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失望した党首討論

イメージ 1 去る五月十七日久し振りに国会で党首討論が行われた。民主党の一連の不祥事件の処理と、九日間という大型連休のため国会開会中であるのに拘わらず、国家予算が成立したことで緊張が緩んだのか、与野党とも活力を喪失したかにみえる。国会論争が停滞していた。民主党は代表を交代し小沢一郎氏が就任し、タイミングよく千葉県の衆議院補選で勝利したはずみで、新しい追い風が吹いてきた。このときに蘇生民主党をアピールするため今回の党首会談に大きな期待と効果をかけてきたと思う。国民も民主党の元気回復を期待してこの会談を注目していた。テレビの視聴率も一段と高くなったと聞いている。私は四十五分の討論を緊張して視聴していたが、結論を云えば物足らなくてがっかりした。討論会で小沢代表の舌鋒はなく、与党に対して追及するよりも自己の意見の開陳が長く続き、その結果、議論の中心がみえず論争になっていない。単なる顔合わせのセレモニーに終わった。私は失望した。
言い放しで議論にならず
 小沢代表は冒頭、国会審議の在り方につき注文をつけ「野党の意見を尊重し、審議が出尽くされてないのに強行採決をすること許さず」と申し入れた。今国会の会期が一ヶ月足らずの切迫した時期になってきたので与党は共謀法や教育基本法等重要法案を成立させるため、強引な国会対策をやるであろう。国会の先例がそうなっているので小沢代表は事前に小泉総理に釘を刺した。野党の統括者として当然の要求であるが、言わずもがなの前提説明に時間を割愛し過ぎる。もう少し要領よく総理から「慎重審議をする」との言質を取ればよい。
 次の議論は靖国神社問題であったが、小沢代表はマスコミが報道していることを伝達したうえで自己主張として「参拝を止めたらよい」と結論しただけで、双方に議論にならず言い放しのままである。
 第三の争点として教育行政の問題を取り上げた。これは国民の大きい課題で関心が高い。「最近人殺し事件が多い。しかも無差別偶発的に残忍な事件が多発している。荒んだ風潮の改善のために教育改革が重要だ」との主張を相当な時間をかけて説明したうえで、教育行政改革について総理に意見を求めた。小沢代表は、教育行政のなかでも現行の教育委員会の在り方を厳しく追及する予定であったろうが、その焦点は惚けてしまって、子育てや社会教育全般、即ち青少年の躾の問題に置き換えられた。これに対して小泉総理は先人の名言として「子育てはしっかり抱いて、そっとおろして、歩かせる」親が幼児を抱きしめ親の愛情をしっかりと感得させることだと答弁。噛み合わない。教育問題は現在、最大の政治的関心事であるが、基本となる教育理念や教育行政のイニシアチブの問題、即ち国と地方自治体の役割分担等国家の責任を明確にする議論をしてほしかった。

外交安保、経済・・・、議論してほしかった

 又久し振りの党首討論であるから、目下重要である米軍の再配置問題とわが国の安全保障等を議題にしてほしかった。いま日本を取り巻く国際環境は無条件平穏ではない。一部の有識者は日本は国際的に孤立するのではないかと憂慮している。今後の日本と周辺国との外交の在り方、また国の安全保障確保、更に世界経済における日本の経済潜在能力の活用等を議論して貰いたい。いま国会は官僚の提出する法案を成立させる印字機になっている。政治を議論する場として党首討論にもっと回数と時間をかけるべきである。

(塩川 正十郎=寄稿)

 ※このコラムは、ヤフーセカンドライフサイトとの提携企画です。

塩川 正十郎(しおかわ・まさじゅうろう)
1921年大阪府布施市(現東大阪市)生まれ。44年慶應(経)卒。67年衆議院初当選、以後11回当選。文相、自治相、財相、官房長官、党総務会長などを歴任。03年10月政界引退。
現在、東洋大学総長、日本相撲協会運営審議会委員等数々の要職を務める。

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