メディア・レボリューション

マスコミ各紙各局のOBや、現役の解説者などからなるニュースブログです。TVや新聞には出てこない「新しい」情報を発信します。

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最北の旭山動物園

 旭川といえば動物園というほど、旭山動物園は有名になりました。
 去年4月から12月までに来園者は230万人に達し、すでに昨年度1年分の実績を超えてしまいました。
 このままでは今年度は昨年度より100万人多い300万人を達成するほどの勢いです。
 もちろん日本一の入園者数です。
 地方の小さな動物園に上野動物園や天王寺動物園を上回る入園者が訪れる・・・
 どんなところか、ミーハーとしては見に行かないわけにはいきません。
 真冬の旭山動物園を訪れました。

氷点下の町
イメージ 1 札幌から特急で1時間20分、旭川に着きますと頬に当る風が突き刺さり、さすがに気温は札幌より一段と低いことを実感します。
 氷点下41℃、日本の最低気温を記録したところです。
 また、一冬を通じて一日の最高気温が氷点下の真冬日が、平年で79日もある都市です。
 一旦降った雪は融けることなく凍てつく街となっています。
 街路樹にやたらと ナナカマド が目に付きます。
 白い雪に赤い実が見事で、メルヘンチックなイメージを作っています。
 雪の帽子の高さが札幌と違います。
 ナナカマドは旭川市の木に指定されているそうです。

氷の世界の動物
イメージ 2 真冬の動物園の売り物は寒さに強い動物です。
 まず、アザラシ館に向かいました。
 トンネルのようなところに入ると、急に大きな水槽が壁に広がります。
 アザラシ が元気いっぱい泳いでいます。
 筒のような水槽もあります。(写真左)
 マリンウェイというようです。
 アザラシが上から下へ動く様子が手にとるように観察できます。



イメージ 3 水中での動きがよくわかるのは ホッキョクグマ も同じです。
 圧巻は体重300キロもあるホッキョクグマのダイビングです。(写真:飛び込む瞬間)
 水槽に顔をつけるように見ていた観客も、思わずしり込みします。
 泳ぎがうまく、目の前に現れる大きな足の指がじつにかわいいです。



行動展示
 旭山動物園の人気の秘密は「行動展示」にあるといいます。
 飼っている動物を単に見せているだけという動物園のイメージを払拭し、自然界に近い生態を見てもらおうというものです。
 従って見物客がトンネルの中や限られたコーナーなどから、いろいろな角度で見学することができるようになっています。
 なんとなく人間が檻の中にはいって、動物たちに見られているような感じになります。

イメージ 4 アザラシと同じ目線で、天敵ホッキョクグマが見えるコーナーがありました。
 外から見るとカプセルになっており、そこからホッキョクグマが観察できます。(写真右)
 これは自然界のホッキョクグマが、氷の中から顔を出すアザラシを襲って食べる習性を生かして、カプセルをアザラシに見立てたものです。
 目の前に現れるホッキョクグマにぎょっとするアザラシ・・・
 襲われるアザラシの気持ちを体験できるスポットです。

もぐもぐタイム
イメージ 5  動物ごとに餌を与える時間があります。
 「もぐもぐタイム」といわれています。
 入園のとき、この「もぐもぐタイム」をチェックしないと効率よく回れません。
 ペンギン館では飼育係の女性がダイバーとなって水の中に入り、餌の魚を与えます。
 その瞬間、見物客は動こうとしません。
 係員が後から来る人のために少しづつ動いてください、と声をはり上げます。
 広い水槽をペンギンは鳥が飛ぶように泳いでいます。
 カメラが追いつきません。
 ペンギンの先祖は鳥だったという信じられない話もここでは
納得です。

