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選挙日の各紙社説読み比べ
選挙日を迎えて各社の社説を読み比べてみました。
以下はその要約・抜粋です。
みなさんのご感想はいかがですか?
《朝日新聞》
若者たちへ―その1票に未来がかかる
気がかりなのは、若い人たちだ。
投票の意味を見いだせないという若者には、二つの視点から考えてほしい。
一つは、世の中に広がる格差社会の波を、若い世代こそが大きくかぶっているということだ。
正社員が減った代わりにパートや派遣の人たちが増えた。
景気が回復したいまも、正社員に転じることはむずかしい。
なかでも厳しいのは、フリーターだ。多くは、技術が身につくような仕事ではなく、食べるのもやっとだ。
こんな現状を変えたいと思うなら、声を上げることだ。仲間同士で愚痴を言い合っても、世の中は動かせない。
将来を見通しながら働ける世の中に、どの政党や政治家なら変えてくれるのか。それを見極めて投票することが現状を変えることにつながる。
二つ目は年金問題だ。
収入が少なくて保険料を払えない若い人たちがいるなら、どんな工夫が必要なのか。その手立てを考えてくれそうな政治家を探してはどうか。
自分たちの抱えている問題を後回しにさせないためには、若者たちの存在を示すしかない。それにはまず、投票所に足を運ぶことだ。
朝日新聞は若者に標的を絞って、格差社会と年金を考えて投票しろとそそのかしている。
まさしく、民主党の主張にそった誘導だ。
朝日は(自民党政権の舵取りで)景気が回復しても格差は広がると主張する。
年金の保険料を払わなくても年金を呉れる政治家を選べとは無茶な話しで、朝日新聞はいつもこのような荒唐無稽かつ無責任なものの言いようをする。
若者には日本の国家としてのあり方と行く末を考えろと教訓を垂れるのがジャーナリズムの使命であろう。
それを「格差社会」と「年金」とは(笑)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
《毎日新聞》
参院選きょう投票 緊張感増す選挙の重い一票
有権者の関心は1.年金2.格差3.政治と金だと述べ、自民・民主の年金制度の政策論争を評価するとしている。
後は、各党の主張を並べただけで、最後の結びは:
衆院に小選挙区比例代表制が導入されて以来、紆余曲折はあったものの、2大政党化は進んだ。政権の安定か、政権交代への道筋作りかは、今後しばらくは、国政選挙では一大テーマになるだろう。それに飽き足らない有権者には独自路線の選択もある。緊張感を増す参院選に、有権者はこぞって参加しよう。
二大政党化は進んだとは思えない。
たまたま、自民党の詰まらない敵失で民主党に風が吹いているだけである。
自民党も憲法改正に反対(加憲は改正ではない)の公明党と連立し、民主党も改正賛成派と反対派の呉越同舟だ。
「それに飽き足らない有権者には独自路線の選択もある」とは意味不明。
社民、共産党に入れるということなのか。
まことに主張のない社説である。
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070729k0000m070113000c.html
《読売新聞》
参院選投票日 日本の将来見すえた選択を
安倍首相は、中韓両国との関係改善や、教育の憲法とも言われてきた教育基本法の制定以来初めての改正、憲法改正手続きを定めた国民投票法の成立などの実績を訴えた。これらをどう評価するかも、一つの判断材料だろう。
経済の安定成長のための基盤構築、巨額の長期債務を抱える財政の再建、年金や医療、介護など社会保障システムの再構築、それを支えるための消費税率引き上げを含む税制改革、国家公務員制度の改革、憲法改正の論点整理にあたる憲法審査会での論議などである。
北朝鮮の「核」の廃棄と拉致問題の解決、テロ対策特別措置法の延長をはじめ国際テロ対策なども喫緊の課題だ。
選ばれる参院議員らは、直ちにこうした問題に対処する責務を負う。課題の解決にあたる能力や資質の持ち主なのかどうか、見極める必要がある。
今回、仮に参院の与野党勢力が逆転すれば、参院での法案処理の主導権は、与党から野党側に移る。野党の出方次第では、迅速を要する内外の重要政策の遂行に支障が出たり、国民生活関連の法案すら成立せず、政治の無用の混乱や停滞、空白を招いたりすることもありうる。
日本の政治は、重大な岐路に直面している。日本の将来を選択する貴重な一票の権利をしっかり行使しよう。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070728ig90.htm
朝日・毎日に比べれば、まことに的を射た論調である。
参院選挙は党派の争いになってしまっているが、議員の能力や資質を見極めて投票せよというのは本来の二院制のあり方に乗っ取った本筋論だ。
参議院で野党が多数をとれば立法府として混乱・停滞・空白を招くと危惧しているのはジャーナリストの良識といえよう。
《産経新聞》
混乱と停滞に戻すのか 将来見据えた投票行動を
任期が6年と長く、解散による失職がない議員の選挙でもある。ここ数カ月、世の中を騒がせたテーマに目を奪われ、怒りにまかせて貴重な投票権を行使するわけにはいかない。
≪「年金」では選べない≫
改革の立ち遅れは、転換期に立つ日本に重い後遺症をもたらしかねない。長期的視野が必要だ。判断の誤りは重大な結果を有権者に突き付ける選挙であることを、いま一度考えたい。
年金記録紛失問題は、社会保険庁を舞台に、官僚のずさんな管理と、職員労組の過剰な権利意識の所産であったことを浮き彫りにした。
それを見過ごしてきた責任は、政治全体にあった。それでも、早急に対応策が整えられ、年金記録問題はひとまず片付いた。この問題だけで与野党の勝ち負けを決めようというのは、どうみても無理がある。
安倍首相が目指す憲法改正や教育再生は、新しい国を形作るうえで不可欠だ。公務員制度改革への着手は、官僚主導政治に本格的にメスを入れる試みとなる。税財政のあり方を含む構造改革の推進、少子高齢化対策、地方の再興といった内政課題も急務である。
核の脅威を振りかざす北朝鮮に、安倍首相は毅然とした姿勢を示し、拉致問題解決を最優先課題としてきた。それだけに、北朝鮮は最近、ことさら安倍首相を批判し、その退陣を心待ちにしているようだ。
≪改革の必要性は不変≫
原則を曲げない対北外交方針は、日米同盟の維持、強化とともに不変でなければならず、いずれも死活的に重要なものである。いまは政治の混乱や停滞が許される状況にはない。
平成元年の参院選で、自民党の参院過半数割れが生じて政界再編、混乱の時代が続いた。
首相や政権の枠組みが次々と代わるだけで政治は安定せず、「政界の失われた10年」とも呼ばれた。
衆院で与党が圧倒的多数を持っていても、参院で過半数割れすれば、野党が反対する法案はいずれも参院で否決されてしまう。衆院と同様に参院も政党化している現実から、与野党対立の状況は、参院の抑制機能を超えて、法案の成否を決めてしまうのだ。
野党の賛成も得て成立させようとすれば、政府・与党が思い切った政策を打ち出すことは難しくなる。
ふさわしい改革とそれを実現できる候補者、政党を見いだすことが、有権者に求められている。
産経新聞は年金記録問題で投票すべきではない、「安倍内閣10カ月の実績とビジョン」を判断材料にせよと主張している。
そして、野党が多数を占めた場合の政治の空白を危惧している点では読売新聞と共通している。
視野の広さ、論理性、妥当性の観点から、読売、産経に軍配が上がる。
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