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「新銀行東京」は中小企業の福音にならずお荷物状態に


イメージ 1  4月8日の都知事選投票日を前に、選挙の大きな争点の1つになっているのが、東京都が2年前の2005年4月に1000億円の巨額財政資金を出資金の形でつぎ込んで立ち上げた「新銀行東京」問題だ。
 問題提起という形で、経済ジャーナリストの立場で言えば、以下のようなことが指摘できる。


せっかくの「無担保・無保証」が機能せず

 まず、「新銀行東京」の当初構想は、あとで述べるが、中小企業にとって「無担保・無保証」が朗報だったものの、肝心のビジネスモデルがしっかりと構築出来ていなかったため、すぐ脆さが露呈してしまったこと、立ち上げに時間がかかり過ぎたため、いざ動き出した際には体力回復して中小企業向けビジネスに手を伸ばしてきた大手銀との競争に負けてしまい、いわゆる創業者利得や先発のメリットを発揮できなかったこと、さらに、負債を抱える融資先企業の格好の「駆け込み寺」になってしまい、自らが問題企業を抱えて身動きがとれなくなってしまうビジネスの甘さがあったことーーなどだ。


累積赤字が1年半で東京都の出資金1000億円の半分に

 この結果、「新銀行東京」は06年9月時点で累積赤字が456億円にのぼり、スタートからわずか1年半で東京都出資分の約半分近い赤字を出してしまった。しかも、いまだに収益改善どころか、赤字が雪だるま式に膨れ上がるリスクを背負い込んだままで、本来めざした中小企業向け専門金融機関とはなり得ず、最大株主の東京都にとって事実上のお荷物状態に陥っている。
 こういった数多くの問題を抱える「新銀行東京」について、今回の東京都知事選で主な立候補者は、どういった主張をしているのだろうか。


石原氏は「経営建て直し」、浅野氏は「解体的な見直し」

 まず、受けて経つ形の立候補者、石原慎太郎都知事。
 石原氏は、前回2期目の選挙公約で「新銀行東京」構想を打ち上げ、負の遺産のない新しいタイプの銀行を創設する、と大きくアピールした。ところが、今回の公約集の中では、なぜかこの問題に関して、言及を避けている。
 ただ、これまでのテレビ討論会などで、石原氏は「中小企業専門の銀行としての位置づけは間違っていない。東京都は大株主の立場で注文をつけ、2年後には経営の建て直しを図る」と述べている。
 続いて、前宮城県知事の浅野史郎氏。
 浅野氏は、選挙公約の中で、知事に当選を果たした場合には第3者委員会をつくって3年以内に「新銀行東京」の解体的な見直しを行なう、と主張している。
 また、異色の立候補者、建築家の黒川紀章氏は、「新銀行東京」に関しては、公約の中で、赤字を垂れ流すだけの状況では存在が問われるだけのため、民間金融機関に売却する、という。
 さらに元足立区長の吉田万三氏は、東京都が出資した資金の確保と預金者の預金保護を前提に「新銀行東京」を処理する。そして中小企業向けの対策は補助金など財政資金で対応すべきだ、という。
 これで見る限り、石原氏のみが経営再建、建て直しを前提に引き続き取り組む、と主張し、残る有力候補者の3氏は、いずれも形態はまちまちながら事実上、東京都が大株主の形でいることには無理があり、解体処理するか、他の民間金融機関に売却するかしかないという立場だ。


金融専門家「ビジネスモデルが構築出来ていなかった」と指摘

 この「新銀行東京」の問題をどう受け止めるかは、有権者の人たち自身の問題だが、現場で聞いたさまざまな金融関係者らの話を総合すると、冒頭に述べたとおり、「無担保・無保証」の経営方針は、中小企業経営者らにとっては朗報だったものの、肝心のビジネスモデルがしっかりと構築出来ていなかったため、1000億円を出資金としてつぎ込んだ東京都にとっては、大きなお荷物になっているということだけは間違いない。
 何が問題だったか、見てみよう。
 石原氏が2期目の選挙公約に打ち出した際の問題意識は、東京都内には保有する技術、ビジネスプランなどの面で将来性がある中小企業が多いにもかかわらず、大手銀行は大企業を優先にした資金取引でもって、これら優秀な可能性を秘めた中小企業の経営の芽を摘み取る結果になっている。この際、東京都としては、出資金の形で資金を投じて中小企業専門の銀行をつくり、無担保・無保証を基本に資金繰りに苦しむ中小企業支援を行なっていく、というものだった。


2期目選挙公約で「日本の金融を変えるため中小企業専門銀行を」

 石原氏は当時、持論の「東京から日本を変える」という考え方に沿って、「日本の金融を変えるために東京都が中小業専門の銀行をつくる」とアピールしたのだ。
 当時、不良債権処理に苦しむ大手銀行は、新たな不良債権をつくり出したくない思惑もあって中小企業向けには貸し渋りを行なうと同時に、焦げ付きでリスクをさらに背負い込むのを避けるため、露骨な企業向け貸し出し分の貸し剥がしまでいった。これが社会的にも批判を浴びた時期でもあり、石原氏の中小企業専門銀行創設構想は中小企業者のみならず一般の有権者の支持を得る素地があった。
 そのまま再選を果した石原氏の権勢をもってすれば、巨額の都の財政資金をつぎ込んで「新銀行東京」を創設すること自体、難しいことではなく、政治的な抵抗もそれほど強くなかった。
 ところが問題は、創設後のことだった。


