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宙に浮いた5,000万件の公的年金記録
人間、知らないことが一杯あります。
不勉強のPonkoも知らないことばかり。
テレビや新聞の「おもてづら」ばかり見て、そうなんだと思っていたことも、識者の一言で「へえ、そうだったのか、知らなかった」ということが最近多い。
そこで、恥を掻く事を承知の上で、少しずつ、「へえ、そうだったの!」と気付いたことを書きたいと思います。
【知らなんだシリーズ その1】
与党のせいばかりじゃないんだ
5,000万件の公的年金の記録が宙に浮いて、大問題になっている。
年金は一般国民の最大の関心事だとマスコミも煽り立てている。
野党は参院選を控えて、絶好のチャンスとばかりに、社会保険庁はいったい何をしてるんだ、監督責任のある政府与党は何をしてるんだと騒ぎ立てる。
25日の衆院厚労委員会の採決では女性議員数名が男性議員に交じって、というより率先して議長の口を封じようと両手を差し伸べたシーンをご覧になった方も多いと思う。
そんなこんなの原因のひとつは、民主党の基盤とする労働組合が事務の合理化に反対してるためだとは知らなかった。
この問題についての各紙の社説を見ると・・・
朝日新聞社説は
「この問題を掘り起こした民主党も、独自の救済策をまとめている。論議すべきことは多いのに、与党は1日で審議を打ち切って採決し、社保庁改革法案と一緒に参院に送るというが、とんでもない話だ」
と批判し、
「『「人生いろいろ、会社もいろいろ』と厚生年金問題をかわした小泉発言直後の参院選で自民党は敗北した。救済策が形だけなら、3年前の二の舞いだ」
とひそかに自民敗北への期待感をにじませている。
読売新聞社説(5月29日付)は
「年金支給漏れ ぬるま湯組織が残した負の遺産」として社保庁が残した負の遺産というべき難題を解決せよ」
と毒にも薬にもならない論調。
毎日新聞は
「政府が、組織をスリム化し看板をかけ替えたら一件落着と考えているようなら、とんでもない思い違いである。言うまでもなく、改革の成否は組織の中で働く職員の体質改善にある」
「看板をかけ替えたら一件落着」とだれが考えているのか。一人合点は止めて欲しい。
「職員の体質改善」は労働組合員の体質改善だとは言っていない。
その点、さすが産経新聞はバランス感覚の優れた社説を書いている。
与野党とも社保庁改革を政争の具にするなと警告している。
野党は与党の提案した「救済法案」(正式には「年金時効撤廃特例法案」)を「安倍内閣救済法案」だなどと洒落ている場合ではない。
一国も早い救済方法を実行しなければならない。
産経新聞(2007年5月30日)主張より
責任は与野党ともにある
5095万件の宙に浮いた公的年金(厚生年金と国民年金)記録問題で、野党が「年金の支給漏れだ」「明らかに社会保険庁が悪い」と政府・与党を追及している。
老後の生活に直接結びつく問題だけに、野党側は国民の怒りに火をつけやすい、と7月の参院選をにらんで計算しているのだろう。
社保庁でこうした問題が起きた責任はだれにあるのか。それをもう一度、よく考えてみる必要がある。
民主党はこの問題を安倍政権を攻撃する最大の武器ととらえ、菅直人代表代行は「給付につながらないのは、ねこはばの構造だ」と批判する。
だが、菅代表代行は社保庁を監督する責任のある厚生相を経験した一人である。責任がないとは言い切れない。
ひとごとのように批判すること自体、責任逃れではないだろうか。
他の野党も、単に批判するだけでなく、問題解決の最善策を国民のために探るべきだ。責任は与野党ともにある。
年金問題は本来、超党派で取り組むべき問題である。
社保庁の不祥事は今回の支給漏れだけではない。不正手続きで保険料を免除して納付率のアップを装う。有名人の年金情報をのぞき見して漏らす。組織ぐるみで裏金をつくる…など、問題が次々と発覚し、社保庁は"不祥事の百貨店’と揶揄されてきた。
この間の代々の社保庁職員はもちろんのこと、彼らを指導する同庁や厚生労働省の幹部、長官、大臣にも責任がある。安倍晋三首相が歴代の社保庁長官の責任を明確にする指示を出したのは当然である。
支袷漏れは、社保庁の年金記録管理の杜撰さが最大の原因であろう。
だが、保険料の納付率を上げるためのノルマを課さないよう社保庁に約束させていた労働組合の体質が、一部不祥事の根っこにあることも忘れてはならない。民主党はその労組を支持母体の一つとしている。
与党は支給漏れ救済の特例法案を秋の臨時国会を待たずに、今国会に提出した。しかし、野党議員らの強い抵抗で、社保庁改革関連法案は29日の衆院本会議での採決が見送られた。25日の衆院厚労委員会の採決も混乱した。
国民の年金を支える社保庁の改革を政争の具にしてはならない。
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