求められ研修が増えた」などの声が上がっている。文科省が「過熱した競争をやめよう」と叫んでも、テストは競争につながるのだ。
学習状況調査(生活習慣アンケート)の分析も陳腐だ。「テレビを見る時間が短い子の方が正答率が高い」「読書好きの子は国語の正答率が高い傾向にある」。全国一斉調査をしなくてもこれくらいのことは分かる。
テストには昨年約七十七億円、今年は約五十八億円の費用が掛かっている。文科省は来年度以降も継続する方針だ。しかし、自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームでさえも、「目的とコストが見合っていない」と「駄目出し」している。
文科省は「自治体や学校、教員、子どもの改善課題を明確にするためには、毎年の全員調査が必要」と強調する。だが、競争をあおるだけで、科学的分析に役立たないような調査は、功より罪が大きいと言わねばならない。
全国一斉の学力テストは自治体や学校間で競争が過熱し、一九六四年を最後に廃止された経緯がある。文科省はその轍(てつ)を踏もうとしていないか。学力向上にはテストより少人数学級の推進や教員増などに力を注ぐべきだ。
[新潟日報9月2日(火)]
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