北海道5区補選はどうなる
〜ほぼ五分と五分の状態
2016年4月3日 17時41分配信(抜粋)
衆議院北海道5区の補欠選挙は4月12日告示、24日投開票の予定です。現在のところ、自民党公認の和田義明氏と無所属の池田真紀氏が立候補を予定しています。ともに40代前半の若い候補者となります。北海道5区は札幌市厚別区、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、石狩振興局管内をまたがる選挙区です。大都市的とも言えず、かと言って田舎でもない地域です。浮動票の行方も大切ですし、ドブ板的選挙も意味がある地域です。この選挙区は故町村信孝前衆院議長の地盤でした。町村氏が勝ち続けた選挙区です。2009年の衆議院選挙では民主党が圧勝し、政権を奪取しますが、この時だけ、民主党候補者に敗れ、比例復活となっています。それ以外では圧勝です。
その町村氏は昨年6月1日に脳梗塞のため死去されています。この補欠選挙は町村氏の死去に伴うものです。これまでの選挙状況をみれば、自民党候補者が圧勝するものと思われていました。自民党公認の和田義明氏は町村信孝氏の娘さんの夫、つまり娘婿です。もともとは民間企業の社員でしたが、2014年12月になってから義父である町村氏の秘書となり議員会館で働きはじめました。町村氏の後継者としての準備をしつつあったということでしょう。こうしたことから、和田氏の圧勝とみられていたのですが、池田氏が急追しており、選挙結果はわからなくなってきました。
この北海道5区の補欠選挙がここまで注目されるのは、噂される衆参両院の同日選に大きな影響を与えるからです。圧勝といわれた北海道5区補選で自民党候補者が敗れるとなると、そもそも衆議院解散総選挙も延期されるのではないかとみる人もいます。民主党は維新の党などと一緒になって民進党を結成。岡田民進党の最初の国政選挙となります。民進党にとっても重要な意味を持ちます。新党のもとでの初の選挙を勝利できるかどうか。勝利すれば勢いづきますが、敗北すれば新党効果が一気に薄れます。京都3区の補選では、自民党が不戦敗戦略をとりましたから、この北海道5区の補選が象徴的な意味を持つようになっています。
圧勝といわれたこの選挙がなぜ接戦になったのでしょうか。
1. 失態続く自民党議員
特に大西議員の「巫女さんのくせに」発言は、北海道5区の応援に行っていた時の発言です。
2.弔い選挙効果の薄れ
町村氏が他界されてから10ヶ月が経っています。
3.しがらみから脱皮戦略の空回り
4.好感度の高い池田氏
池田氏は政治の世界での経験はほとんどないようですが、NPOや研究者としてのイメージもあり、好感度が高くなっています。過去の苦労も、今のところ有権者にはプラスに受けとられているようで、庶民的というイメージが定着しつつあります。笑顔も好感をもって受け取られています。こうした短期の選挙ではイメージは非常に重要です。ダブルスコア選挙と危惧されましたが、今はほぼガップリヨツの状態となっています。
5.民進党立ち上げ最初の選挙
民進党が新党として立ち上がりました。「期待しない」という声も強いのですが、民主党のままのときよりは勢いがあります。自民党にとっては万一の敗戦となってもそこまで大きなダメージはありません。しかし民進党にとっては敗れると新党効果が薄れ、衆参同時選挙での展開はさらに難しくなります。
*寄せ集め的な要素もある民進党は最初に躓くと、その後はかなり厳しくなります。最初に勝つと、岡田代表への求心力もつくのですが、負けると、求心力がなくなります。それだけ重要な選挙。新党あげての戦いをするのではないかと思います。
現在のところ、 やや和田氏有利といわれます。しかし微妙なゾーンにすでに入っています。民進党の側も不祥事がでつつあります。これからちょっとしたことで、結果が変わるという状況になりそうです。やや和田氏が有利でも、追っているのは池田氏。五分五分と言えるくらい厳しい選挙になりそうです。そしてその結果が衆参同時選挙の展開を変える可能性もあります。つまり日本の未来を変えるかもしれないのです。それくらい大切な選挙となりました。
6.独裁主義か、国民主権かー琵琶補足
児玉氏が上げている以外に重要な要素としては、自公+補完勢力vs野党共闘+市民連合の対決を占うものとなってきていることです。
自民安倍1強と言われていますが、平和民主主義、原発再稼働、消費税大増税、TPP等々、基本政策の殆どで、国民の多数は、現政権の政策ではなく、むしろ野党側の政策を支持しています。それは、選挙制度と、野党がまとまっていないことが原因です。
然し今次の参議院選挙では、「野党は共闘」の流れが強まり、すでに32の1人区のうち、15の選挙区で共闘が確定し、10選挙区でも協議が進行し、残り7選挙区でも今後成立する可能性があります。(4月3日毎日新聞)
併せて衆参同時選挙も予測される中で、市民たちの「野党は共闘」の叫びは一層大きくなっています。
4月24日の北海道5区、京都3区の補選は、まさに日本の将来を決する重要な選挙になります。
7.各自が、その重要な意義を掴みとって、投票率が大きく伸びることを期待したいと思います。
三重大学副学長・人文学部教授を経て現職。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、マーケティング調査など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。連絡先:kodama2015@hi3.enjoy.ne.jp
· katsuya.kodama