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南京事件「証拠写真を検証する」
(東中野修道 亜細亜大学教授 2005年2月 草思社)
南京事件とは、1937年に南京での日中の戦闘行為の6週間に、日本軍が虐殺その他の非行をしたとするいわゆる「南京大虐殺」をいう。
その根拠とされる3万枚以上の証拠写真を3年間に渡って検証した結果、証拠としては通用せぬことが分かった。本書はそのうち143枚の写真を取り上げ、すべてが合成、演出、改竄であることを明らかにした。
証拠写真は見る人の思想的な背景によっていかようにも解釈できる。それを危惧した著者らは「南京虐殺があったのかなかったのかという観点から写真を見るだけでなく、検証の目的を、南京事件の証拠として使われている写真が、はたして証拠として通用するかどうかの一点にしぼった」(東中野)
●南京事件の起こった時期(冬)を検証。影と物体の比率を測定。
●日本軍の軍服であるかどうか。
●不自然な動作(例えば刀を振り下ろすときの左右の脚の位置)
(藁の試し斬りでは脚の配りを間違えると自分の膝を斬ってしまう)←父の経験
●初出写真を探し当てて照合(改竄の証拠)
本書は写真検証の副産物として明らかになった「証拠写真」の源流・本流・末流の流れ図をまとめ、いかに意図的にプロパガンダの手段として使われていたかを示している。
朝日新聞の本多勝一記者が「中国側の視点から明らかにする(本多)」ために1971年に中国に渡り、「被害者」の話を聞き取った「中国の旅」を朝日新聞に連載した。翌年写真入で出版されてベストセラーになり、南京事件が有名になった。
そして、1970年代末から「南京大虐殺」が日本や中国の教科書に載るようになる。「南京大虐殺記念館」は無料にしたこともあり、最初はちらほらだった観客も急増し、北京政府は施設を拡張し、ユネスコの世界文化遺産に申請するという。
本書のエピローグで著者は
「南京大虐殺の証拠写真と称される写真、最近入館無料となって入館者で混雑するという南京大虐殺記念館の展示写真・・・のほとんどは、本書の検証によれば南京大虐殺の証拠としては決して通用するものでは無かった。
いかし私たちはそこまでしか言えない。あとは写真を展示する人、それを見る人の良識とウソはいけないという良心に待つよりほかはない。ウソを取り払おうとする努力を妨げようとする人こそ、日中関係の真の構築を妨げているのである。
このウソが取り除かれなければ、ウソによって作りだされた憎悪の感情が、中国における反日と日本における嫌中の悪しき連鎖反応を生み出していく。そして、このままでは、それがどこまでもつづいていくのではないか。このウソが取り除かれるとき、はじめて真の日中友好が始まるであろう。日中間に突き刺さった刺、私たちが書物や展示会で目にする、いわゆる南京大虐殺の「証拠写真」の検証は大いに役だつと期待している。
と結んでいる。
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