雪上散歩
イメージ 6 冬の動物園の呼び物は、ペンギンの雪上散歩です。
 時間になるとペンギンの散歩コースにぐるりと人の壁ができます。
 係員に前後を護衛?されたペンギン軍団がヨチヨチ歩いてきます。
 まるで「そこのけ そこのけ おいらが通る」といわんばかりです。
 バランスをとるために広げる翼、左右を見やる仕草、おぼつかない足元・・・ユーモラスで実にかわいい。
 40分かけて500mほど歩きます。
 「そんなに長く歩かせて酷じゃないのか」と思って飼育員に尋ねますと、ペンギンは冬になると余り泳がなくなるので、運動不足解消によいのだそうです。

動物園特需
 こうしたいろいろな工夫とアイデアの結果、この日も氷点下5度以下の真冬なのに3000人以上の見物人が訪れました。
 ジャンプなどの冬の屋外スポーツでもこんなに人は集まりません。
 それが夏ですと毎日1万人以上だったそうです。
 連日100台以上の大型バスが長い列を作って大渋滞です。
 園内のトイレはとても間に合わず、バイオによる簡易トイレをあちこちに取り付ける、檻の前の見物人が押しつぶされるのではないかという心配もあり、係員が声をからして交通整理をする、挙句の果て、入園するのに待ち時間が必要となりました。
 小さな動物園に膨れ上がる入園者・・・
 これはもう異常といっていい世界です。

 旭山動物園の出現は、各方面に大きな影響を与えました。
 まず「動物園は子供の行くところ」というイメージを完全に払拭しました。
 学会や業界など各種団体の会合に旭川が選ばれています。
 その結果、宿泊場所が旭川市内だけでは間に合わず、その恩恵は近郊の層雲峡や美瑛まで広がっているということです。
 景気回復の遅い北海道の中にあって、旭川地方は 動物園特需 です。
 海外の人気も高く、韓国からの旭川空港への直行便も実現しました。

旭山に学べ
イメージ 7 その一方で、需要の多いはずの東京や札幌など、大都市の動物園は何してるのかという厳しい声も聞かれます。
 比べられた他の動物園は気の毒です。
 観客まばらの札幌の円山動物園では、市民から「動物の餌に」といって持ち込まれる果物や鮮魚を、職員が持ち帰っているという実態まで明るみにされる始末です。
 動物園の職員も市の公務員です。
 同じ土俵で前向きの姿勢と、漠然先送り姿勢の結果が、こんなに鮮明に現れたケースも珍しいでしょう。
 国内の動物園のほとんどが最北の旭山動物園詣でをしたそうです。
 今春の北海道知事選挙候補に旭山動物園園長の名前も上りました。
 先日の新聞には「ソウルも旭山に学ぼう」という記事が掲載されました。
 ソウル市長が「珍しい動物がいるわけでもない。飼育担当出身の園長が自分がしてきた経験を政策につなげた結果、動物園だけでなく、都市を豊かにするほどの変化を引き出した」と称賛し、職員に創意工夫を求めたということです。

イメージ 8 旭山動物園現象は一つの社会現象を起こしています。
 旭山動物園を訪れて、人間世界のいやなことを忘れさせる一日を過ごしました。
 客が集まる理由もよくわかりました。
 伸び伸びした動物の生態観察は、精神衛生上きわめてよく血圧も下がります。
 仕事や人間関係など、空気の悪い世界で咳をしている方が多いことと思います。
 けど氷点下10度の世界を一日歩いても、咳をしないところがありました。(望田 武司=寄稿)

望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。

イメージ 1

イメージ 2

タイトル:「証拠物件」

※画像はひとコマ漫画の"一部分"です
  タイトルをクリックすると、漫画の全体像を見ることができます


今日のひとコト

 酔っぱらい運転がこんなに騒がれはじめたのも理由があってのこと。ではなぜ今まで騒がれなかったのか。
 酔っぱらい運転は絶対にいけない。「でも少しくらいは・・・」も許されない。
 酔っぱらい運転で自分だけが事故に遭うことには誰も文句を言わないが、他人を巻き添えにするからいけないのだ。
 酔っぱらい運転同士が衝突したらどーなるのか。酩酊の度合いで罪になるのかしら、そんなことはあるまい。一滴でも口にしたら、運転してはいけない。
 一滴は酩酊に通ずるだろう。(竜山)

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