メディア・レボリューション

マスコミ各紙各局のOBや、現役の解説者などからなるニュースブログです。TVや新聞には出てこない「新しい」情報を発信します。

日銀関連・緊急座談会

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

イメージ 1予算審議が終わると、金融問題についてさまざまな議論が、政府、経済界、日銀を巻き込んで活発になりそうだ。
そこで「メディア・レボリューション」では、編集会議メンバー、早房長治(朝日OB) 牧野義司(毎日OB) 町田徹(日経OB)の3氏による座談会を、2月17日に行い、最近話題になっている日銀の量的緩和と、その後の金融政策について三人で話し合った。
その内容を3回シリーズで紹介する。

量的緩和解除後の金融政策のあり方

イメージ 2早房: 量的緩和解除後の金融政策はどうあるべきかということに話題を移したいと思います。
 90年代の半ばころからずっとバブル崩壊後の経済を何とかしなきゃいけないということもあって、金融にものすごい負担がかかって、ゼロ金利にしたり、30兆円も35兆円も大手銀行の当座預金残高を積み上げたり、何のためにやっているのかと疑問さえ生ずることをやって来たわけですよ。長い目で見れば、非正常だった金融政策をどこかで、経済が正常化したら正常にするというのが大きな課題だったと思います。さて、経済も回復した現在、今後の金融政策をどうしたらいいでしょうか。
 考えられる具体的テーマとしては、「ゼロ金利の問題をどうしていくか」ということ、それから、「中央銀行の政策、金融政策の透明性、説明責任の果たし方をどういうふうにしていくか」。それから、最近竹中氏や中川氏からも、日銀の一部でも言われていることですが、「インフレターゲットの問題」。どのテーマでも結構です。

イメージ 3町田: 量的緩和を解除すれば、当然、順序として、次はゼロ金利をどうするかという話が焦点になっていくでしょう。引き続きゼロ金利を続行すると、成長を示す指標がいろいろ出てきた途端、実質金利はマイナスになり、ゼロどころかマイナス金利を付けたのと同じことになってしまいます。そういう局面になると、急ピッチな金利上昇は困りますけども、ある程度機動的に対応するんですよというスタンスを見せる必要が出て来ます。そういう場面は、みんなが思っているよりもかなり早く訪れるかもしれないですね。

牧野: エコノミストたちの予測を見ていると、今年の春に日銀が量的緩和を解除したあと、早ければ今年の秋、10月くらいにゼロ金利解除に踏み切るというような予測が比較的多いようです。
 しかし、私は、ゼロ金利解除はマーケットの状況などを見てフレキシブルに判断すればいいと思うので、同じことは、ゼロ金利解除に関しても、今年の秋ぐらいという意識を持たない方がいいんじゃないかなと。むしろ今は、日銀も慎重に状況をみながら、とりあえず量的緩和を解除してゼロ金利状況に戻し、金融政策に金利機能を持たせる。その政策の余地を確保して、それからマクロ、ミクロの状況を見て、必要が出たらゼロ金利政策に関しても解除する、といった手順を踏むことだ、と思う。つまり、2000年8月のゼロ金利解除の早すぎた政策の判断ミスは、まだ後遺症としてあるので、そこは慎重にした方がいいんじゃないかなと思います。これまた自然体ですよ。

町田: バブルの経験というのがあるわけですから、慎重すぎてもいけないと思います。

早房: ただ、「牧野流自然論」から言うと、景気もいい、それから株価もそこそこ上がっていくという情勢が続いていけば、長期金利は上がりますよね。長期金利が上がれば、短期金利もいずれ上がっていくでしょう。
 僕はそういった動きが多分、秋までには出てくると思う。僕はそれに合わせて、日銀は自然の動きをただ追うってことから始まるのかもしれないけども、金利を引き上げてゆくべきだと思う。ゼロ金利というのは世界のどこの国でもやっていない。非常に異常ですよ。だから、なるべく早く2.5%くらいには持っていかなくては。アメリカは依然、金利を上げ続けているわけだから、先まで考えると、日本もそういう政策に変えなくてはいけない。

