メディア・レボリューション

マスコミ各紙各局のOBや、現役の解説者などからなるニュースブログです。TVや新聞には出てこない「新しい」情報を発信します。

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イメージ 1予算審議が終わると、金融問題についてさまざまな議論が、政府、経済界、日銀を巻き込んで活発になりそうだ。
そこで「メディア・レボリューション」では、編集会議メンバー、早房長治(朝日OB) 牧野義司(毎日OB) 町田徹(日経OB)の3氏による座談会を、2月17日に行い、最近話題になっている日銀の量的緩和と、その後の金融政策について三人で話し合った。
その内容を3回シリーズで紹介する。

量的緩和解除後の金融政策のあり方

イメージ 2早房: 量的緩和解除後の金融政策はどうあるべきかということに話題を移したいと思います。
 90年代の半ばころからずっとバブル崩壊後の経済を何とかしなきゃいけないということもあって、金融にものすごい負担がかかって、ゼロ金利にしたり、30兆円も35兆円も大手銀行の当座預金残高を積み上げたり、何のためにやっているのかと疑問さえ生ずることをやって来たわけですよ。長い目で見れば、非正常だった金融政策をどこかで、経済が正常化したら正常にするというのが大きな課題だったと思います。さて、経済も回復した現在、今後の金融政策をどうしたらいいでしょうか。
 考えられる具体的テーマとしては、「ゼロ金利の問題をどうしていくか」ということ、それから、「中央銀行の政策、金融政策の透明性、説明責任の果たし方をどういうふうにしていくか」。それから、最近竹中氏や中川氏からも、日銀の一部でも言われていることですが、「インフレターゲットの問題」。どのテーマでも結構です。

イメージ 3町田: 量的緩和を解除すれば、当然、順序として、次はゼロ金利をどうするかという話が焦点になっていくでしょう。引き続きゼロ金利を続行すると、成長を示す指標がいろいろ出てきた途端、実質金利はマイナスになり、ゼロどころかマイナス金利を付けたのと同じことになってしまいます。そういう局面になると、急ピッチな金利上昇は困りますけども、ある程度機動的に対応するんですよというスタンスを見せる必要が出て来ます。そういう場面は、みんなが思っているよりもかなり早く訪れるかもしれないですね。

牧野: エコノミストたちの予測を見ていると、今年の春に日銀が量的緩和を解除したあと、早ければ今年の秋、10月くらいにゼロ金利解除に踏み切るというような予測が比較的多いようです。
 しかし、私は、ゼロ金利解除はマーケットの状況などを見てフレキシブルに判断すればいいと思うので、同じことは、ゼロ金利解除に関しても、今年の秋ぐらいという意識を持たない方がいいんじゃないかなと。むしろ今は、日銀も慎重に状況をみながら、とりあえず量的緩和を解除してゼロ金利状況に戻し、金融政策に金利機能を持たせる。その政策の余地を確保して、それからマクロ、ミクロの状況を見て、必要が出たらゼロ金利政策に関しても解除する、といった手順を踏むことだ、と思う。つまり、2000年8月のゼロ金利解除の早すぎた政策の判断ミスは、まだ後遺症としてあるので、そこは慎重にした方がいいんじゃないかなと思います。これまた自然体ですよ。

町田: バブルの経験というのがあるわけですから、慎重すぎてもいけないと思います。

早房: ただ、「牧野流自然論」から言うと、景気もいい、それから株価もそこそこ上がっていくという情勢が続いていけば、長期金利は上がりますよね。長期金利が上がれば、短期金利もいずれ上がっていくでしょう。
 僕はそういった動きが多分、秋までには出てくると思う。僕はそれに合わせて、日銀は自然の動きをただ追うってことから始まるのかもしれないけども、金利を引き上げてゆくべきだと思う。ゼロ金利というのは世界のどこの国でもやっていない。非常に異常ですよ。だから、なるべく早く2.5%くらいには持っていかなくては。アメリカは依然、金利を上げ続けているわけだから、先まで考えると、日本もそういう政策に変えなくてはいけない。

町田: よくある議論だけど、それくらいの数字にしておかないと、いざ下げようという時に下げる余地がないというね。

牧野: それはそうですね。だからグリーンスパン前FRB議長が政策金利を4.5%ぐらいに持ってきてるのは、やはり後任のバーナンキFRB議長に対して、次にもしデフレのリスクが出た時に、ある程度、金利引き下げの余地をつくるため政策の懐(ふところ)を深くし、政策の自由度を持っていくという考えがあったわけで、そういうバトンタッチはなかなか巧みだなと思いますけどね。
 ところで、日銀の金融政策の話というのは、本当に今、世界中のどこを見たって、デフレを長期に経験し、それによって量的緩和という、金融政策的には未踏の地域に入って、今度はそれをゼロ金利状態に戻すということを、世界中の中央銀行はみんな見つめていると思うのです。だからそういう面では、日銀の政策の判断というのは非常に重いものがある、と言えます。
 その意味でも、これからの世界中の中央銀行の先例になるように、うまくやったらいいと思う。ただ、ある程度景気がよくなった状況を見れば、自然に短期金利が上がってくる。それは長期金利にも波及するというのがある半面、いくつかの判断材料で見なければいけないのは、一つは、国債の価格暴落というリスクをどう見るかということもあるし、長短金利の上昇というのが、まだバランスシート調整が終わっていない、そして過重債務を抱える企業、あるいはリストラ中の企業にとっては金利負担増になってくるので、もうちょっとそのあたりに政策的配慮が必要という状況も出てきます。
 マクロ的な、大企業製造業を中心とした企業収益の良さだけで景気をみると、それはもう主要金利の容認というのは認めていいかもしれませんが、いま、申し上げた企業への配慮をどこまでやるか、という点も今後の課題になってきます。
それはまた自然体って話になってくるのかもしれませんが、、、。

