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ワシントンポスト(7月9日付)で、アスペン研究所のイザクソン所長が、今日の世界が直面する脅威に対する明晰かつ端的なビジョンを描いている。 60年前、米国はソビエト共産主義の拡張政策による脅威に直面していた。われわれのリーダーは、想像力あふれるビジョンを持ってそれに挑戦した。世界的な共産主義の脅威に対抗するために、集団的安全保障の要となるNATOを創設し、国際経済分野においては、世銀やIMFの国際機関を創設し、マーシャルプランを実施した。
共産主義に抵抗する政府の支援を目的としたトルーマン・ドクトリンや、ソ連の脅威に対する防衛と米国の核兵器戦略を描いたNSC68が、米国の9人の大統領に継承され、ベルリンの壁の崩壊並びにソ連の崩壊を導いたのである。 21世紀の今日、われわれは再び新たなる世界的な脅威、換言すると、イスラムの聖戦を唱える国際テロの危険にさらされているのである。9・11同時多発テロが発生し、6年近くの歳月が流れたが、冷戦が発生した時に描かれたような明確なビジョンが全くない。 大統領選挙が迫り、米国が新しく変化しようとしている今日、国際テロに対抗する明確なビジョンが求められている。 第1、NATOを補強する新防衛協定 イスラムの国際テロに対抗するためにNATOに協力する多くの国と協力体制を構築する。とりわけイスラム穏健派であるのエジプトやヨルダンとの協力が重要である。 第2、新マーシャルプラン 安定した中産階級を増やすために中小企業向け融資を実施。アスペン研究所では、イスラエルとパレスチナの企業家と協力して、パレスチナ自治区において、「海外民間投資会社」のプログラムを推進している。 第3、デジタル時代の公共外交 最新の科学技術、例えばデジタル、インターネット、プログ、サテライトなどを統合した公共外交を行なう。最新のテクノロジーにマッチした創造的な公共外交が必要とされる。 第4、プロフェッショナル集団とNGO 医者、エンジニア、教育者、行政官など多くのプロフェッショナルな集団が一緒になり新しい平和部隊やNGOとして地球的問題に挑戦する。 第5、エネルギーの安全保障と地球環境問題 化石燃料の依存を低下させ、地球環境問題に貢献するというエネルギー安全保障政策を策定する。 以上のビジョンは、冷戦時のビジョンに匹敵するだけの将来性のあるビジョンなのであろうか。とにかく、今、希求されるのは、創造性・想像力にあふれたビジョンである。アインシュタインの、「想像力は知識より偉大である」という言葉が示すように未来志向型の外交・安全保障が必要なのであろう。
(参照 ワシントンポスト 7月9日、A Vision to match the Threat, by Walter Isaacson, president and chief executive of the Aspen Institute)(中野 有) |
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2007年07月12日
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