町田: よくある議論だけど、それくらいの数字にしておかないと、いざ下げようという時に下げる余地がないというね。

牧野: それはそうですね。だからグリーンスパン前FRB議長が政策金利を4.5%ぐらいに持ってきてるのは、やはり後任のバーナンキFRB議長に対して、次にもしデフレのリスクが出た時に、ある程度、金利引き下げの余地をつくるため政策の懐(ふところ)を深くし、政策の自由度を持っていくという考えがあったわけで、そういうバトンタッチはなかなか巧みだなと思いますけどね。
 ところで、日銀の金融政策の話というのは、本当に今、世界中のどこを見たって、デフレを長期に経験し、それによって量的緩和という、金融政策的には未踏の地域に入って、今度はそれをゼロ金利状態に戻すということを、世界中の中央銀行はみんな見つめていると思うのです。だからそういう面では、日銀の政策の判断というのは非常に重いものがある、と言えます。
 その意味でも、これからの世界中の中央銀行の先例になるように、うまくやったらいいと思う。ただ、ある程度景気がよくなった状況を見れば、自然に短期金利が上がってくる。それは長期金利にも波及するというのがある半面、いくつかの判断材料で見なければいけないのは、一つは、国債の価格暴落というリスクをどう見るかということもあるし、長短金利の上昇というのが、まだバランスシート調整が終わっていない、そして過重債務を抱える企業、あるいはリストラ中の企業にとっては金利負担増になってくるので、もうちょっとそのあたりに政策的配慮が必要という状況も出てきます。
 マクロ的な、大企業製造業を中心とした企業収益の良さだけで景気をみると、それはもう主要金利の容認というのは認めていいかもしれませんが、いま、申し上げた企業への配慮をどこまでやるか、という点も今後の課題になってきます。
それはまた自然体って話になってくるのかもしれませんが、、、。

インフレターゲット論をどう考えるか

イメージ 4早房: 最後に今また復活してきたインフレターゲット論についてお二人の意見を聞きたいと思います。
 中川政調会長や竹中総務大臣はそれがいいということをかなり積極的に言っている。政府の中でも与謝野金融担当大臣や谷垣財務大臣や柳沢自民党税調会長はどうも消極的であると。 
 経済界はいろいろごちゃごちゃだけども、日銀の福井総裁や武藤副総裁は、どちらかというと、それは適当じゃないよというかたち。岩田副総裁の場合は、最近は立場上言わなくなっているけどかなり昔からインフレターゲット論者。
 確かに外国の例をみてみても、それぞれ導入している国は結構ありますけど、その導入した経緯をみると様々なんですよね。そういうことを全部含めて、今現在のインフレターゲット論についてどう考えるかということを、町田さんからご意見を。

町田: そこはわりとノーアイデアなんですけども、あんまり手は縛らん方がいいだろうと思います。それこそ自然体を侵すことになりかねない面もありますから。デフレ、デフレと騒がれた時期なら別として、もういいんじゃないですかという感じはしますけどね。

早房: 最近、与謝野氏が言い出したのですけれども、インフレターゲット論をどういった位置づけにするかということが大事だと思います。僕はやはり、この議論が出てくるたびにぽしゃっている原因は位置づけをしっかりしていないせいじゃないかと思うんですよね。今の0.3%、0.4%とかのインフレ率を、どのような方法で2%とか3%にするかです。これは、ちょっとやりようがないと思うんですよね、現実には。

イメージ 5牧野: 政府の方が、毎年の景気、マクロ経済見通しを含めて消費者物価はこれだけ、GDPはこれだけという見通し判断を出すのはいいと思います。
 しかし、金融政策の面でインフレターゲットを仮に2%とか設定した場合に、そのターゲットに対する政策遂行責任が出てくるので、それでは金融政策面で2%に向けてどういう政策をやっていくかというのが非常に難しい問題だと思います。
 特に今、デフレを脱却して、長短金利の、日銀の長期金利はそう伸びないけども、短期金利の上昇の問題に対してもまだいろいろ見極めが必要になってくる。そんな時に、インフレターゲットにした消費者物価の上昇率2%に対して、仮に0.5%の物価状態だった場合、そのギャップ1.5%をどうやってあげるか、と。これは金融政策面ですごいリスクが伴うことであり、中央銀行が関わるべき領域ではない、それは政府のマクロ政策に委ねる問題だと思います。
 だから、結論的には、インフレターゲットに日銀は拘泥する必要もないし、政策決定する必要もないと思いますけどもね。無理だと思うんですよ。
 でも問題は、バーナンキFRB議長なんかは、インフレターゲット論者だから、FRB(米連邦制度理事会)が、日米での金融政策協調を仮に求めて来たりした場合、日銀にとっては、非常にプレッシャーになるでしょうが、日銀は毅然とした対応をすべきでしょうね。

早房: 僕は、バーナンキFRB議長は、意外に強く言わないんじゃないかと思いますね。
なぜかというと、FRBも合議制ですから。バーナンキ氏以外の人はあまりターゲット論賛成じゃないんですよね。それは、彼もわかっているから、それはチャンスとあればやりたいかも知れない、個人的にはね。だけど、なかなかアメリカでもインフレターゲットを作って、それが非常なプラスになるという情勢じゃないでしょう。政治的にも、あまり政治家からはインフレターゲット論は出てこない。エコノミストとか、学者の間からは出てきていますけれどね。



今回のシリーズでは、日銀の量的緩和解除の問題と、その後の金融政策について話し合いました。
今日、それ以外の金融政策、証券(市場)政策、税制など、多くの経済政策も転換しなければならない時期に入ってきました。
適宜、座談会を開催し、検討をしていきます。ご期待ください。



