メディア・レボリューション

マスコミ各紙各局のOBや、現役の解説者などからなるニュースブログです。TVや新聞には出てこない「新しい」情報を発信します。

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1 国会が終わると、自民党の総裁選が熱を帯びてくる。
 マスコミのベテラン記者たちは、総裁選の行方をどう観ているのだろうか。
 岸井成格・毎日新聞特別編集委員、星浩・朝日新聞編集委員、川戸惠子・TBS特別解説委員が、6月9日、ChannelJで座談会を行った。

 今回は、5年にわたった小泉政治の総括を、政治・経済・外交・その他の問題に分けて議論した。
 今日はその他の問題を紹介する。                (動画で見たい方はこちらをクリック

小泉政治5年間を振り返る〈その他の問題〉


イメージ 2

格差問題―有効な対策打てず

川戸: 小泉政権5年間の政治、経済、外交についてお話いただきましたが、残った議題についてこれから話していきたいと思います。
 1番はやはり小泉内閣の行き過ぎ、「格差問題」に焦点が当たってます。

星: 格差は確かにこの1年、非常に大きなテーマだと思います。
 小泉さんの国会答弁を聞いていますと、まず「それほど格差はない」と言って、次に「格差はあっていい」、その後は「あまり問題がない」と、揺れ動いています。
 けれども、少なくとも国民の感覚としては大きくなっている。それから生活保護だとかそういうことも数としては大きくなっています。ある意味では、政府支出を絞れば、余計に弱者のほうに痛みが来るということになります。
 私は、格差の本質的な原因は「グローバル化」だと思うのです。世界から安いものがどんどん入って来ると、日本も対抗して価格競争に入る。ある意味で避けられないのでしょうが、それをどうしていくのかということは、小泉政治の中ではあまり有効な手は打ってなかった。
 特に年齢の格差や貧富の格差ということもありますが、中央と地方の格差が大きくなっている気がするのです。シャッター通りと六本木ヒルズの繁栄のコントラストは日本人には今まで経験がないものですから、少し戸惑いは出るでしょう。

川戸: ただ逆に小泉さんが改革をしたというのは、正にその点(戸惑い)を解消しないといけないと。昔、茹でガエル論というのがありましたね、知らないうちに熱いお湯の中に入っていて自分が茹で上がったのを知らなかったというような。そういう日本全体が沈没するのを改革したいという所からスタートしたから、ある意味では仕方ないのかなと、今の星さんの議論もあるのかなという気がしなくもないのですが。

岸井: そういう状況が日本の国全体、経済、社会に覆ってきたという危機感はみんな持ち始めているわけです。だから本当の構造改革が必要だっていう認識は相当進んだし、その改革に対する期待感が、小泉内閣の高い支持率を維持してきたと思う。
 ただ同時に、不良債権処理でリストラをやらなきゃならない。つまり民間の企業の努力も裏を返せば、リストラをして正社員を減らして臨時雇いに変えるとか、いろんな格差が生じたでしょう。そこが景気回復の中でもう一回解消するのか、という問題があると思います。
 格差にもいろんな形態がある中で、このままでは定着しちゃうなというのが、「弱者がますます弱者になる」。「中央と地方」、「大企業と中小企業、特に零細企業」。それが構造改革の規制緩和とか、あるいは効率主義とか、グローバリゼーションの波に呑まれてそうなっているのじゃないかという「不安感」と「苛立ち」というのは国民の率直な感想だと思います。

格差は縮められるか
イメージ 3川戸: だからと言って、また元のように戻りたいと思っているのか。それともそうなるのか。どっちの方向に行くのでしょう。

星: 小泉さん自体が、ある意味格差を内包しているというか。つまり小泉さんというのは自民党の総理大臣には珍しく都市部の人です。橋本さんは岡山、宮沢さんは広島、森さんは石川とか、これまではどちらかというと田舎の人だった。小泉さんは神奈川ですよね。ということは公共事業で食べているという意識はないのですよ。
 だからこの5年間で3割くらいの公共事業を切ってます。それが中央と地方の格差を呼んでいるのでしょうけども、それが我慢できる範囲なのかどうかということでしょう。
 小泉さんからすれば、もう少し我慢すれば、ジャンボジェットじゃないですけど前輪である大企業が上がっているわけで、この勢いで後輪である中小企業も上がると言うのですが、いつまでたっても上がらないなと。

川戸: 中川政調会長からすれば、成長率をもっと上げて、底上げしていけばもう少し元気になると言う。

星: 逆にグローバル化の中でこれ以上、中小企業、例えばタオルを作っている企業が中国と対抗できるかというと、もう無理ですよね。
 限度が見えてきているのではないかな。

岸井: それと進歩の皮肉だと思うけど、ITとFT(ファイナンシャルテクノロジー)などを進めていくということは、効率性を高めていくわけですよ。人手が要らなくなる社会を作ろうってことになる。その辺の兼ね合いっていうのがものすごく難しくなってくると思う。
 最近、ホリエモン事件や村上ファンド事件を見ていると、私はどうも国策捜査ではないけども、検察、法務のなかに一罰百戒的な社会制裁的な面がないとは言えないと思う。