インフレターゲット論をどう考えるか

イメージ 4早房: 最後に今また復活してきたインフレターゲット論についてお二人の意見を聞きたいと思います。
 中川政調会長や竹中総務大臣はそれがいいということをかなり積極的に言っている。政府の中でも与謝野金融担当大臣や谷垣財務大臣や柳沢自民党税調会長はどうも消極的であると。 
 経済界はいろいろごちゃごちゃだけども、日銀の福井総裁や武藤副総裁は、どちらかというと、それは適当じゃないよというかたち。岩田副総裁の場合は、最近は立場上言わなくなっているけどかなり昔からインフレターゲット論者。
 確かに外国の例をみてみても、それぞれ導入している国は結構ありますけど、その導入した経緯をみると様々なんですよね。そういうことを全部含めて、今現在のインフレターゲット論についてどう考えるかということを、町田さんからご意見を。

町田: そこはわりとノーアイデアなんですけども、あんまり手は縛らん方がいいだろうと思います。それこそ自然体を侵すことになりかねない面もありますから。デフレ、デフレと騒がれた時期なら別として、もういいんじゃないですかという感じはしますけどね。

早房: 最近、与謝野氏が言い出したのですけれども、インフレターゲット論をどういった位置づけにするかということが大事だと思います。僕はやはり、この議論が出てくるたびにぽしゃっている原因は位置づけをしっかりしていないせいじゃないかと思うんですよね。今の0.3%、0.4%とかのインフレ率を、どのような方法で2%とか3%にするかです。これは、ちょっとやりようがないと思うんですよね、現実には。

イメージ 5牧野: 政府の方が、毎年の景気、マクロ経済見通しを含めて消費者物価はこれだけ、GDPはこれだけという見通し判断を出すのはいいと思います。
 しかし、金融政策の面でインフレターゲットを仮に2%とか設定した場合に、そのターゲットに対する政策遂行責任が出てくるので、それでは金融政策面で2%に向けてどういう政策をやっていくかというのが非常に難しい問題だと思います。
 特に今、デフレを脱却して、長短金利の、日銀の長期金利はそう伸びないけども、短期金利の上昇の問題に対してもまだいろいろ見極めが必要になってくる。そんな時に、インフレターゲットにした消費者物価の上昇率2%に対して、仮に0.5%の物価状態だった場合、そのギャップ1.5%をどうやってあげるか、と。これは金融政策面ですごいリスクが伴うことであり、中央銀行が関わるべき領域ではない、それは政府のマクロ政策に委ねる問題だと思います。
 だから、結論的には、インフレターゲットに日銀は拘泥する必要もないし、政策決定する必要もないと思いますけどもね。無理だと思うんですよ。
 でも問題は、バーナンキFRB議長なんかは、インフレターゲット論者だから、FRB(米連邦制度理事会)が、日米での金融政策協調を仮に求めて来たりした場合、日銀にとっては、非常にプレッシャーになるでしょうが、日銀は毅然とした対応をすべきでしょうね。

早房: 僕は、バーナンキFRB議長は、意外に強く言わないんじゃないかと思いますね。
なぜかというと、FRBも合議制ですから。バーナンキ氏以外の人はあまりターゲット論賛成じゃないんですよね。それは、彼もわかっているから、それはチャンスとあればやりたいかも知れない、個人的にはね。だけど、なかなかアメリカでもインフレターゲットを作って、それが非常なプラスになるという情勢じゃないでしょう。政治的にも、あまり政治家からはインフレターゲット論は出てこない。エコノミストとか、学者の間からは出てきていますけれどね。



今回のシリーズでは、日銀の量的緩和解除の問題と、その後の金融政策について話し合いました。
今日、それ以外の金融政策、証券(市場)政策、税制など、多くの経済政策も転換しなければならない時期に入ってきました。
適宜、座談会を開催し、検討をしていきます。ご期待ください。



「日銀関連・緊急座談会」書庫の記事一覧

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牧野氏が中段で、グリーンスパンがバーナンキに譲るために、金利を上昇させたかのような発言をしていますが、それは無いと思います。金利上昇と後継者へのバトンタッチは別物でしょう。米国の4.5%というのはかなりの「高金利」であって、04年に金利を引き上げ始めたときには、わずか1年半でここまで上昇するとは、ほとんど誰も予想していませんでした。金利を中立水準に持っていくといいながら、現状は、当初予想されていたよりも、かなり引き締めに近い水準になっていると思われます。(その壱)

2006/2/25(土) 午後 3:17 [ 太郎 ]

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しかも、この金利上昇の背景には、原油高・商品高によるインフレ懸念があります。だからこそ、グリーンスパンも、4.5%という高金利を達成できたのです。早房氏の言うような2.5%を、日銀が達成できる状況がそう簡単に整うとは思いません。(その弐)

2006/2/25(土) 午後 3:21 [ 太郎 ]


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