イメージ 1予算審議が終わると、金融問題についてさまざまな議論が、政府、経済界、日銀を巻き込んで活発になりそうだ。
そこで「メディア・レボリューション」では、編集会議メンバー、早房長治(朝日OB) 牧野義司(毎日OB) 町田徹(日経OB)の3氏による座談会を、2月17日に行い、最近話題になっている日銀の量的緩和と、その後の金融政策について三人で話し合った。
その内容を3回シリーズで紹介する。

日銀・政府・ポスト小泉・・・絡み合う思惑
イメージ 2 早房: それともうひとつ、最初に私が政府与党や骨太方針との関係とか、総裁選とのからみなどについて申しましたけれども、日銀の量的緩和に関しては、政府与党と日銀の間にすでに溝がありますよね。
 日銀は中央銀行として当然、「金融政策は自分でやらせてくれ」と言う。一方、政府与党の中、これは2つに分かれているけども、中川自民党政調会長とか、竹中総務大臣は、「経済財政政策の基本は経済財政諮問会議が決めて、日銀が実行すればいいんだ」と言い続けてますよね。
 この問題はどういうふうに考えますか。

イメージ 3牧野: 政府与党のうちで、中川政調会長や竹中総務大臣の言動をみていると、ポスト小泉政権への布石が見受けられます。具体的には安倍晋三官房長官を擁立し安倍政権になった場合を想定すると、消費税税率引き上げの問題に直面し、政治課題として重い。そこで今はとにかくリフレ政策を取りながら、資産価格の上昇を狙うと。裏返せばその政策目的のためには、日銀の量的緩和政策の解除をできるだけ先送りさせ、デフレ脱却が確認できるまで、という点を大義名分にリフレ政策を行う政治的な思惑が非常に強いように思います。
 一方で、小泉首相は、9月の自らの任期切れ前にデフレ脱却の宣言を行いたい政治的な思惑もちらつき、その意味で量的緩和政策の解除に関しても、日銀の政策判断だ、と言いながら、自分が政権最後の段階で、長期にわたったデフレ脱却に一つの区切りをつけたいとの思惑があると思います。
 他方で、早房さんが言われたとおり、経済財政諮問会議の与謝野金融担当大臣、谷垣財務大臣は財政再建を前面に押し出し、どちらかといえば、日銀の金融政策判断に関しては、独立性を堅持して独自判断でいい、としながらも、景気が回復した時点での消費税率引き上げに含みを残し、中川氏や竹中氏とは一線を画している、という状況です。
 日銀はこういう状況下で、政府与党の動きに振り回されることなく、さきほど申し上げたとおり、自然体でやればいいと思う。要は、日銀がここであまり独立性を強く言い過ぎると、与党あるいは政府との間にフリクションが起きてマイナスになるだけと思います。

早房: 自然体って結構難しいですよ。

町田: 結構雑音が入りますからね。

牧野: 先日、日銀の幹部と話したら、面白いことを言っていました。政府とのマクロ政策面での協調というのは、今回に限らず、過去にも国際政策協調とか、通貨がらみでドル安円高是正のために、日銀に協調を頼むという格好で、これまでもいろんな格好でボールが日銀に対して投げられてきており、何も今に始まったわけじゃないと。
 やはりマクロの政策について、たとえば「名目GDPを4、5%へ」とか、「インフレターゲットを2%程度に」とかいった数値目標的な政策ターゲット論とが出るけども、マクロ政策に関しては、政府が財政政策などでちゃんとやらなくてはならない、日銀の金融政策がそこにコミットするのには無理がある、と思うのです。
 仮に、いま2%の消費者物価目標のインフレターゲットを置いた場合、日銀は今、それにあわせて、金融政策的にどれだけの達成手段があるのか、むしろそれを背負わされることのリスクの方が大きい。政府と中央銀行の政策面での役割には自ずと違いがある、と思います。

早房: 町田さんはどのようにお考えですか。

町田: 当然、前回もここで議論しましたが、日銀、中央銀行の独立性というのは、何者も侵してはいけないものです。
 ただ、そうは言っても、どこの国、どこの議会、どこの政治であれ、金利の引き下げにはいつも賛成、逆に、引き上げには常にいろんな理由をつけて邪魔をするというのが政治と中央銀行の基本的な関係という側面もあります。
 今回の(中川氏や竹中氏の)金融政策を縛りましょうという話は、小泉政権の「2011年のプライマリーバランスの均衡」といった議論の中で、少しでも国債の利払い負担を増やしたくない、金利が上がっていくような話はできるだけ先に延ばしたい、という意図がミエミエの話ですよね。
 ところが、先ほどから3人で確認しているように、経済には、これまでの政策の副作用の兆候が出てきている。これまで政策的に最優先で取り組むべきだった金融の不良債権とかデフレ景気の問題にはほぼめどがついて、むしろ、副作用の兆候が出てきてるという時に、日銀の独立性を縛って邪魔をしたら、日銀の最大の役割である「インフレの番人」としての機能を果たせなくなります。こうしたことは日銀が独自に判断すればいい。政治的介入があれば、断固として拒否するべきだと思います。

