メディア・レボリューション

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秋の五草?

 カレンダーを一枚めくると、こんなに変わるものでしょうか。
 澄んだ青空が高く感じます。ナナカマドの実が色づき、クリやクルミの実が落ちてきました。
 あの異常な暑さはどこに行ってしまったのでしょうか。
 のど元過ぎれば何とやら・・・9月に入ってすっかり秋らしくなりました。

秋の野に 咲きたる花を指(および)折り かき数ふれば 七草の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花

 万葉の歌人・山上憶良が選定した秋の七草を愛でようと思っても、昨今はそう簡単にはいかなくなりました。
 七草のうち二つ(フジバカマ・キキョウ)が近郊の野山から姿を消し、いまや絶滅危惧種に指定されています。
 千年以上も大和人の心から心へ受け継がれてきた秋の七草が、秋の五草になってしまうのでしょうか。

 春の七草は七草がゆにして食べるなど、食を楽しむものとして親しまれてきました。
 これに対し秋の七草は見る楽しみとして親しまれてきました。

萩の花(ハギ)
 ハギという植物はなく、一般的にミヤギノハギとかヤマハギを萩と言っているようです。
 萩の種類は多く、この時期、私はヌスビトハギにとても親近感を覚えます。
 8月下旬、森を歩くと道の縁に小さなピンクの花をつけたヌスビトハギによく出あいます。(写真右:札幌近郊、野幌森林公園)イメージ 1
 花が少ない時期だけに小さくてもよく目だち、蝶の形をしてかわいらしい。
 こんな可憐な植物になぜ物騒な名前がついたのでしょうか。
 泥棒は音を立てずに歩くため、足の裏の外側を使う。
 その足跡が、二つにくびれた実に似ていることからヌスビトハギ(盗人萩)という名前になったそうです。
 この名前をつけた植物学者は泥棒の経験があったのかしら・・・
 親がつけた名前で子供は一生生きていかなくてはならないと思うと、ヌスビトハギはとてもかわいそうです。
 植物の名前には人前で言えない名前がいくつもあり、昔の植物学者にはデリカシーというものがあったのでしょうか。
 
尾花(ススキ)
 尾花とはススキのことです。
 ♪ 俺は河原の枯れススキ ♪ 
 夏でもススキを観察すると秋が忍び寄ってきていることを実感します。
 8月のお盆時期、道東の野付半島を歩いたとき、早くもススキが風に揺れていました。
イメージ 2
 
 札幌の歓楽街といえばススキノです。
 明治の初め、この地は茅(ススキ)の原野であったことから名づけられたといわれていますが、この地に遊郭を作った工事監督の薄井(うすい)竜之の姓にちなんだものだという有力な説もあります。
 私はもちろん前者を支持したいです。
 ススキの原野に、時計台の鐘が一里四方に鳴り響いて、農民に時を告げた・・・
 こうこなくては物語になりません。

 中秋の名月のとき、ススキは収穫物と一緒に供えられますが、収穫物を悪霊から守り、翌年の豊作を祈願する意味があるそうです。


葛花(クズ)
 イメージ 3
 クズは草やぶや土手などに繁茂するつる性の植物です。
 赤紫色の蝶形の花が穂状に集まって、下から上へと咲いていきます。
 日本一のジャンプ台がある大倉山に先週、登ったらあちこちに咲いていました。
 繁殖力旺盛な植物で、この草が絶滅危惧種になることはまずないでしょう。
 アメリカでは devil plant(悪魔の植物)といわれているそうです。
 早めに刈り取らないと、どんどん蔓延ってしまうからだそうです。


撫子(ナデシコ)
 イメージ 4
 鮮やかなピンクの花びらの先が細かく裂けた野草で、いつ見ても思わず「あった、あった」と声を上げたくなる植物です。
 花は美しくて草姿は可憐、子のように撫でたい草なので、ナデシコの名前がついたそうです。
 北海道ではもっぱらエゾカワラナデシコです。
 日本一の砂嘴、野付半島では8月中旬で満開でした。

 早い時期から咲いており、結構、花期の長い花です。
 花言葉は純愛・貞操日本女性を大和撫子と言うそうですが、これはもう絶滅危惧種?でしょうか。



女郎花(オミナエシ)
 オミナエシは茎の上部で枝分かれした先に、黄色い花が多数集まって咲いています。
 日当たりのよい草むらや土手に自生し、高さ1mになるのもあります。
 この夏は釧路の隣の白糠町の原生花園で、観察することができました。(写真下左)
 オミナは女、えし(へし)は古語の圧し(へし)で圧倒するという意味。
 この花には女に勝る美しさがあるということでしょうか。

 女郎花があるなら男郎花もある。これホント。
 オトコエシ(男郎花)といって、オミナエシによく似ていますが、こちらの花は白色です。
 北大植物園で今が満開です。(写真下右)
 オトコエシはよく見かけますが、男郎花とは結びつきませんでした。
イメージ 5 イメージ 6

藤袴(フジバカマ)
 イメージ 7
 同じ仲間のヒヨドリバナ(キク科フジバカマ属)は、この時期あちこちで観察されますが、フジバカマとなるとほとんど見られません。
 かつては河川敷によく見られましたが、河川開発・道路工事などで激減したそうです。いまは環境省のレッドデータブックの絶滅危惧種に指定されており、100年後の絶滅は99%だそうです。

 フジバカマは薬草で生薬名は蘭草、利尿やむくみに効くといわれています。
 去年の9月、道立衛生研究所の薬本園で、花が終わった直後のフジバカマを初めて観察することができました。
 生では香りがありませんが、刈り取って乾かすとよい香りがするので、香り袋として身につけるそうです。


朝貌(キキョウ)
 山上憶良は秋の七草に朝貌(あさがお)と詠みましたが、朝貌の花は夜しぼんで朝開く花ということで、今日でいう朝顔でなく、桔梗(キキョウ)であるというのが定説になっています。
 朝顔は憶良の時代にはまだ渡来していなかったそうです。
 従ってキキョウは秋の七草の一つです。

イメージ 8 キキョウ科の仲間のサワギキョウ・イワギキョウ・ツリガネニンジンなどはよく 見かけますが、キキョウはこの数年見たことがありません。
 函館に函館市桔梗町という地名があるくらいですから、昔はポピュラーな花だったのでしょう。
 この野生のキキョウも環境省の絶滅危惧種に指定されています。左の写真は大雪山系旭岳の麓で観察したイワギキョウです。
 日本古来の秋の草が次第に消えていくのは淋しい限りです。
 もしかしたら、近い将来「秋の五草」になってしまうのか、それとも「新・秋の七草」が誕生するのでしょうか。
 むしろ自然に親しむという観点から、自分自身で勝手に秋の七草を作るのが一番よいのかもしれません。
 「私が選んだ秋の七草」
 秋の夜長の七草選びは、楽しいひと時になると思われます。


 (寄稿=望田 武司)



望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。
                  

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はじめまして
記事アップ時の「こんな記事あります」から来ました
「女郎」つながりでしょうか
全く違うつながり方ですが
これも何かの縁かと思いコメさせていただきました
秋の五草に
+ポチどす
過去の記事へのコメ失礼しました

2009/10/3(土) 午前 9:31 おぎりん

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