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2007/8/8付け【産経抄】

 出るところには出てみるものだ。国際海洋法裁判所の判決によって、カムチャツカ半島東方沖でロシアに拿捕(だほ)された「第88豊進丸」(富山県)の乗組員17人が、1000万ルーブル(約4600万円)を払って2カ月ぶりに解放される見通しとなった。乗組員のご家族はさぞほっとされたことだろう。

 ▼ロシア側は拿捕から1カ月たっても乗組員を帰国させるそぶりさえみせず、日本は恐れながらと国際裁判所に駆け込んだ。そこでロシアが要求したのは、2500万ルーブル(約1億1500万円)もの身代金、いや保証金だった。違法操業を疑われた非は漁船側にあったにせよ、カリブの海賊もびっくりの所業だ。

 ▼拿捕した乗組員を「合理的な」保証金の支払いによって早期解放するよう定めた国際法をものともしないロシアの強欲さは遺伝的なものかもしれない。ちょうど明日は、62年前に旧ソ連が日ソ中立条約を踏みにじって満州などに攻め込んだ「ソ連侵攻記念日」である。

 ▼確かに昭和20年2月のヤルタ会談でスターリンは、対日参戦を約束した。4月には中立条約を延長しないと日本側に通達している。だが、8月の時点で日ソ中立条約は有効だった。真珠湾攻撃とは比較にならぬだまし討ちである。

 ▼8月9日が「長崎原爆の日」なのは、教育現場でもNHKをはじめとするテレビでも毎年、大きくとりあげられている。にもかかわらず、「ソ連侵攻記念日」がほとんど無視されているのはどうしたことだろう。

 ▼ソ連や中国が大好きな先生が多かったかつての日教組の「呪縛(じゅばく)」がいまだに続いているためだろうか。中国残留孤児の悲劇も北方領土が62年たっても返還されないのも「8・9」から始まっていることを日本人なら忘れてはなるまい。

 年齢のサバを読むといえば、ふつうは実年齢より若く言うことだろう。だが漫画家の手塚治虫さんは、亡くなるまで実際より2歳年上だと信じられていた。

 戦後すぐ、デビュー作の掲載が決まったとき、17歳だった。正直に年を言うと、若すぎて編集者を不安がらせるかも知れない。大人に見せようとサバを読んだ年齢が、そのまま流布したという説がある。

 偉業に花を添える逸話と違って、どこか切ない「サバ読み」が、各地の自治体で発覚している。大学や短大を卒業したのに、高卒者の試験で採用されていた「学歴詐称」である。神戸市、大阪市などで相次ぎ、先日は横浜市でも分かった。免職や停職など、厳しい処分が下っている。

 同情論もあるが、高卒者の就職機会を奪ったというとがめは、やむを得ないだろう。それよりも発覚した数である。大阪が約1000人、横浜は約700人というから、たまさかの不心得ではない。

 大阪では、バブル崩壊後の就職氷河期に増えたという。この時期に社会に出た「さまよえる世代(ロストジェネレーション)」の、背に腹代えられぬ策だったのか。せっかく身に付けたものを捨てての身過ぎなら、暮らしは定まっても、喪失感があっただろう。

 思い出すのは、〈まだ何もしてゐないのに時代といふ牙が優しくわれ噛(か)み殺す〉の歌だ。歌人の荻原裕幸さんが、25歳の閉塞(へいそく)感を詠んだ。時代という牙はいま、25歳から35歳の世代に、ひときわ苛烈(かれつ)に噛みついている。切ないサバ読みは、はざまの世代からの、秘(ひそ)かな異議申し立てだったかもしれない。

 国会全体の活性化につながるのか、それとも、政治の混乱と停滞を招くだけなのか。参院のあり方が問われる。

 民主党の江田五月・元科学技術庁長官が参院議長に就任した。1955年の保守合同以来、自民党出身以外からの参院議長の選出は初めてである。民主党は議院運営委員長も占め、参院運営の主導権を握った。

 民主党は参院で、共産、社民両党などと協力すれば、政府・与党の提出法案をすべて否決できる。与党も、参院で否決された法案を衆院で3分の2以上の多数で再可決し、成立させられる。

 だが、野党は参院で最大60日間審議を引き延ばし、その間に会期や法律の期限が切れれば、再可決を阻止できる。

 衆院で与党、参院で野党がそれぞれ過半数を占める「ねじれ」現象は戦後、3回あったが、いずれも参院で与党に協力的な緩衝勢力が存在した。今回は、そうした勢力がない。与野党は未知の状況下で、手探りの国会運営を強いられる。

 民主党は参院で、積極的に議員立法に取り組む方針だ。今国会に年金保険料流用禁止法案を提出する。次の臨時国会でも、1円以上の支出に領収書添付を義務付ける政治資金規正法改正案や、天下り根絶法案などの提出を検討している。

 だが、与党の賛成を得られない限り、法案は衆院で否決され、廃案になってしまう。否決を前提に、与党との姿勢の違いをアピールするのが狙いなら、政府・与党を揺さぶるための党利党略との批判を免れない。

 自ら提出した法案の成立を目指すなら、民主党から与党に修正協議を申し入れることがあっていい。

 テロ対策特別措置法の延長問題では、民主党の菅代表代行や前原誠司・前代表から、与党との協議に前向きな発言が相次いだ。テロ対策や日米同盟の重要性を意識したのだろう。そうであれば、与党との合意点を真剣に探るべきだ。

 民主党は、年金の流用や税金の無駄遣いの実態を把握するため、国政調査権を活用し、政府に資料の提出などを求めるという。適切な調査権の活用は、行政の問題点を掘り起こし、各省庁に緊張感をもたらす効果が期待できる。

 国会同意人事では、衆院による再可決の規定はなく、参院が否決すれば、人事は白紙に戻る。民主党は、日本銀行の次期総裁への財務次官経験者の起用に反対しているが、もう人気取りのような官僚バッシングだけでは済まされない。

 民主党は、重要政策を着実に推進し、「政権担当能力がない」との疑念を払拭(ふっしょく)しない限り、政権は見えて来ない。

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