イメージ 4早房: 福井総裁は、はっきりとは言えないから言わないのだけれども、量的緩和解除のタイミングを3月とか4月とか強く匂わせていますよね。
 ただ、私はそう遠慮することはないと考えます。もっとすっきりしていた方が、メッセージとしてはね、経済界に評価されると思います。
 経済界は国内だけじゃなく国外もありますから、町田さんがさっき言われたように、金融緩和の解除をしなくてはいけない時には、かなり機動的に、独自の判断でやるというメッセージが、むしろ評価されるのではないでしょうか。
 遠慮して、「政府が言うから4月にするか、5月にするか」とか、そういうことをしてしまうと、「一体、日本の中央銀行はどうなっているのか?」と、また昔のようなことを言われてしまう可能性がある。
だから、そこのところは、もう少ししっかり日銀の中で決意を固めろと言いたいですね。

牧野: 今はマーケットの時代、スピードの時代、グローバルの時代ですから、日銀の金融政策というのは、かつての旧日銀法の時のように日銀執行部が理事会で決めるというのではなくて、マーケットとの対話をベースに政策判断すべきですね。つまり、あまり予断をもって政策判断する必要はなくて、米国の前連邦制度理事会議長のグリーンスパンのように、むしろマーケットと対話をしながら、市場の動きを見て、そして、景気物価動向を見て、ある時に「えいや」でやるということですよ。
 私がさきほどからこだわっている自然体というのはそういう意味で、最初に予断をもって言い過ぎると、かえって困ることが多い。たとえば、急に変動要因が出てきて、タイミングを失したりすると「なんだ日銀はやらないのか」と逆の信任が問われる。だから、状況を見て、少しずつマーケットのコンセンサスは出きてきつつあると判断した段階で、機動的に、かつフレキシブルにやればいい。政治サイドの要求などに対して、あまりこだわる必要はないと思います。

イメージ 5町田: 「量的緩和解除に向けてマーケットのコンセンサスができてきているんじゃないか」ということに関して、私は全くその通りだと思っています。
 あるエコノミストが言っていたのだけれども、「4月は当然。場合によっては3月でもいいですよ」と。一方、竹中氏や中川氏らの言動については、「例えば竹中氏は経済学者出身なんですから、エコノミストの良心がかけらでも残っていれば、今さらそういう介入めいたことを言うはずがないでしょう」と。そういう感覚でエコノミストたちは見ている状況です。
 もっとも、竹中氏は今や学者じゃなくて政治家です。現実に、日銀をけん制する発言もしているので、これから、どういう態度をとるかわからない面もありますね。

日銀の量的緩和解除とその後の金融政策(下)は明日23日掲載予定です。ご期待ください。


イメージ 1予算審議が終わると、金融問題についてさまざまな議論が、政府、経済界、日銀を巻き込んで活発になりそうだ。
そこで「メディア・レボリューション」では、編集会議メンバー、早房長治(朝日OB) 牧野義司(毎日OB) 町田徹(日経OB)の3氏による座談会を、2月17日に行い、最近話題になっている日銀の量的緩和と、その後の金融政策について三人で話し合った。
その内容を3回シリーズで紹介する。

量的緩和解除、機は熟したか?
イメージ 2早房: 日銀が量的緩和を最初に始めたのが2001年の3月ですよね。それから5年がたっているわけです。その時の量的緩和解除の条件というのは「消費者物価が安定的にプラスになる」「一度解除した後でまたデフレに戻らない」「経済情勢、物価情勢を総合的に見て、それが健全であること」と言っている訳ですよね。多少曖昧で、この条件が本当にいい条件かどうか分かりませんが、問題はそれを公約した以上は逃れられません。
 牧野さんはこの条件が満たされたと感じますか。

イメージ 3牧野: 解除条件のうち、最大のポイントの「消費者物価の上昇率がゼロ%以上安定的に」という点から見ると、次第に視野に入りつつあると思いますが、日銀は、自然体で物価や景気動向などを十分に見極めながら判断すればいいんじゃないかと感じます。
 3月8日、9日に日銀金融政策決定会合がありますが、遅行指標の消費者物価の数字が、少し前のものなので、もう少し見極めが必要であり、この時期はまだ少し早いのではないかと。ただ、4月ごろは、大きな環境変化がない限り、1つのポイントの時期かなという気がします。
 基本的には、5年の長期にわたった量的緩和の副作用が経済の現場に出てきていること、その一方で、景気は回復過程に入ってきて、デフレスパイラルリスクということへの懸念材料がなくなっていることなどから、日銀は、金利機能を活用した本来の金融政策にギアチェンジすることに問題はない、と思います。
 ただ、自民党や政府の一部にある、デフレ脱却が確認されるまで量的緩和を続けるべきだ、という議論に関しては、日銀の金融政策判断のポイントは物価安定の目途が立つかどうかであり、デフレ脱却時点まで引き延ばす必要はない、むしろミニバブルの予兆など副作用が出始めた時には、金融政策面で機動性をもって対応すべきです。いずれにしても、自然体でいけばいいのです。

早房: 町田さんはどうですか?

