|
日本の安全保障を考える上での生命線とも言える資源エネルギー問題を巡る課題は多い。 このシリーズでは、日本のエネルギー戦略のあり方などについて、政府・与党・公官庁の資源エネルギー政策に携わる人々、そして民間の有識者らに、わかりやすく説明いただく。 インタビュアーは木場弘子・千葉大学教育学部特命教授。 第2回は、経済産業省の外局で、我が国のエネルギーの安定供給に向けて、原子力政策、省エネ、新エネルギー政策、資源確保政策などを推進している資源エネルギー庁の望月晴文長官にご登場いただき、各政策の現状について話を伺った。(収録:11月28日) エネルギー安全保障、「官民の長期にわたる軸のブレない取組みが重要」冒頭、望月長官は、今年の5月に策定した新・国家エネルギー戦略について「中国やインドをはじめとするアジア諸国のエネルギー需要の急増、資源産出国による資源の国家管理化や投資停滞による供給余力の低下など、国際エネルギー市場が需給両面で大きく構造変化した。我が国も腰を据えて戦略的に、エネルギー政策に取り組む必要がある。官民が長期にわたって軸のブレない取組みを行うことが不可欠」と背景を語った。供給面については、石油の自主開発比率(日本企業が資本参加し、開発した資源の比率)の増加の必要を特に強調した。長官は「同戦略では、石油の自主開発比率を2030年までに、40%程度とすることが目標。これは現時点の2倍以上だ。産出国の国家管理化、新たな探鉱開発の必要性を考えると困難が予想されるが、サハリンの開発プロジェクトやカシャガン油田(カザフスタン)の進展が見込まれることや、世界の主要石油開発会社が2010年ごろの目標生産量を現時点の2倍程度に設定していることから、自主開発比率40%達成は非現実的なものではないと考えている。」と意欲を見せた。 運輸部門の石油依存度低減を望月長官は「エネルギー需給構造の中で最も脆弱性が高く早急な対応が不可欠の課題。そのため、同戦略では2030年までに石油依存度を80%程度とすることを目指す。実現のためには燃費の改善を着実に行う一方、独自の生成技術を持つGTL(ガス・トゥ・リキッド)など天然ガスを原料とする液体燃料や、バイオエタノールなどバイオマス由来燃料(サトウキビや木材など生物由来の燃料)の活用や、燃料電池自動車や電気自動車の技術開発を進める」との方向性を明示した。 また、石油依存度低減を需要面から後押しするために不可欠である省エネについては、「石油ショック以降の官民を挙げた取り組みにより我が国のエネルギー効率はすでに世界最先端に達している。しかし、これは乾いたタオルを絞ることかもしれないが、2030年までに更に少なくとも30%の改善を目指す」と、省エネ大国の矜持を示した。 さらに、「こうした分野で中国・インドと協力することは、伸びる部分(エネルギー需要・温室効果ガス)を伸ばさないことであり日本にとっても大変重要なことだ」と、今年5月に東京で行われた『日中省エネルギー・環境総合フォーラム』などを例に挙げ、国際的な協力を積極的に行う姿勢を見せた。 プルサーマル計画「『夢のエネルギー』の第一歩に」原子力発電については、2030年以降も発電割合を30〜40%程度以上とすることを目標に掲げる「原子力立国計画」を打ち出している。長官は、「原子力発電はエネルギー安全保障確立と地球環境問題を一体的に解決するための要であり、同戦略の中でも基幹電源と位置づけている」とした上で、「廃棄物の量を減らす観点から高速増殖炉サイクルの早期実用化に向けた研究開発、関係者による協議の開始などを一体的に取り組みたい。日本では『もんじゅ』を通じて計画を進めてきた(平成7年12月以降、停止中)。今世界がこの技術に注目している。フランスはもちろん、アメリカも再び始めるという動きになってきた」と、世界の動向もふまえながら、ウランの利用効率を100倍以上に引き上げる高速増殖炉サイクル実現への取組みに意欲的だった。 また、2010年までに実施を目指す、使用済み核燃料の再利用計画「プルサーマル計画」についても「2010年を目前に控えた現在、非常に重要なプロジェクト。困難もあったが今、四国電力、九州電力では着手を始めている。『夢のエネルギー』の第一歩になるのではないか」と期待を表した。(坂西 雅彦) |
全体表示
[ リスト ]



プルサーマルの最大の問題は、事故と寿命の問題と核燃料サイクルが確立されていない(出来ない)更に、廃棄物や汚染された土地や機器が無害化できないということだと思うが、行政は軽水炉の寿命を政治的に長くしてしまった。社会的コンセンサスとともに 技術的情報を得るという地道な努力無しに今後の原発はありえないと思う。
2009/9/27(日) 午後 2:52 [ kukai ]