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情報社会、哲学、日々の雑感など。吉田寛Hiroshi Yoshida (静岡大学Shizuoka University)が執筆。

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哲学(吉田) 第三回 「現実」

本日のテーマ:「夢と現実は区別できるのか?」
先週:「哲学」とは何か? 「哲学の有用性」について

復習
「哲学」=生活の前提となる重要概念(「現実」「時間」「私」「意味」など)を再検討する学問→生活・社会というゲームのプレイではなく、ルールを検討する学問
哲学の有用性=哲学の知は、「知識」と言えるか? →役に立つのか?

グルーープワークの報告からアイデアを挙げてみます

○役に立つ
残っているから有用なのでは?
視野の拡大、思考の柔軟性、多様性、豊さ
新しい技術・状況を扱うのに必要
他者理解、寛容性、共生へ
思考を深める
今ある社会・学問・文化基盤理解
新しい考え方、創造性
論理的思考の訓練
間接的に役に立つ
思考の核になる
意思決定、人生の目的
人生の構え、心の支え
自分らしさ、人間らしさ
・常識=思い込みの批判は有用(≒プラトン)
・(精神的)治療である、救いである
・就職活動・面接で役に立つ(卒業生)

×役に立たない
なくても困らない、生活に必要ではない
金にならない、経済的価値を生まない
単体では使えない
正解がない、学びづらい
定義があいまい
必要かどうかはひとによる
「哲学」とは何かが分からない
へりくつ、生産的ではない、時間の無駄
すでに役割を終えた学問
思い込み、宗教のようなもの
・ナンセンス(≒ウィトゲンシュタイン)
・(精神的)病気になる、自殺する

コメント
吉田の考え:与えられたゲームのやり方を身につけ、あとはただプレイするだけが人間・人生というものなら哲学は不要
哲学が有用かどうか、この授業も参考に、自分なりの納得のいく考えを探してほしい
哲学的思考=批判的思考=テーゼ&アンチテーゼを立てて検討する
=ただ有用と言い張るのではなく、有用ではないというアイデアも検討する(逆も)⇒「知識」「有用」「人生」「他者」などの基本概念への検討に進む

本日からのテーマ:「夢と現実は区別できるのか?」

1:「問い」
1 夢⇔現実 なら、なぜ、
2 夢(夢⇔現実)⇔現実 ではないのか? そして、
3 夢(夢(夢⇔現実)⇔現実)ではないのか?

 「現実」は夢(仮の世界)かもしれないという思想
 うつしよ(現世)⇔とこよ(常世・浄土・神の国) 神道・仏教・キリスト教
 胡蝶の夢(邯鄲の枕)
 懐疑論(懐疑主義)
 プラトン(影:洞窟⇔イデア:実在)
 カント(現象⇔もの自体:実在)

2:作品
『蟲師 続章』「香る闇」
これを夢と現実の区別の物語と観ることはすこし強引な観方かもしれない。
だが、この物語は、「唯一の現実」だと思いこんでいる世界・人生が、もしかしたら、じつは、「唯一の現実」ではないかもしれない、という設定、そして、その「現実」の中から、それに気づくことができるのだろうかという問いにリアリティを与えてくれるだろう。

3:課題:「この現実は夢かもしれない」という懐疑から抜け出すことはできるだろうか?
自分のアイデアを簡単にメモしておこう→学務情報システム

次回:デカルト『省察』など 古典検討
 デカルト:懐疑論に抗して→近代的な知的大陸を切り開く
 デカルトの懐疑「私はじつは夢を見ているのではないか?」とその検討、を検討してみよう

参考
吉田の検討
【哲学2016 第五回 「枕小路」から夢と現実について考える&哲学・思想の本について】(Blog2735)https://blogs.yahoo.co.jp/blog2735/57303522.html
【哲学2015】 日本の思想 4 『蟲師』の思想1 「枕小路」
(Blog2735)https://blogs.yahoo.co.jp/blog2735/56791184.html
「『涼宮ハルヒ』の独我論 (誌上シンポジウム『涼宮ハルヒの憂鬱』) (吉田寛『静岡大学情報学研究』、2013)
https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=8773&file_id=31&file_no=1
「バーチャルリアリティのリアリティはなぜバーチャルなのか」(吉田寛『京都大学文学部哲学研究室紀要 : Prospectus』2001)
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/50684

関連作品
映画『マトリックス』(The Matrix)、1999年、アメリカ、ウォシャウスキー兄弟(姉妹)
マトリックス−1(Blog2735)https://blogs.yahoo.co.jp/blog2735/56266558.html
『流れとよどみ』大森荘蔵、産業図書、1981
『ドグラマグラ』夢野久作、社会思想社、1976=1935
映画『ドグラマグラ』1988、活人堂、松本俊夫監督

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