町田: 私も何人かのエコノミストに話を聞いてみたのですが、牧野さんのおっしゃったところがエコノミストの平均的な意見で、「4月には解除ができる環境が整っているのではないか」と言うんですね。もう少し積極的な人たちは、「3月にでもやるべきだ」と。 
 私見はどうかと言うと、3条件にこだわりすぎるといけないと思っています。むしろ、それらに加えて、マーケットの状況を見るべきでしょう。東証が何度もシステムダウンを起こしたり、バブル期を上回る出来高を記録したり、株価が乱高下したりと、こちらは明らかに加熱を心配すべき状態にある。こっちも睨んで金融政策をする必要があると思っています。4月でも良いけど、3月ならばもっと良い状態にあると思います。

早房: 牧野さんから副作用の話がありました。これは具体的にどういうことでしょうか?

牧野: 大都市の商業地のマンション・不動産価格等を見ているとミニバブルの予兆を感じます。また行き場のなくなったお金が株の世界や高金利通貨へと流れ始めている状況を見ると、これはジャブジャブとマネーを供給する量的緩和政策の副作用が出ている感じがします。
 こういった状況では、金融政策面で、何処かで歯止めをかけた方がいいと思います。

早房: 株式市場の株価の高騰について基本的には海外からが中心ですが、これは実はゼロ金利のために逃げた日本のお金が外国人の手を経て、日本に来ているんだという話がありますが、町田さん、その点はどう思いますか。

町田: 外人買いの全部が日本からの資金の還流ということではないと思います。けれども一部には、日本国内で運用できなくて、外国で外国人のファンドマネージャーにまかせて運用しているお金もあるはずです。外国のファンドマネージャーは、グローバルで運用していく際、多くのマーケットに分散してリスク回避していくわけですから、そういった形で日本に還流してくることも自然でしょう。
 そこで、牧野さんがおっしゃった「副作用」は重要です。「副作用」を放置したままで、量的緩和解除を遅らせていくようですと、外国人投資家が日本の金融政策は機能していないのではないかと不安を持ってしまう可能性が高くなってしまいます。こうした面からも、量的緩和を終了すべき時期が近づいていると思います。

2006年前半の景気展望と株価の行方
イメージ 4早房: 量的緩和の周囲の話をしたいのですが、経済情勢については今日、発表された昨年の10−12月期の経済指標で、成長率が実質年率5.5%に達しており、鉱工業生産も史上最高だとのことですが、経済情勢について今年前半をどうみるかが一つ。
 それから、株価もこれだけ高いですから、株価が頂点に来ているとすれば、量的緩和を解除した途端にドスンと下がると言う可能性もないわけではない。つまり株価が頂点に来ていると見るかどうか。

牧野: 確かに、実体経済の動きをみると、間違いなく景気回復過程に入っています。企業収益は、大企業製造業を中心に非常に良いですよね。それに支えられて投資家の株式投資も進み、株価が上昇しているというところもあるのですが、民間設備投資に意欲的なものが出始めてきているのが大きいです。
 それから個人消費だって、しっかりした足取りになっています。もちろん成熟社会のもとで、モノ余りの状況があり、旺盛な消費需要という格好ではないにしても、企業の賃金上昇をきっかけに、企業収益が家計所得に移転し、それが消費の購買力増加につながってきています。
 原油価格の高騰や中国、アメリカ経済が抱える潜在的リスクといった不透明要因はありますが、内需主導の経済になってきていることを考えあわせると、景気後退リスクとかデフレスパイラルリスクが出ることは、ちょっと考えにくいように思えます。

町田: 二つほど補足しておこうと思います。
 まず内需に関して。これは終わってみないと分かりませんが、春闘で久しぶりにベアをしようという、個人消費にはプラスの話が出てきています。また企業収益で言うと、全産業ももちろんそうだし、過去10数年間、日本経済の一番のネックになっていた銀行の不良債権の問題が解消して、貸し出し先企業の倒産リスクに備えて積んであった準備金の取り崩しが可能になった。
 数日前でしたが、三菱UFJファイナンシャルグループが一兆円を超えるトヨタ並みの利益を出すというニュースがありました。もはや金融政策が従来のスタンスから離れて良いんだというシグナルに他なりません。こうした景気の好転のサインを無視していると、経済は過熱の段階に入っていくのではないでしょうか。

早房: 春闘で賃金が上昇する。正規労働者はそんなに増えないかもしれないけど非正規労働者は増える。その結果、賃金総額が増えるわけですから、実際のお金の量でも、心理的にも購買意欲がこれまで以上に出てくるとは考えられますね。
 ですから、この春闘がどういう形で収まるか注目したいですね。

