大雪像 取り壊し
6日から始まったさっぽろ雪まつりは12日に閉幕しました。
わずか1週間で210万人の観光客が詰めかけ、大雪像が立ち並ぶ大通会場は連日、人の波で埋まりました。
今年は開幕初日、暖気と雨の二重苦に見舞われ、折角制作した雪像の細やかな部分は、汗と涙の雫がぶらさがりました。
翌2日目は一転して大雪に見舞われ、今度は箒やエアコンプレッサーを使っての雪下ろしに追われました。
後半はようやく平年並みに冷え込み、青空が顔を出したと思うと粉雪が舞う札幌らしい気候となりました。
雪像は例年ですと、まつり期間中一度はお色直しをしますが、今年は2度3度のお色直しを迫られ、関係者の苦労も大変だったと思います。
彦根城 落城
閉幕した翌日から早くも雪像の取り壊し作業が始まりました。
目玉の彦根城では、制作した自衛隊員が清めのお酒をまいた後、ショベルカーが城壁を大きく一撃しました。
見守っていた観光客から一斉にため息が漏れました。
「ああ もったいない」
400年前に築城された彦根城は、わずか40分ほどで落城しましたせっかく作った雪像を、なぜこうも早く取り壊すのでしょう。
祭りが終わりますと会場の管理は誰もしません。
7階建てのビルに相当する大雪像は子供たちの格好の遊び場となり、事故の起きる恐れがあるため早々に取り壊すのだそうです。
破壊本能
実は大雪像の取り壊し作業は、結構人気があります。
まつり期間中の見事な大雪像も見ごたえがありますが、取り壊し作業もなかなかなものです。
重機が容赦なく大雪像に襲い掛かる様子を見ると、人間の破壊本能を満足させるのでしょうか。
一方ではもったいないと言っていながら、他方では痛快なスカッとした気持ちになるー、まさにジキルとハイドです。
この二つを満足させようと、雪まつりツアーを最終日と翌日に組む旅行会社があると聞きました。
小さな雪像はみな重機の1発のパンチでノックアウトです。
あっという間に雪の塊となりました。
190基ほどあった雪像は午前中に跡形もなくなりました。
いずれ融けては消える雪でできているとはいえ、前日までの賑わいがうそのようです。
雪像が壊された雪の塊は、踏み固められた堅い雪ですので、放っておくと6月まで消えません。
札幌中心部の大通公園で、6月まで雪があっては困ります。
4月に入りますと、再び重機が入って雪塊を壊し、春への準備が始まります。
春への期待
冬の一大イベント、さっぽろ雪まつりは終わりましたが、寒さはまだ続きます。
それでも緯度が高いせいでしょうか、日没がずいぶん遅くなりました。
夕方4時には暗くなっていたのが、いつのまにか5時になってもまだ明るいです。
3月の声を聞きますと、札幌は三寒四温の繰り返しで、氷点下の世界から徐々に抜け出します。
四季のはっきりしているのが北国の特徴です。
市民は次の季節の幕開けを待っています。
望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。
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