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インテリジェンス 武器なき戦争
海上自衛隊からイージス艦の機密が漏洩した。
犯人は護衛艦「しらね」の2等海曹(33)。
中国籍の妻が絡んでいるので、ハニートラップにかかったのか。
その後バッタリと後追いニュースが途絶えた。
偽情報を中国に摑ませたのか?
そうあって欲しいが、さもなくば日本のスパイ対策の貧困さを世界に知らしめ、同盟国アメリカの不信を買うことになる。
日本はスパイ天国だという。
はやくスパイ防止法案を成立させて、国家機密の漏洩は国家反逆罪で死刑として欲しい。
日本のインテリジェンスを語った書物を紹介する。
元NHKワシントン特派員の手嶋龍一と、鈴木宗男と関係の深い外務省のラプスーチンこと佐藤 優元主任分析官の対談。
手嶋氏はワシントンからのテレビ報道を良く見たが、話す時にクビが振れて、目つきも喋り方もオカマ風でキライだった。かなり偏向した解説をしていたのも記憶している。
一方の佐藤氏は胡散臭い雰囲気の男だという印象しかない。
この佐藤氏、最近、「諸君!」5月号でそのインテリジェンスに疑問を投げかけられている。
本書は、インテリジェンスとは何か、日本のインテリジェンス能力の現状、インテリジェンス強化の方法などについて、ある程度の知識を得るには参考になる。
ただし、両者がお互いに変に褒め合ったりするところが頂けないが、虚々実々の対談ということにしておこう。
「日本のカウンター・インテリジェンス能力は世界最高レベル」だというが、イージス艦情報漏洩といい、ヤマハのヘリコプター事件といい、防諜能力が世界で最高とはとても思えない。
一刻も早くスパイ防止法案を成立させたいものだ。
佐藤
「手嶋さんの歌舞伎役者のような流し目を背後に感じた」(言い得て妙!!)
●外交は武器を使わない戦争。インテリジェンスはその戦いに不可欠な武器。
インテリジェンスは国家の命運を担う政治指導者が舵を定めるための羅針盤
●情報(インフォメーション)は素材。それを精査し、裏を取り、周到な分析を加えた情報がインテリジェンス
●インテリジェンスは戦前の陸軍参謀本部が使っていた「秘密戦」に相当する。
秘密戦には4分野があった。
1.諜報(ポジティブ・インテリジェンス) 2.防諜(カウンター・インテリジェンス) 3.宣伝 4.謀略
●日本のインテリジェンス能力はそれほど低くない。インテリジェンス能力は国力からそれほど乖離しない。
GDP2位の日本はそれに即したインテリジェンス能力を持っているはず。ただ結晶化していない
●軍事大国はインテリジェンス小国になりがち。軍事大国でない日本はインテリジェンス大国たりうる。
東京には世界の良質のインテリジェンスが集まっているが、日本政府は気付いていない。
●9月11日は東京が機密情報センターになった。NHKはパレスチナ解放民主戦線の犯行と誤報。
そのほか、イラク戦争批判もあるが、手嶋氏のNHK体質(リベラリスト)の視点からのネオコンの定義には賛成できない。
インテリジェンス 武器なき戦争
(手嶋龍一・佐藤勝 冬舎新書 2006年11月 740円)
目次
まえがき
序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生
インテリジェンスは獣道にあり
情報のプロは「知っていた」と言わない
なぜ「外務省のラスプーチン」と呼ばれたか
インテリジェンスというゲームの基本ルール
「嘘のような本当」と「本当のような嘘」
インテリジェンスの共通文化
十重、二十重、R・ゾルゲの素顔
死刑と引き換えに愛する女たちを救ったゾルゲ
インテリジェンス・オフィサーの資質が存亡を左右する
第一章 インテリジェンス大国の条件
イスラエルにおける佐藤ラスプーチン
外務省の禁じ手リーク発端となった「国策捜査」
大規模テロを封じた英情報機関
インテリジェンス世界とメディアの秘められた関係
功名が辻に姿見せないスパイたち
そっと仕掛けられた「撒き餌」
イラク情報で誤った軍事大国アメリカ
大量破壊兵器ありー幻の情報キャッチボール
サダムとビンラディン、その悪魔的な関係
イスラエルとドイツに急接近するロシア
「二つのイスラエル」を使い分けるユダヤ人
ネオコン思想上の師、S・ジャクソン上院議員
プーチン大統領のインテリジェンス能力
第二章 ニッポン・インテリジェンスその三大事件
TOKYOは魅惑のインテリジェンス都市
七通のモスクワ発緊急電
仕組まれたゴルビー訪日延期
愛人は引き継ぐべからず、情報源は引き継ぐべし
スパイたちへの「贈り物」
運命を変えたテヘラン発極秘電報
グレート・ゲームの国々
東京が機密情報センターと化した9月11日
大韓航空機撃墜事件をめぐる「後藤田神話」
情報の手札をさらした日本、瞬時に対抗策を打ったソ連
自国民への「謀略」−そのタブー
カウンター・インテリジェンスとポジティブ・インテリジェンス
日本のカウンター・インテリジェンス能力は世界最高レベルにある
第二章 日本は外交大国たりえるか
チェチェン紛争−ラスプーチン事件の発端
すたれゆく「官僚道」
竹島をめぐる凛とした交渉
「平壌宣言」の落とし穴
すべてに優先されるべき拉致問題
ミサイル発射「Xデー」に関する小賢しい対メディアエ作
水面下で連動する中東と北朝鮮情勢
「推定有罪」かインテリジェンスの世界の原則
腰砕け日本の対中外交に必要なのは「薄っぺらい論理」
靖国参拝の政治家
記録を抹殺した官僚のモラル
自衛隊のイラク派遣は正しかったか
「二つの椅子」に同時に座ることはできない
第四章 ニッポン・インテリジェンス大国への道
情報評価スタッフー情報機関の要
イスラエルで生まれた「悪魔の弁護人」
インテリジェンスの武器で臨んだ台湾海峡危機
インテリジェンスを阻害する「省益」の壁
インテリジェンス機関の創設より人材育成を
インテリジェンスの底力
官僚の作文に踊る政治家たち
インテリジェンス・オフィサー養成スクールは大学で
インテリジェンス・オフィサーの嫉妬と自尊心
擬装の職業を二つ持つ
生きていた小野寺信武官のDNA
ヒューマン・ドキュメントではない「命のビザ」の物語
日本には高い潜在的インテリジェンス能力がある
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