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来年の主要国首脳会議(サミット)は、日本で開催される。誘致合戦に伴う日本の報道、とりわけ京都府の山田知事の「関西誘致は厳しい状況になっている」とのコメントに接し、コラムを発信したくなった。筆者が京都出身だから京都や関西サミットの誘致に期待するという、そんな小さな問題でなく、世界のために日本が、そして京都が今日ほど地球世界に明確なメッセージを伝える機会がないと考えるからである。 1.地球環境問題の京都 今年のドイツでのサミットの主要議題は、気候変動対策、すなわち地球環境問題であった。まるで、来年に向けた京都サミットへのメッセージである。 G8サミットで日本は唯一のアジアの代表国である。中国は、上海協力機構などを通じ、経済面のみならず外交、安全保障の面でも米国に並ぶ主要国になりつつある。ゴールドマンサックスやドイツ銀行によるとBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の経済力は数年後には、西側に並び、約 20年後には西側の倍になるとの信じられない予測がなされている。韓国は、国連事務総長の地位を確保し、国連の多国間外交の舞台で力を発揮している。 先日、ワシントンのウッドロー・ウィルソンセンターで、冷戦の終焉に関しレーガン、ゴルバチョフ、中国の視点でのシンポジウムが開催された。米国はソビエトに勝利し、冷戦が終わったが、日本は百年以上前にロシアのバルチック艦隊を破っているのである。その後、日本を中心とする大東亜共栄圏の構築に動いたが、2度の原爆の洗礼を受け、平和国家になった。冷戦中は米ソの双方で5万発の核兵器が製造されたが、広島と長崎の悲惨な経験が生かされ奇跡的に核戦争が回避されてきた。終戦直前に米国が原爆の標的委員会を設立し、数回の会合を経て最終的に京都への原爆投下が決定された。しかし、京都を良く知るグレー大使やスティムソン陸軍長官が、トルーマン大統領に進言し、京都は原爆投下から免れたという歴史的経緯がある。京都を救った人物 ヘンリー・スティムソン(http://www.yorozubp.com/0603/060313.htm) 広島と長崎は原爆の犠牲になり申し訳ないのだが、原爆投下から救われた京都は、京都の持つ平和のソフトパワーを世界に発信する使命を有しているように考えられる。京都議定書を通じ、今や京都は、地球環境問題のメッカである。日本が国益のみならず地球益のために貢献するには今ほど京都がサミット開催に相応しいと思われることはないと考える。 中野 有(なかの・たもつ) Nakano Associates シンクタンカー、非政府個人(NGI)。国連機関(国連工業開発機構)、シンクタンク (ブルッキングス研究所、東西センター)、大学(ジョージワシントン大学、アメリカン大学)、日本企業の勤務経験を経て、現在、ワシントンと京都を拠点とするシンクタンカー。中東・アフリカ5年、ヨーロッパ5年、アメリカ6年生活。 |
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2007年03月28日
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