量的緩和解除、株価へどう響く?
早房: もう一つお聞きしたいのは、量的緩和をした場合、金融市場への影響はどうなのかという点です。

イメージ 5町田: 先ほど外国人投資家のところでもお話しましたが、量的緩和解除をしないと「日本の金融政策は正常に機能していないじゃないか」ということがベースになると思います。量的緩和を解除したからといって、株価に悪影響が出ることはないんじゃないかな。 
 一方、個人投資家について言うと、郵便貯金が去年の10月から投資信託を個人向けに販売を始めているのですが、1月の18日と19日、ライブドアの家宅捜査で東証に売り注文が殺到しシステムダウンした時ですが、あの時に実は連続で1日当たり過去最高の販売を記録しているんです。
 そういうのを見ていると、個人の方も「株価が下がれば買いだ。割安になるなら、買ったほうが良いんだ」と強気になっているのが今のマーケットでしょう。
 この2つの面から見て、量的緩和を解除したから株価が下がると言うのは考えにくい。下がったら、むしろ買いが入ってくると思います。
 ただし、量的緩和解除の先、つまり、ゼロ金利が解除になり、長短期金利が上昇局面に入り、さらに、そのペースがあまりにも速いと市場が感じる場合には、前提条件が変わってしまいます。とはいえ、量的緩和の解除はやらないほうが、むしろマイナスだと考えていいと思います。

牧野: ライブドアショックの後の、全体の株価の戻しなどをみていると、少なくとも株価は底堅くなってきており、内外の投資家は、日本の実体経済の強さを見て、「買い」だと判断した結果のように思います。
 それに量的緩和を解除したからと言って、ゼロ金利という超低金利状態は続くのですから、株価には、大きく影響しないと思います。
 むしろ、若干、懸念されるのは、長期金利が弾みがついて上昇するかどうかというところでしょう。長期金利は、景気の先行きに明るさが出てくると、それを先取りして上昇する余地が出てくるでしょうが、問題は、マーケットが日銀の量的緩和解除を市場金利の上昇容認、それはそのまま金融引締め政策への転換、という受け止め方をすると、長期金利の上昇にまで波及するリスクが出ます。
 だから、日銀は当然のことながら、仮に量的緩和政策の解除後も、金融調節で市場金利を抑えながら今の超低金利を続けていくと思います。

日銀の量的緩和解除とその後の金融政策(中)は明日22日掲載予定です。ご期待ください。

日銀は「解除後もしばらくは低金利政策続ける」メッセージが必要−牧野 義司

イメージ 1牧野:大企業を中心に企業収益が決算のたびに過去最高益を更新という状況が続き、株価もダウンサイドリスクが薄れ上向きに転じていること、民間設備投資だけでなく個人消費も、企業収益の賃上げへの還元を通じて家計所得が戻ってきたことで消費も回復、といった、これまでの中国や米国経済に頼らなくても内需主導の景気回復になってきたことを考えれば、日銀が、消費者物価の見極めさえつけば量的緩和という緊急避難的な政策の解除を判断するのは、おかしいこととは思いません。
ただ、判断時点でのマクロ環境を見た時に、デフレスパイラルリスク再燃というのはありえないと思うけれども、もしアゲインストな変動要因が出てきて先行きに不安があると思ったら、僕はそこは慎重にすべきだと思います。
初めに量的緩和解除ありきでやったら、いろいろ反論が出るのは当然です。それは、かつての日銀ゼロ金利解除をめぐる政策判断ミスの学習効果があるわけだから、冷静に見たらいいと思う。
そこで、ポイントは、日銀は、解除判断が決まった際に発信するべきことは、「仮に量的緩和が解除しても今の景気動向から見たら、ゼロ金利を引き上げる状況にはない。これからもしばらくはこのままの低金利状況を続ける」というメッセージをはっきり言えばいいんですよ。つまり、マーケットの先行きの金利上昇期待を捨て切ることができればいいんですよ。

金融の調節機能を取り戻すためにも、金利を上げていくことは必要−町田 徹

町田:量的緩和とゼロ金利解除は同じではない、別だということですよね。
 ただ、もう一つここで言っておかないといけないのは、この5年間の異常な金融政策っていうのは、金利生活者のような、弱い人たちで金利をあてにしている人たちが実は犠牲になった政策だったということです。だから、それを放置した状態を続けるというのは、本当は政治的にもまずい発言のはずです。
 それと、まるっきりゼロ金利の方は放置して何もしなくてもいいかと言うと、私は、そうではないかもしれないと思っています。というのは、消費者物価指数がプラスに転じてくれば、実質金利のマイナス幅が広がっていくという事情があるからです。私は、ペースの問題はあるけれども、ある程度ゼロ金利から離れていく局面も割と早いような気がしています。さらに言えば、そこで(金融緩和を解除して、金利を)上げておくことが、再び利下げが必要になった時に下げる余地を作るという部分もあると思います。むしろ、現在、すでにミニバブルが出ているのですから、日銀が「消費者物価など3つの条件を重視します」と言ったことで、かえって出遅れることがないかと心配です。

