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加藤氏は「6者協議」での米朝の動きを取り上げ「大きなことが進行しつつあると思う」と切り出した。 続いて自らが外務省の中国課の課長時代に遭遇した“ニクソン・ショック”(1971年、日本の頭越しにニクソン大統領が訪中表明)を引用し、「これからは推測」と断った上、ニクソンならぬブッシュ・ショックとしての米朝和解に触れた。 その時に「日本の外交は立つ瀬がなくなるのではないか」と述べた。 柔軟な外交を求める最近の米朝急接近を見ながら、「6者協議の中で日本は米、中、韓と齟齬(そご)をきたしている。安倍、麻生外交はイデオロギーに支配されすぎ、柔軟な道をとりにくい。小泉さんの訪朝は金正日が歓迎、拉致を謝罪した。歴史に残るものだったが、その後、大きな動きを見失った。日朝は今、双方が強烈なシコリを持ち、その距離は大きい」と分析した。さらに、「拉致問題で横田めぐみさんの遺骨について我々はニセものと思って北朝鮮に真実の回答を求めているが、そのことを(6か国の他の)諸外国は共有してくれていない」ことにも触れ、「拉致問題の位置付けが18日から始まる6者協議のキーポイントである。柔軟な対応が望まれる」と“柔軟”を繰り返した。 最後に「6者協議で日本がイニシアティブをとれる入り口は何か」の質問が出ると加藤氏は「安倍さんが(考えを)変えるしかない。(シコリを取り除く)水面下の外交なども」との表現で安倍外交の転換を求めていたのが印象的だった。(園木 宏志) |
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2007年07月17日
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イラク戦争の4つのフェーズと潮流の変化ブッシュ大統領は、イラク戦争には4つのフェーズ(局面)があると昨日(7月12日)、議会で語った。第一は、フセイン政権を崩壊させたイラク開放のフェーズ、第二は、選挙の実施や憲法作成のイラク主権のフェーズ、第三は、サマラのゴールデンモスク攻撃に端を発する宗派間の分断・闘争のフェーズ、そして現在の米軍の増派か撤退が語られる米国分断のフェーズ。明らかに第二のイラク主権の途上までは、米国の戦略が活きていた。なのに、どうして圧倒的な軍事力を誇る米国が不利な立場に追いやられたのであろうか。その潮の流れが急激に変化した、根拠を考察してみたい。 イラク反乱勢力のメディアの影響同日、ワシントンのニューアメリカン財団とラジオ・フリー・ヨーロッパが共同で「イラク反乱勢力のメディア」というテーマでセミナーを開催した。そのセミナーを通じ、イラク戦争の潮の流れを変化させたのは、メディアの影響力が大きいと直覚した。通常のマスメディアとは、ラジオ、テレビ、新聞などアナログ中心である。しかし、インターネットというイノベーションの台頭により、個人が何の制約もなしに発信する個人メディアが、急速に幅を利かせてきた。個人が自由に発信することが出来るデジタル映像は、一瞬にして身近なローカルな情報をグローバル社会に蔓延させることが出来るのである。 ラジオ・フリー・ヨーロッパの研究員の分析によると、イラクの反乱勢力は、イスラムの聖戦を正当化させることを目的に、米軍との戦闘シーンや自爆テロの生々しいシーンを映像化して、世界に発信しており、イスラム過激派や国際テロ組織の反米の喚起を呼び起こすという誇大妄想的メディア戦略に勝利していることに問題の本質があるとのことであった。 インターネットのパワーインターネットは、ペンタゴンの技術に起因していると言われている。ペンタゴンが情報戦争に勝利するために莫大な資金を投入し開発したイノベーションが、世界に安価で普及し、それがイスラムの過激派によって利用され、米国の戦略を大きく狂わせている。恐らくポスト・ポスト冷戦と表現される9・11同時多発テロまでは、軍事力によるハードパワーが単純に機能した時代であった。しかし、その後は、インターネットが個人の意思により、精神面でのソフトパワーの威力を発揮させる時代が到来したように考えられないだろうか。イスラムの過激派は、インターネットという文明の機器を巧妙に駆使しながら、ジハード(聖戦)を鼓舞しているのである。 ソフト戦略今日の米国は、イラク戦争が癌となりホワイトハウスとキャピタルヒルの分断が深まっている。ブッシュ政権内部でも、共和党や民主党の間でも、亀裂が発生している。その間に、イラク人や米兵死傷者が増え、イラクの悲劇が深刻化するのみならず、アルカイダの温床がパキスタンに構築されつつある。イラクシンドロームから如何に脱出するかがブッシュ大統領の残り17ヶ月の課題である。このような後ろ向きの戦略を軌道修正させるためにも、イラクに米軍を増派するという軍事面におけるハード戦略でなく、情報・メディア戦略というインテリジェンスなソフト戦略の機敏な実践が先決となろう。インターネットが、聖戦のために悪用されるのでなく、世界平和のために適用されるような情報戦略に勢力をつぎ込むことが重要である。平和を希求する個人が、イラク戦争の潮流を再び変化させる潜在性はある。 仮に、イラク戦争のために投下された資金が、平和のためのメディア戦略、マラリア、エイズ、教育、マイクロファイナンス、地球環境問題などに効果的に賄われていたら世界は、丸く治まり、米国の地位は向上したと考察される。(中野 有) |
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