メディア・レボリューション

マスコミ各紙各局のOBや、現役の解説者などからなるニュースブログです。TVや新聞には出てこない「新しい」情報を発信します。

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日中関係が政治的に芳しくない時期、市民レベルの交流が何よりも大切です。そんな時、中国の名門、清華大学で日本語を学ぶ女子大生、劉纉さんと縁ができ、中国レポートをお願いしました。
 第3回の今回は滋賀県で起きた中国人女性による園児2人殺しへの彼女の感想です。

中国人女性が日本で園児2人殺害
 北京ではおととい(2月28日)雪が降りましたが、今日、ようやく少し春らしくなってきました。

 最近、とてもびっくりしたニュースがありました。中国人女性が日本で園児を2人も殺したニュースです。中国人として、恥ずかしい、申し訳ない気持もありますし、あの女性に対して怒りのほか、悲しい気持ちも抱いています。 どうしてこんなことになったのでしょうかと、ずっと考えていました。日本人の友達とも、このことについて話しました。私が中国の新聞やインターネットから得た情報が不十分で詳しい事情はわからないが、いくら精神的に病んでいても子供2人の命って、とても許せないですね。ルームメートもみんな驚愕し、私と同意見でした。中国人全員を代表する資格はないが、やはり中国人として言わせていただきたい:申し訳ありませんでした。

 このことから考えたのは、日本で暮らす中国人―広く言えば外国人―の精神状態と日本社会の仕組みです。私は日本にいた時(留学1年間)は、みんなからやさしくしてもらって、楽しい生活を送っていました。しかし、本当に長期で日本に暮らす外国の人(留学生じゃなく)はどんな気持なのか、短期滞在で国費奨学金をもらっていた私には、わからないのです。日本社会或いは各地域でどういう風に外国人を受け入れているのかも、一般の日本人は自分の町に住んでいる外国人に対してどう考えているかも、知りません。自分の勉強不足を痛感しつつ、国際コミュニケーションの難しさを、改めて感じました。

(今、私は院生になって国際コミュニケーションについて勉強しようと考えるようになっています。)

 この事件でもうひとつ気になったのは、マスコミの報道です。私がこの事件を知ったのは、中国の新聞『青年参考』からでした。しかし、新聞一面を占めたその記事では、女性が精神病になった原因は、主に日本社会にあるとばかり書いているのです。日本人の気持や国際的な影響など、あまり触れていませんでした。その記事に結構いらいらしました。そこで、日本のインターネットで調べてみたら、事件の残虐さや遺族の悲しみばかり強調する記事で、事件の原因について深く分析し、納得できるような文章を見かけませんでした。さらに心配になったのが日本のテレビ、主流新聞がこの事件をどう報道していたのか、一般の日本人にどんな心理的な影響が与えられたか、このことは政治に利用されないか、などのことです。

 マスコミの報道は、一般民衆の考え方に大きな影響力があります。でも、実は私、日本のマスコミにも中国のマスコミにも、少し不信感があります。時によって「これでマスコミの洞察力なのか」「本当に調べたのか?」「本当に客観的に見ていたのか」「もっと責任のある報道をしてよ」と言いたくなる時もあります(もちろん全部そうじゃないと思いますが)。(劉纉)



※この原稿は私宛ての個人メールで届いたものです。あの滋賀県の園児2人殺害事件。加害者が中国人だったことから劉さんはショックを受け、悩み、中国、日本のマスコミ情報を元に感想を吐露していた。昨年10月までの1年間、日本に留学、日本、日本人と接した彼女は、「中国人を代表して」として「謝罪」したことに私は感動しました。知る限り中国人がこの事件で謝ったことを私は知りません。

 このメールには、考えさせるものが多くありました。
 その中に、いくつかの疑問、質問があり、私なりに答えを返信メールで以下のように説明しました。

●中国のマスコミが「原因は日本社会にある」については→「一面だけを取り上げている。(共産党が指導している訳ではないが)その方が今の日中関係の中では読者の関心を呼ぶから」と説明。(中国の新聞は市場経済下で販売競争をしており、“売らんかな”の下では「反日記事」は売れる傾向にあるという)
●「日本のマスコミも、事件の原因を深く分析しているのを見かけない」については→毎日新聞北京支局員の加害者・鄭さんの実家(北辺の黒龍江省)での取材記事(2月21日付朝刊)を示し、マスコミの中にも一面的ではない、よって来たった原因の一端に迫っていることも紹介した。

 さらに、劉さんへのメールでは、「鄭の行為は絶対許されない。原因は彼女の病気だった。日本社会で、それが亢進したとはいえ。それでも、このことが冷え込んでいる今の日中関係の中で、日本人の中国人に対する悪感情を助長することになる恐れもないことはない。心配している」ことにも触れておいた。
 劉さんは、「このメールは感情的なので『中国レポート』としては使わないで」との申し出があったが、この便りは多くの日本人に読んでもらいたく、敢えて劉さんに掲載をお願いし、了承されたので掲載しました。
(園木 宏志)


※劉纉さんは湖南省出身。現在、清華大学日本語学科の3年生(21歳)。2004年10月から1年間岩手大学教育学部に交換留学。2005年10月に清華大学日本語学科に戻りました。「日中の相互理解のためになりたい」が希望なだけに、日本語の文章も、お読みになってお分かりのように抜群です。写真もすべて劉さん撮影です。若い中国の大学生の目線による「中国レポート」をシリーズで送ってもらうことになりました。


イメージ 1

イメージ 2

タイトル:丸太「どこへつかうというのだ」

※画像はひとコマ漫画の"一部分"です
  タイトルをクリックすると、漫画の全体像を見ることができます


今日のひとコト

はじまりがあれば終りがある。で、いつも気になるのは、都会の高層ビルである。
はじまりということだろう、ドンドン巨大なビルが天を突き上げていく。都会の恐怖というべきだろう。もし、あのビルがたおれるようなことがあったらどーなるのだろうか、とか。終りの時はどのように終りにさせるのか、とか。それまで計算されているのだろうか。それまでは考えてません!!なんて、ことではなかろうか。設計図に、終りのとこまで明記してあるのか。いずれは、その終りがやってくる。その時がいつなのか誰もがわからない。わからないのが、よいのかもしれない。(竜山)

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