川戸: 大鶴さん(東京地検特捜部長)が就任した時の一番初めの挨拶が正にそのようなニュアンスでしたもの。

岸井: 象徴的な六本木ヒルズ族のやり方をこのままやって、日本をそういう社会にしちゃっていいのか。もちろんインサイダー、粉飾決算とか違法性があるからやるのだけれども、全体から言うと、今の格差社会論とかに対する捜査陣の危機感が背景にあると思うのです。そういう捜査があること自体、あまり健全ではないと。別にホリエモンとか村上ファンドの弁護じゃないですよ。違法は違法で摘発されなければいけないけれども、そういうことを捜査陣が考えなければいけない社会というのは、やはりどこかで歪みが出てきてると思う。

星: 私は、日本社会は少しずつ分裂してると思います。
 例えば、昔は田舎から出てきて親を田舎に残している。稼いだお金が税金で田舎の公共事業になるのは一種の仕送りと考え、人間の「絆」としてある。
 ところが、将来は仕送りしなきゃいけないという感覚がなくなる。そうすると、納めた税金が、公共事業に使われているということに反感が強い。
 それに小泉さんが火をつけた部分があって、「公共事業けしからん」という大合唱が起きる。
 確かに公共事業を削るということではよかったのですが、人間がだんだん分裂していって「絆」がなくなってしまう。それはある程度回復したほうがいいのか、もっと日本も個人主義になったほうがいいのか、かなり意見が分かれるところだと思います。

イメージ 4岸井: だから、小泉政治批判の中にも、政治そのものが情が薄れた、きめ細かな心持ちが隅々まで行き渡るというのが本来の政治ではないか、それを合理的、効率的なもので切っているのじゃないかという批判が強い。このままだと政治だけじゃなく、日本の文化、伝統、歴史までがそうなってしまうと、恐れを抱く人もいる。
 それと、さっき星さんが言っていて面白いなと思ったのは、都会の総理と田舎の総理の話。
 私の持論ですが、戦後の本格総理というのはみんな田舎出身。それも限られていて、中国地方と四国地方と北陸と北関東です。その人たちと話す時に、今までの戦後政治はあなた方の所を基準に予算も政策もやってきたと。
 だけど今、日本の社会構造は都会型になっている。そういう中から、小泉の神奈川、それと山拓、麻生の福岡とか、谷垣の京都とか、つまり東京、大阪の周辺部から総理が出てくるという、一つの流れがあると思う。政治の支配っていうか、力関係が。政策の力点も移ってきていると思う。

「国会延長せず」―安倍へのアシスト?小沢の存在?
川戸: 今の状況ではポスト小泉はわからないと思いますが、それに絡んで「(国会は)延長しない」と小泉さんが言ったのは、安倍さんを応援する為だっていうまことしやかな説も流れていますけれど。

岸井: まず総理大臣が延長しないと言い出して、みんな不満ながらも流れがそうなるなんて、タブーですよ。総理が言ってはいけないことです。総理の真意がどこにあるのかは、まだ謎が多いわけですよ。
 一般で言えば、重要法案積み残しと言われている教育基本法とか、共謀罪とかあるいは国民投票法とかね、そういうものに対する小泉首相の関心はそれほど高くない。後はもう外交に専念したいという気持ちがある、ということではないですか。

イメージ 5星: 私は3つあると思います。まずは外交。訪米したい、それからサミットもある。3
 2番目は、安倍さんです。国会を閉じて安倍さんを総裁選に向けてスタートダッシュさせてあげたいと。福田さんとの対抗上もですね。
 3番目は意外と小沢問題じゃないかと。つまり、国会が開いていると、野党には数少ない土俵ですから、小沢さんが何をやってくるかわからない。特に共謀罪、教育基本法などでいろいろ仕掛けてきますよ。仮に自民党がそれでダメージを受けるようであれば小泉政権にも安倍さんにもマイナス要因だと。そういうことだったら早く芽を摘んじゃえと。
 なぜかというと、5月の初めの段階で小泉さんが「政治状況が変わったからもう、延長しない」と。大きく変わったのは、小沢さんの登場と、千葉の補選で民主党が勝ったこと。このまま小沢さんにやりたいようにやらせる必要はないと。

川戸: やっぱり小沢さんの影響って大きいと思いますか?

岸井: 大きいでしょうね。逆に言えば、小沢さんの政権取りまでの三段飛び戦略、第一弾のホップは、「徹底的に対決姿勢で小泉政権を追い詰める。次の政権にも影響が出るような追い詰め方をする。」それで「来年の参議院選挙で与野党を過半数割れに追い込む。」そして「次の総選挙」という三段飛びから言うと、裏を返せば(小沢さんに)そんなことはさせないという(小泉さんの)戦略的判断でしょう。
 ただ、安倍さんのため、と思ってやっているかというと、ちょっと謎ですね。

川戸: そうですね。
 小泉さんは、「競わせて、その中で勝ち残った人が強い」って意識を持っているように感じません?

星: 安倍さんを自分の傀儡にしたいという気はないでしょうね。

岸井: 確かに、官房長官というのは女房役ですし、最近は超多忙ですよ。
 そういう意味では、早く国会を閉じる。ひょっとすると、安倍さんにもう官房長官をやめて、身軽な立場になって総裁選に臨んでもらいたいという、積極的なプッシュというのはあるのかな、という気は持たせますよね。

川戸: 来月はもう(ポスト小泉候補が)出てますよね。その時は楽しい議論をお待ちしております。今日はどうもありがとうございました。       <第1回ベテラン記者座談会・了>

 次回の「ベテラン政治記者座談会」は、7月末に行う予定です。ご期待ください。

.
blognews2005
blognews2005
非公開 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事