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2007年04月10日
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北朝鮮問題のタカ派日本、「北」に変化あれば包括和平への道もネオコンのシンクタンクであるAEIのセミナーで、北朝鮮の強硬派として知られるボルトン元国連大使、AEIの研究員のブレメンタル氏や、エバースタット氏が集い、北朝鮮問題が語られた。一番印象的だったのが、日本のメディアが順次、パネルの正面まで出て競うようにテレビカメラを回すシーンであった。スピーカーがそれを意識したかどうか定かでないが、日本に対しエールを送るような発言が繰り返しなされた。 これらセミナー、米国内の論調を踏まえ、私なりに日本の北朝鮮問題の課題を考察をしてみた。 結論から先に述べれば、北朝鮮にミサイル、核開発、拉致に対する反省が見られない状況下で、北朝鮮に対し経済制裁を課すという日本の外交政策は正しいと考える。しかし、4月14日までに核兵器の放棄に繋がるリストを提出し、そして拉致問題でも進展の兆しが見られる状況になれば、日本が、6者協議や国連の外交舞台を通じ、最も広大で、しかも包括的な平和へのグランドデザインを示す時期に来ているように考える。 米国の対北朝鮮強硬派去り、米外交転換?米国の対北朝鮮強硬派に共通する考えは、金体制の核の放棄はありえないということである。金体制の生存のために核開発は最重要事項であり、外交交渉は成立しないとの一貫した姿勢である。このプリンシプルでブッシュ政権の1期目は、北朝鮮と直接交渉を行なうことなしに、六者協議が進められた。換言すると本音の外交が二国間外交であるとすると、多国間外交は現状維持を建て前としたものであり、北朝鮮を泳がせる政策であった。米国が「対北」宥和政策に変貌した3つの理由筆者は、日本一国でも核やミサイルの開発を諦めない北朝鮮へ経済制裁を仕掛ける姿勢を続けることは間違った判断でないと考える。何故なら、経済制裁と建設的関与の程よいバランスが保たれ、封じ込めと関与政策が成り立つからである。同時に、米国がどうして北朝鮮への現状維持政策から宥和政策に変貌したかを分析する必要があると考察する。概して三つの理由があると思う。北朝鮮が核を保有したことで抑止力として日本が独自で核兵器を保有するとの懸念が生み出されたことと、核のドミノ現象の回避のためには、北朝鮮問題の解決が重要と判断。これは、米、中、露、韓のすべての共通した考えであると思う。特に、未だ米国には、日本とドイツには核兵器を保有させないという安全保障の大前提がある。 中国が人工衛星の攻撃用実験を行なったことで、軍事産業複合体のパラダイムが北朝鮮の不確実性要因に依存する姿勢から、宇宙空間への開発にシフトしはじめたことに有る。ポーランドやチェコにミサイル防衛のための建設が行なわれるとのことで、NATOとロシアの対立が際立っているが、北東アジアでは、ミサイル防衛のみならず中国への封じ込め戦略の一環として軍事産業が絡む宇宙産業が展開されると考察する。 北朝鮮が核を保有し、ミサイル開発も予測以上に進んでいるとの判断で、軍事制裁への可能性が低下したこと。ブッシュ政権の対北朝鮮強硬派が舞台を去り、ライス国務長官を中心とする実利主義的外交に加えて、ペンタゴンのゲーツ国防長官と中国への経済の相互依存を強調する元ゴールドマンサックス会長のポールセン財務長官とのトリオが北朝鮮問題を中国問題の一環として考察する包括的戦略を推進していると読む。米中の経済的相互依存関係が、米中の北朝鮮への宥和政策に直結しているとも考察できる。 大局的交渉として米朝国交正常化もありえる大局的交渉(グランドバーゲン)として北朝鮮への米国による安全保障の保証と米朝の国交正常化もありうると読む。北朝鮮の核の放棄から核の平和利用という、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)に見られたクリントン政権の末期に逆戻りしたような錯覚さえ感じとれる。しかし、KEDOとの明確な違いは、13年前の朝鮮半島危機と違い、中ロの勢力が蓄えられたことに加え、中ロが北朝鮮の核開発を懸念している点である。従軍慰安婦問題急浮上の意味この日本の一貫した頑なな拉致問題への姿勢を崩す最大の武器は、従軍慰安婦の問題を人権問題の一環としてメディアを通じ、流布することであろうというのが、北朝鮮の融和を急ぐ勢力の戦略であると考えられる。ニューヨークタイムズやワシントンポストが、従軍慰安婦の問題を異常な程にクローズアップする背景には、日本の北朝鮮への強硬姿勢を緩和するという意図があると考えられる。北東アジアでの勢力の調和が重要21世紀の今日、地球世界は、ならずもの国家や国際テロ組織による大量破壊兵器の恐怖に直面している。そして、上海協力機構に代表される中国やロシアの勢力が新たなる国際秩序の構築に拍車をかけている。ユーラシア大陸においては、日米同盟のみならずオーストラリア、ニュージーランド、東南アジア、インド、トルコ、EUと大きな勢力の統合と拡張が起こりつつある。その勢力とは、決して冷戦時代のイデオロギーの対立、すなわち上海協力機構を中心とする勢力と日米同盟を中心とうる勢力の対立を意味するものでなく、勢力の調和(コンサート オフ パワー)でなければいけない。日本外交に北東アジアのグランドデザインを期待北東アジアの空間に鉄道、道路、石油・天然ガスパイプライン、教育、通信などのインフラ整備が国境を越えて構築されることにより、国を越えた相互依存体制が生まれる。この北東アジアのグランドデザインの実現が、ひいては、勢力の調和と協調的安全保障の確立と安定と発展への礎になろう。冒頭でも触れたが「北」に変化の兆し見えたならば、安倍総理が米中との首脳対談時に、北東アジアの安定と発展に向けたグランドデザインが協議されることを期待する。(中野 有) |
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