メディア・レボリューション

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「改革」批判

改革の光と影、改革に取り残された人々、地方格差、弱者切り捨て、はては新自由主義経済から市場原理主義に至るまで、いわゆる小泉流改革路線に異を唱えようとする人々の論難のパターンはおよそこれにつきていると言ってよいだろう。サッチャリズム、レーガニズムとの同一視あるいは対比も珍しくはない。内容はともかく、タテマエにおいて改革継承を謳った安倍政権に比して、新生・福田政権は行き過ぎた改革路線の修正も目玉商品のひとつのように見えないでもない。その船出にあたって、論者の言う「改革」とは何で、それに対する支持、あるいは批判内容を分析しておくことも無駄ではなかろう。


背景
 現状のままでは困るから改革の声が出ようというものだ。それでは困った現状とはそもそも何だったのか。
 400兆を超える国の借金。借り換えのために発行する国債というサラ金地獄なみの国家財政が最大の問題点だった。何でこんなことになったのか、犯人追求も、原因究明も大事だが、とにかくこのままではどうにもならない。なんとかしよう、改革だ、という話になる。何も難しい財政・経済学を持ち出すまでもなく、出てゆく金を少なくして、入ってくる金を増やす、これしかないことは明らかだった。いうまでもないが前者は公的支出のカット、後者は増税である。どちらも形を変えた利用者負担の増加ということになる。
 このうち後者については、実はいまひとつ仕掛けがあって、経済を成長させよう。どんどん成長すれば自然に税収が増えるというシナリオもあった。(出てゆく金も増えるのでは何にもならない、という意味で、多少の乱暴は承知で後者については、と限定している。)


負担論と格差論
 こんな当たり前の話になぜ異論が出るのか。ひとつは負担能力の大きいところ(だけ)に負担させれば良い。負担能力のないところから絞ってどうするんだ、というもの。これを仮に負担論と呼べば、いまひとつは世の中、変わってゆくときに、良いことが起こるところと、悪いことが起こるところに偏りがある。結果、良いところはますます良く、悪いところはますます悪くなる、という格差偏在ないしは固定論である。
 どちらにもそれなりの根拠はあり、説得性はあるものの、およそ人間の行うことでそれら諸元の要求を過不足なく満たす施策はあり得ない。唯一可能なのは、この種義論につきものの情緒性を可能な限り除去すること位だろう。
 指摘しておきたいのは、どちらの議論も昨日今日発生したものではないことだ。「貧乏人は麦を食え」は半世紀以上前の話だし(ちなみにこれは悪意を持って発言を曲解した典型例でもある)、地方格差是正を号して列島を改造した結果、建設業が60万社になってからもう30年以上経過している。


市場原理主義
 負担論や格差論の方は、少し考えてみれば何が問題でどうしたいのか、具体的な話にしやすいことから、情緒的な議論もそんなに長続きしないのだが、もうひとつの新自由主義批判、市場原理主義批判の方はなまじガクモンめいた仮面をかぶるだけに厄介だといっても良いだろう。
 こちらの方も、国民福利を向上させる一つの手段は経済成長である。そのためには無用の保護主義や官僚による規制は害が大きい。すべからく民にできることは民に委せることから始めて、自由な経済活動で活力を発揮しよう、というだけのことで、(念のため付言するが、これは経済成長万能主義とは別の話である)官僚の頑強な抵抗で、全国には無理だが経済特区だけならば、みたいな話を含めてなかなかの成果を上げているといってよいだろう。
 ところがワーキングプアが増えた。非正規労働者比率が上がった。市場万能主義は良くない。問題が発生すると、規制緩和が徹底していないからだ、と一層の自由化を求められる、これではゆけどもゆけども逃げ水みたいだ、みたいな議論が結構大真面目で唱えられたりする。レッテルを貼って能事終われりとする非生産的な議論の典型だといってよい。


正体見たり
 今日の日本にジャングルの論理、社会正義わがことにあらず、のような市場原理主義などあるはずもない。ありもしないものを言いたてて警戒心をあおるというのは、別の目的があるからで、それは規制強化から社会主義経済化に到る一連の「大きい政府」への動きに他ならない。この論法は周到に計画されていて一見それと解らないものも多いからよほどの注意が必要になる。
 例えば全くこれと関係ない結構なお話に聞こえるCSR(企業の社会的責任)にしても、世界標準化、最低規制強化の動きを内包していることには余り気がついていない人が多い。かといって、疑心暗鬼を生じたり、徒に下心を見通そうとばかりするのもそれこそ非生産的な話で、要は「ほどほど」のバランス感覚、というに尽きる。そして、参議院選挙に見たように、民主主義的手法というのは、結構「ほどほど」のバランスをとるのに適しているのだ。(入山 映)

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タイトル:「オシッコ『海の中でやりなさい』」

※画像はひとコマ漫画の"一部分"です
  タイトルをクリックすると、漫画の全体像を見ることができます


今日のひとコト

 二十年、いやもっと昔か。小笠原諸島へクジラを見に行った。すぐ近くでクジラの本物を見た。
 気づいたことは、クジラが姿をあらわすと、海面にシーンとした静寂が宿る。まるで巨大な神を目の前にしたような。たしかに、拝みたくなる。(竜山)

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