メディア・レボリューション

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ヨーロッパアルプス行脚 (下)

スロベニア初見参

イメージ 1 「望田さん スロベニアに行きませんか」
 オーストリアに旅行中、現地で知り合った日本人から突然声をかけられた。
 「えっ スロベニア?」
 スロベニアは滞在地のフィーラッハ(オーストリア)からイタリアとともに近い位置にある。
 旧ユーゴの最北部で、ハンガリー、オーストリアと接する四国とほぼ同じ面積の小さな国だ。
 イタリアにはすでに寄ってきたが、最も近いスロベニアに行こうとはまったく考えていなかった。
 縁のなかったスロベニアは勉強不足で、遠い国のように思っていた。

モザイク国家の悲劇
 旧ユーゴスラビアの民族同士の争いは激しく、セルビア人のミロシェビッチ大統領時代のボスニアヘルツェゴビナにおける内戦は、熾烈を極めたことはまだ記憶に新しい。
 民族浄化の名の下で繰り広げられた内戦は、バルカンの地鳴りとなってモザイク国家の悲哀を全世界に知らしめた。
 憎悪と猜疑心が支配し、いつ襲われるかも知れない不安の中で生きている人たちのことを考えると、島国日本は平和でいいなあと思ったことを思い出す。
 旧ユーゴは現在6つに分裂してそれぞれ独立し、今日に至っているが、疲弊し、貧しい国になってるのではないかと漠然と思い、それ以上の知識は持ち合わせていなかった。
 しかし、この機会を逃すと二度と訪れることがないと思い、同行をお願いした。

アルプスの瞳
 列車に乗って1時間もしないうちに国境を越え、バスに乗り継いでスロベニア一番の観光地というブレッド湖に向かった。
 目の前に現れた湖と周辺の景観をみて、あっと驚いた。

イメージ 2 エメラルドの湖、湖の真ん中にポツンとある島、その上に立っている教会、そして湖畔の崖にそびえる中世のお城・・・
 すべてが絵になっており、まるでおとぎの国の世界に飛び込んだようだ。
 とくに湖の青さはすばらしく、裏磐梯の五色沼や、雌阿寒岳に
 近い北海道三大秘湖のひとつオンネトーなどの比ではない。
 「アルプスの瞳」とか「エメラルドの瞳」といわれ、ヨーロッパでももっとも美しい湖の一つといわれているそうだ。

バルカンの星
イメージ 3 ブレッド湖は窪地にたまった氷河が溶けたとき、出口がふさがっていたためできた湖だという。
 周囲8キロほどの小さな湖を、半日かけて湖畔に咲く植物をゆっくり見ながら一周することにした。
 どこからみてもすばらしい景観の散策路を歩いていると、大きなホテルについた。
 チトー大統領の別荘があったところで、その後、改装して湖一番のホテルになっているという。
中に入ってお茶を飲んだ。
 建物・庭をみるとさすが権力者の別荘であったことがうなづけ、出された調度品まで洗練されている。
 弱小国でありながら東西冷戦のさなか、第3世界のリーダーとして、国際舞台の好ポジションを保ち続けたバルカンの星は、この豪華な別荘で、世界平和のための思索に耽り、要人を招いたのだろうか。
 チトー亡き後、旧ユーゴが分裂したことを思うとそのカリスマ性で多民族国家を維持してきたチトーの偉大さが、改めて思い知らされる。

イメージ 4 広い別荘跡の塀の一角に、チトーがハットをかぶり、厚いコートを着ながら湖畔を散策している懐かしい写真が貼ってあった。
 それがないと、知らない人はこの建物がチトーと関係があるとは思わないで、通り過ぎることだろう。

 このチトー大統領の別荘から見える湖が、島の教会と、お城、
 それにスロベニア最高峰の山の3点セットが一望できる湖一番のビューポイントだという。
(湖の写真)

人力渡し舟
イメージ 5

 私たちは島の教会にいくため船に乗った。
 ボートを自分たちで漕いでも行けるが、船頭が漕ぐ屋形船のような船に乗った。
 おとぎの国の世界でゆったり船に乗っている気分である。
 客が日本人だとわかると船頭が話しかけてきた。
 なんとこの船頭、東京オリンピックのときのユーゴ代表のボート選手で、埼玉県の戸田ボートコースで漕いだという。
 知らぬところで共通の話題があると、雰囲気ががらりとかわる。
 二本の艪を巧みに漕ぐ船頭の両腕を見ると、丸太のように太かった。

 この湖にはモーターボートなど、動力で動く船はない。
 油などによる湖の水質汚染を防ぐために禁じているのだろうか。
 波もほとんどなく、船は太古のままのエメラルドの湖面をゆっくり進んでいく。
 中世の面影を残す落ち着いた街と湖だ。

東欧の豊かな国
 失礼ながらスロベニアは活力ある国だとは思っていなかった。
 同じバルカンのアルバニアなどと同じ、これからの国の一つかと思っていた。
ところが訪れてまずユーロが使えたことにびっくりした。
 東欧諸国でEUに加盟している国は他にもあるけど、ユーロ圏に入っているのはスロベニアだけだという。
 もともと旧ユーゴの工業地帯であったスロベニアは、小さくても国民総生産や国民所得は高いという。
 今年の1月ユーロ圏入りを西欧諸国が認めたのも、スロベニアの経済力の高さが証明されたということなのだろう。
 来年にはEUの議長国をつとめるという。

 西側諸国の仲間入りを果たしたスロベニアは治安も落ち着いていた。
 日本では最近オーストリアからスロベニア・ハンガリーと回るツアーに人気が出ているという。
 百聞は一見にしかず、予定もしなかったスロベニアを訪れることができたのは最大の収穫、目から鱗が落ちた。
イメージ 6

 (写真:湖面から100m、崖のお城の上から見たブレッド湖)  

(寄稿=望田 武司)

望田 武司(もちだ・たけし)1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。

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タイトル:「海水浴場はあっちだ」

※画像はひとコマ漫画の"一部分"です
  タイトルをクリックすると、漫画の全体像を見ることができます


今日のひとコト

 サメが怖いのは、ガブリッとかまれるからだ。他の魚が怖くないのは、かまないからだ。
 サメにかまれないようにするには、サメに近づかないことだろう。で、思い出した。私が子供の頃、サメにかまれないようにと、六尺ふんどしを長くひっぱて泳いだものであった。ふんどしの先が海水で泳ぐたびにピーラピーラして、それをみてサメはおかしくなって笑い出したとか。(竜山)

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