イメージ 2早房:だからむしろ僕はね、ゼロ金利を止めておくということが、町田さんが言われたように、(金利を下げる)糊しろができるわけだから、将来に向かって重要な政策となると思う。同時に、もし、いま、ある程度金利を上げても、ぼーんと長期金利が上がるかというと、僕はないと思っています。
 というのは、なぜ財務省が金融緩和に対して反対しないかというと、それをちゃんと読んでいるからですよ。一時、非常に神経質になった時期がありましたけれども。

牧野:でも、谷垣さんなんかは一時期、記者会見では量的緩和政策解除に伴う長期金利上昇リスクに関して、非常にセンシティブになって、いろいろ言っていましたよ。

「金利上昇は年1%」が今の金融常識−早房 長治

早房:だけど今は全然違っているでしょ。だから僕は(金利が)上がったってせいぜい1年間で1%上がるのかなというぐらいが、今の金融常識だと思いますよ。

牧野:早房さんもご存知のように、日銀もつい最近、その問題でレポートを書いています。
つまり量的緩和を仮に解除した後、長期金利が跳ね上がるリスクがありうるかというと、意外とそうじゃないと。もう民間の金融機関も長期債にシフトしないで短期債もやったり、いろいろバランスをとりながらリスクヘッジをしていると。その結果として金利は大きく跳ね上がらないという内容です。

早房:そうそう。それが、民間も含めて今の常識になりつつあると。少なくとも現状認識としてはね。

イメージ 3牧野:だから、政治家がどういう思惑で言っているか検証が必要ですが、一つの問題はもし量的緩和をして金利が突然跳ね上がったら、住宅ローンを抱えている人あるいは中小企業の金利負担をたくさん抱えている人にとって大きなアゲインストになるということですよ。
 そのことは冷静に見極めなければいけない。しかし、一方でミニバブルの兆候が出ている時にそのバランスをどう見るか。
 僕は、冷静に今の状況を見ていると、仮に量的緩和を解除してもそんなに金利が跳ね上がることはないと思います。あとは、さきほど申し上げたように、日銀がはっきり金融引き締めに転じて市場金利の上昇を容認することなどあり得ない、と言えばいいのです。

早房:これで話は終わりますが、要するに、僕らは日銀の金融緩和の問題を常識的に考えればいいことで、特別にとんでもないことを考えたり言ったりする必要はない。逆に政治家に常識的に行動してほしいと。
 政治家だから政治的なことを考えるのはわかりますけども、経済というのは政治だけでやってしまうととんでもないことが多くて、その方が国民にとって被害が大きいですから。

牧野・町田:そうですね。

早房:今日は本当にありがとうございました。

日銀は政治の思惑を読み違えているように思う−牧野 義司


イメージ 1 牧野: たぶん、この12月に全国消費者物価は前年比でプラスになるでしょう。それからあと3ヶ月くらいたった来年の3月か4月時点で、経済全体に異変がなく、消費者物価も安定的にゼロ%以上と見込まれることが確認できれば、日銀は間違いなく量的緩和の解除をする、と思います。
 そういうことを見越して、福井日銀総裁は11月の記者会見で、「量的緩和政策は、デフレスパイラルに陥って経済が死んでしまうことを捨て身で防ぐ異例の措置であり、金利機能も殺してしまっている。消費者物価が安定的にゼロ%以上になると判断した時点は、そうした異例の政策を通常の政策モードに切り替える通過点だ」と発言したと思います。
 あとで議論になるかもしれませんが、僕は、量的緩和政策が4年半も続き、金融市場はじめさまざまなところに副作用が出ていること、とくに行き場のないマネーが大都市の不動産、マンション買いなどに向かってミニバブルを引き起こし始めていること、金融システム不安がなくなってデフレスパイラルリスクもなくなったこと――を考え合わせれば、日銀は量的緩和政策を解除するタイミングかと思っています。
 しかし、申し上げたいのは、日銀はもうマーケットも織り込んでいるし、メッセージも発信してあるから大丈夫だろうと見たのだけれども、自民党の中川政調会長らの日銀法改正までを持ち出して量的緩和解除をけん制した意味合い、背景、思惑を読み違えているんじゃないかという点です。軽く見るべきでない、と思います。これからどうやってマーケットに対してメッセージのし直しをするか。僕はそこがポイントか、という気がしますけどね。    

早房: しかし、日銀、すなわち、中央銀行の独立性の問題というのは、先進国の金融政策の中で非常に重要な問題だと思います。

牧野: もちろんそうですよね。

早房: この問題が非常にはっきりと表面化したのが70年代くらいからだと思いますけれども、アメリカとかヨーロッパのいくつかの国、イギリスから始まってフランスも中央銀行の独立性が強化された。ドイツは第2次大戦後、一貫して金融政策は中央銀行の専管事項とされてきた。日本は大分遅くなったけれども98年にやっと日銀法が改正された。
 その日銀の独立性というのはただ単に中央銀行が独立性を持てばいいということではなくて、それが、経済なり金融を安定的に運営する上でプラスにならないと意味がない。  
 98年に改正された日銀法はその独立性ということを非常に強調している日本で始めての法律なわけですけれども、この「独立性の重要性」を町田さんはどういうふうにとらえていますか。

