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4回目の「ベテラン政治記者座談会」が29日午前、東京虎ノ門のChannel Jスタジオで行われた。
今回は、TBS・川戸惠子特別解説委員と毎日新聞・松田喬和論説委員の対談形式にした。
安倍政権誕生3日後、ホヤホヤの新政権の布陣、今後の課題などについて、分析と展望を語ってもらった。組閣・党人事では「中川政調会長、的場官房副長官にはビックリ」など、長年、自民党をウォッチしてきたベテラン記者ならではの率直な、辛口批評が随所に飛び出し、永田町の本音も解説されるなど、興味深い対談だった。
座談会の様子は、(上)(下)の2回に分けて掲載します。
安倍・支持率、歴代2,3位は小泉人気の余韻と自民支持者の増加―松田
川戸: 安倍内閣の世論調査の支持率が高いですね。
松田: 6割前後に行くか、と予想していた。ところが、7割超え、小泉政権、細川政権に肩を並べ、歴代内閣で2位のところ(日経新聞)もあり、毎日(新聞)では自民党支持が10%も上がった。これは、小泉人気の余韻が残っているのと、小泉さんの「自民党をぶっ壊す」に対し、安倍さんは「自民党内の調整」を言った。そこで自民党支持=安倍支持になった。これが安倍人気。
(歴代1位の)小泉さんの登場の時は、株や土地の値下がり、金融不安があり、国民は政治にすがる思いがあった。自民党が限界に来ていた時に「自民党をぶっ壊す」だったから人気が爆発的だった。
川戸: ところで、安倍さんの今後の課題ですが、「美しい国」だけでは漠然としていますね。
松田: 外交では、近隣諸国との関係、米軍再編、社会保障では、年金、医療などは不安がある。将来に見通しが付くような政策が必要。
中国、韓国との関係改善は政権交代時がチャンス―川戸、松田
川戸: 靖国問題で、安倍さんは「(行ったか行かないか)言わない方が良い」と言っているが、それでいつまで持ちますか。両国(中国、韓国)とも新政権で新しい関係を期待している。
松田: 政権が代わった時がチャンス。安倍さんはかねてから主張している靖国参拝や東京裁判批判をしていると、東京裁判は米国主導だったし、それを批判していれば結局はアメリカ批判になる。最近、自己主張をトーンダウンさせていますしね。
川戸: 日米関係ですが、久間・防衛庁長官のほかに国家安全保障担当補佐官がいたり、この辺はどうですか。
松田: 屋上屋(おくじょうおく=無駄なこと)を重ねなければいいが。
消費税アップ、自民党には(失墜の)トラウマあるが・・・ −松田
川戸: 消費税問題ですが、この布陣(経済閣僚)は反財務省。財政再建は後回しにして成長路線をとるぞ、という宣言ではないですか。
松田: 安倍さんは「小さな政府」ではなく、「筋肉質の政府」と言っている。確かに景気が良くなり、来年度予算編成にも反映する勢いだ。しかし果たして消費税に手をつけずに安定した社会保障制度ができるのか。今回の経済閣僚をみると、消費税増税派が一掃された感じだ。
自民党には消費税問題では(手を付けると政権が失墜するという)トラウマがある。導入した時の竹下さん、引き上げた時の橋本さんは苦労した。
最近は、(少子)高齢化社会が定着してくる中で国民もある程度わかってきたとはいえ、ここのところ消費税を触れずに参院選を乗り切りたいという思惑があるのではないか。
二階・国対委員長は対小沢・民主への布陣―川戸
川戸: (自民党の)国対委員長は二階さん(俊博・前経済産業大臣)に早々と決まりましたね。これは民主党を非常に意識しているわけですよね。
松田: 二階さんは本来で行けば、小沢さんの側近中の側近。小沢さんの手法はよくわかる。また、小沢さんも自民党で幹事長までやった人だから、自民党の手法はよくわかる。
だから、民主党は、二階ペースにはまることへの不安もあって、国対委員長を渡部さんから高木さんに交代した。
小沢代表、党首討論不出場なら交代説!―松田
川戸: 小沢さんの代表選直後に入院したことも民主党にとって痛手だったのではないですか。
松田: 痛いですね。やっぱり政治家は健康でないと、あらゆる推測が出てくる。代表質問は菅さんにするにしても、遠からず党首討論をするでしょうから、その時は出てこないと、交代説が出てくる。
<第4回ベテラン政治記者座談会・了>
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