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ギリシャはイタリアとともに、ヨーロッパ文化・文明の基礎を成すラテン文化の発祥の地である。その首都、アテネで、ギリシャ人独特のアイデアに基づく、新しい国際会議がスタートした。名付けて「アテネ新学派(The New School of Athens)」。発足の趣旨は、世界にある、さまざまなイデオロギーの代表者を一堂に集めて、融和への道を探り、世界平和に貢献しようというもの。 主催団体である「世界統治グループ(Global Governance group)」のキモン・バラスカキス代表は「古代オリンピック(紀元前9世紀〜西暦4世紀)は筋肉の力だけを競い合うものではなく、むしろ、頭脳の力、言い換えれば、当時、ギリシャにあった、さまざまな思想をオリンピアの祭神ゼウスの前で競う場であった。討論は問題解決の平和的手段である。この良き伝統を混迷した現代に復活させたい」と抱負を語った。「アテネ新学派」は「新しいプラトン学派」を意味するアナロジーであるという。 世界の先進国、中心国、開発途上国から約100人の政治家、経済人、学者、市民グループ代表、ジャーナリストなどを集めた第1回会議のテーマは「民主主義の受容と良き統治(Embracing Democracy and Good Governance)」。具体的には、グローバリゼーションの是非やあり方に焦点を当てた。会議の冒頭に、「世界経済会議」(ダボス会議)の主張を代弁するイギリス人学者と、同会議に対立する「世界社会フォーラム」(ポルト・アレグレ会議、インド、ブラジルなど中進国と開発途上国が参加)の主張を代弁するインド人女性研究者が、グローバリゼーションの長所と欠点をめぐって白熱の討論(この討論は「オリンピック討論」と呼ばれた)を行い、それに基づいて、参加者が4つの分科会に別れて2日間にわたって論議した。 ほぼ全員の意見が一致したのは、国連(UN)や国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機構(WTO)などの現在の世界の統治体制は、第2次大戦直後にできたもので、東西冷戦後の世界にはマッチしないということ。しかし、それに代わるどのような体制なら問題解決の糸口がつかめるかについては、参加者の意見がかみ合わず、予定していた共同宣言を出すことができなかった。 掲げるテーマが大きいだけに、論議を具体的提言にまとめ上げるのは大変な作業だろう。だが、世界平和の実現と維持のためには、グローバリゼーションにどのように対処するかについての先進国と開発途上国に共通する一定の合意や、世界の統治体制の改革は不可欠なので、今後、1年半に1回開かれる「アテネ新学派」の会議の成果が注目される。次回会議は中国で開く予定という。 (早房 長治) ※このコラムは、ヤフーセカンドライフサイトとの提携企画です。
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