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ブルッキングズ研究所が、「地球的規模による経済的挑戦―The 2007 Top 10 Global Economic Challenges」を発表した。次期政権への国際協調戦略が垣間見えるので要点をかいつまむこととする。 21世紀の今日、地球が直面している重要な10項目1.エネルギー安全保障と地球環境の安全保障の両立2.紛争と貧困 3.新たな地球規模による競争社会 4.地球規模の不均衡 5.BRICs等の新興勢力の台頭 6.中東における排他的な経済システム 7.地球規模の経済活動とその影響 8.人類の健康への危機 9.地球規模の統治の限界 10.地球規模の貧困と、その取り組み(マイクロファイナンス)
これらの問題は、国境を超越した人類共通の課題である。米国一国で解決できる問題でなく、先進国と途上国の協働や相互補完的機能を充実させて、はじめて解決できる問題である。
地球規模の問題処理は国連よりG8、G13、G20!これらの問題に挑戦するためには、国連の機能を再考し、効率的な多国間協調の枠組みを探求する必要がある。換言すると過去の国際機構では、対処できないほどに地球規模の問題が深刻な状況に陥っているのである。如何なる最適なシステムや機構が考えられるのであろうか。 世界大戦を回避するために戦勝国により構築されたのが国連である。しかし、国連の国際的な官僚機構には限界がある。戦後60数年を経た現在、地球規模の問題に取り組む能力のある国家が、より効果的・効率的に機能するためには、国連よりもG8が相応しいと考察される。 昨年のG8サミットで、英国のブレア首相が提唱したようにG8のメンバーにブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカを加えG13に拡大すること。また、カナダのマーティン前首相が唱えるG13をさらに拡張しアルゼンチン、オーストラリア、インドネシア、韓国、サウジアラビア、トルコ等で構成されるG20とする見解がある。 G20は、世界の3分の2の人口と9割の経済を占める地球規模の問題に対処できる効率的な機構となろう。 以下、個人的見解として、ブルッキングス研究所の提案に日本の役割を追加する。 日本の役割国連における日本の存在感は、分担金の割りに過小評価されており、事実、国連常任理事国入りへの努力も水泡に帰し、韓国から国連事務総長が生まれた。このような状況の中で、日本の国際貢献をプラグマティックに推進するためには、G13やG20が最適であろう。その根拠は、エネルギーの安全保障と地球環境の安全保障が相互補完的であるとすると、世界の最先端を走る日本の環境技術なしでは、エネルギーと環境の両立がなしえないことにある。加えて、貧困が紛争の原因であり、軍事というハードパワーでは、世界平和を達成することができぬとのブルッキングス研究所の指摘から、日本の得意とする経済協力や文化交流などのソフトパワーを通じた指導力が求められるからである。 国連改革から国連を超越した地球問題に挑戦する地球機構の設立に向けた議論も期待できるのではないだろうか。(中野 有) |
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