「無担保・無保証」の裏づけとなる審査能力に決定的弱さ

 「新銀行東京」の現場の担当者を含め複数の金融関係者の話を総合すると、冒頭の問題提起とからむが、いくつかの問題が浮かび上がった。
 1つは、「無担保・無保証」の経営方針が、皮肉なことに足を引っ張る結果になった、という。
「新銀行東京」にとっては、この経営方針が中小企業向けの最大のセールスポイントだったが、無担保や無保証のウラには貸し出す銀行側にしっかりとした企業の将来性を見極める審査能力、いわゆる目利きが必要で、それが前提になって融資先の中小企業経営者との信頼関係が出来、同時に取引にも厚みが出てくるはず。
 ところが、金融関係者らによると、「新銀行東京」は経営破たんで転出を余儀なくされたり、あるいは金融機関からリストラではじき出された人材を集めたはずだが、この審査能力の部分が極端に弱く、中小企業経営者の中には口八丁手八丁のしたたかな経営者もいて、そういった人たちにだまされたりして安易に無担保、無保証で融資し焦げ付き債権、不良債権をつくりだしてしまった、という。


農薬散布農家が数多くいる中で有機農法にこだわる無理が甘さに

 2つは、上述の問題ともからむが、ある金融関係者の言葉を借りれば、ババ抜きのババを引かされるケースだ。
 「周囲の生産農家が農薬を使って防虫駆除などの作業をしているそばで、有機農法や無農薬野菜の栽培にこだわる農家のようなものだ。害虫は当然ながら甘さを求めて殺到し被害にあった」という。
 その金融関係者によると、要は「新銀行東京」が無担保、無保証を売り物にしたため、周辺の大手銀行や地方銀行、信用組合などから見向きもされなかった問題企業がこれ幸いと、負債の返済資金、つなぎ資金獲得のために新銀行に架空の事業話を材料に融資申込みに来る。ひどいケースになると、高利の町金融から返済資金を「新銀行東京」から借りて来い、と指示され、駆け込んでくる。それらを見抜けずに貸し込んでしまい不良債権を作り出すこともある、という。
 「新銀行東京」の名誉のために言えば、もちろん、「新銀行東京」関係者も必死に努力しており、そういった融資や貸し出しばかりではない。しかし結果として、審査能力の甘さが災いして、上述のケースのように巧みにつけ込まれることがあり得るというのだ。


大手銀行が体力回復し中小企業向け融資に乗り出し苦境に

 この点は、3つめの問題とからむ。「新銀行東京」としては、経営の実績をあげるために融資のボリュームを上げることが重要になり、そのために預金を先行して集めた。ところが、大手銀行が体力を回復して中小企業分野に入り込んできたため、いきおい融資が伸びず、逆に資金運用を迫られ、挙句の果てが採算の悪い政府系機関向けの低利融資に手を広げざるを得なかった。
 また、そのあおりで、貸し出し金利回りは預金集めのための預金利回り引き上げと対照的に引き下げを強いられ、預貸金利ざやが縮小する、という経営にとっては悪化要因を生み出す結果になった。
 さらに大きなポイントとして、4つめにあげるべきなのは、「新銀行東京」の立ち上げに時間がかかり、スタートのタイミングを失してしまったことだという。
 この点は、少し上述した点だが、要は、「新銀行東京」の営業スタートがもたついているうちに、ライバルの大手銀行などが不良債権処理を行って戦線を建て直し、中小企業向け融資分野に積極攻勢をかけてきたのだ。当然のことながら、今後の親密取引を匂わせるなど優遇条件もつけてのことだが、こうなると、「新銀行東京」も不利にならざるを得ない。
 無担保、無保証を売り物に「中小企業専門銀行」と銘打っても、長年の経験と営業の広がりなどを持つ大手銀行の前には、あっという間に、創業者利得や先発のメリットを活かせないままになった、ということだ。


石原氏の有権者の受け狙いのポピュリズムがもたらした結果?

 石原氏は今年2月の都議会答弁で、これらの点に関して、こう述べている。
 「不慣れな仕事を不慣れな人にさせた。自動車のセールスのようにモノを売ればいいというような業務じゃなかった。開業していくつか行なった貸し付けのほとんどがデフォルト(回収不能)したということは、経営者側の見識の問題だ、と思う」「大手銀行が中小企業対象の融資を積極的にやりだした。われわれの銀行はそのあおりを食った」
 しかし、現実問題として、創設からわずか1年半の決算で累積赤字が456億円にもなり、ビジネスモデル自体が問われる現状ではジリ貧になりかねない。いま、「新銀行東京」に新たな巻き返しのための秘策があり得るのだろうか。
 石原氏は、経営体制を刷新する、ということを討論会などで述べているが、前述の金融関係者らによると、金融の現場を熟知しない政治家の思いつき、有権者の受け狙いのためのポピュリズムがもたらした結果だと手厳しい。
 確かに、今回の都知事選をきっかけに、「新銀行東京」を決算してみることが必要かもしれない。(牧野 義司)

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タイトル:「パット」

※画像はひとコマ漫画の"一部分"です
  タイトルをクリックすると、漫画の全体像を見ることができます


今日のひとコト

 ゴルフが本当に好きな人と、本当にキライな人がいる。好きな人はいいが、キライな人がゴルフをやるほど気の毒なことはない。
 キライな人が付き合いでどうしてもやらなくてはならない。そういう人らしき人をゴルフ場で見かけたりする。そーいう人に限って人一倍にニコニコしていて、いかに自分はゴルフを楽しんでいるかをアピールしている。カゲでうんざりしているのである。キライな人ばかりが集まってプレイしているのは、まさにマンガである。
 終わったあとのゴルフ場での入浴が実にいいものです!!なんて人にはキライ派が多いかもね。(竜山)

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