(法改正発言は)禁じ手−町田 徹


イメージ 2 町田: 当然ながら「侵してはならないもの」。
私はワシントン特派員をやったことがありますが、FRBが利上げをしようとすると、やっぱりアメリカの議会でも、景気の判断の絡めて、まだ早いんだとか、インフレ懸念はないんだといった具合で、金融を引き締めることに対しての抵抗というのは強い。どこの国でも、いつの時代でも強烈に強いものです。その場合、そういう景況感から、議論をするというのはあり得ることだと思います。実際、(政府・与党サイドで)政治的には、いろんな配慮が働くこともあるでしょう。しかし、その牽制発言をする時に独立性を侵す、「日銀法を変えるぞ。言う事を聞け」というのはやっぱり禁じ手じゃないかというのが私の印象です。

早房: そりゃアメリカの議会だってまさかFRBの自由を奪うなんていう議論はないですよね。

町田: そりゃ絶対言わないですよね。

早房: 牧野さんはどう思いますか。

牧野: お二人の議論に全く同感です。いろんな経緯を経て日銀の独立性を確保したわけですから、日銀は十分その意味はわかっていますよ。政治もわっかっているはずと思いますけれどね。
 だから今、日銀は、政府に対して、物価の安定が最大の政策課題であり、デフレ脱却も当然、それにからむ問題であること、敢えて政府サイドや自民党に言われなくても、そんなことは百も承知で、政府の政策と整合性をとる必要があることは十分に承知していることーーをはっきりいい、あとは「私たちに任せてください」と言って日銀の独立性に対する尊重を求めれば十分です。
 さきほど申し上げたとおり、中川自民党政調会長らの思惑は、資産価格の引き上げを狙い、それによるデフレ脱却に弾みをつけるため、日銀法改正問題を引き合いに量的緩和政策の継続を強く主張する、ということだと思っています。一方で中川政調会長らが主張する歳出削減による財政のスリム化も、下手をすると、大胆な規制撤廃による需要創出などを進めない限り、経済に対してデフレ要因になりかねない。そこで、量的緩和継続で資産価格引き上げを図り、税収増を引き出すことで国債依存度も減らし財政再建へ、というのが政治の思惑でしょう。
 日銀は、政治の一部にある、これらのさまざまな思惑に対して、毅然として形で説明責任が行えるように、量的緩和解除に至るメッセージを発信すること、とくに政治だけでなくマーケットにも、それに行政府に対しても、発信すること。それが政策の透明性があって、納得できるものであれば、日銀に判断を委ねたことは正しかった、ということになり、結果として、日銀の独立性も確保できると思います。

日本の政治家たちは「勉強不足」。先進国の経験に学ぶべき−早房 長治


イメージ 3 早房: 僕は日本の政治家について思うんだけれども、日本の政治家は先進国の中でもアメリカやヨーロッパと非常に違うのは、「歴史を勉強していないこと」。
 要するに欧米で政治のリーダーになろうと思ったら歴史を勉強しないとなれないわけ。歴史を勉強していない人をリーダーにしないから。だけど日本っていう国はそういう人が不思議とリーダーになれるわけですよね。
 僕はこの中央銀行の独立性についても、政治家に金融政策を決めさせちゃうと、選挙から強い影響を受ける政治家の都合のいいように金融政策を変えてしまうので、やっぱりそれは中央銀行に任せたほうが長い目で見ればよかったんだという経験則から、中央銀行の独立性というのが70年代ごろからはっきり出てきているわけです。だから、日本の政治リーダーが、先進国における長い間の経験則に基づいた判断ということをどうしてわからないのかと、僕は不思議でしょうがない。勉強不足もいいところだと思いますね。

牧野: でもね、中川自民党政調会長だって、もとは日経新聞の記者だったし、竹中総務相だってもとは経済学者として十分に日銀の独立性、つまり金融政策が政治などに対してインディペンデントな立場で物価の安定をめざすべきだというのはわかってるはずですよ。
 要は、谷垣財務相ら財務省が懸念する量的緩和政策の解除で金利上昇期待がマーケットに出る、これが景気にネガティブに働くことを防ぎたいと。そこは中川自民党政調会長も同じ意識なのでしょうが、中川政調会長ら政治の側の意図は、だから、量的緩和を続けさせ、資産価格を上げて、今の景気状況をそのまま温存したい。そして消費税率の引き上げなどの時にできるだけ先送りしたい、と。
 今のままの状況だったら、多分2年後の参院選を迎えた時に、政治にとってはネガティブですよ。それはポスト小泉の政権にとってはしんどい。だから、その時点で経済に問題が起きないように、日銀に我慢させようという政治の思惑ですよ。
 それは、日銀の独立性の問題とは明らかに違いますよ。

早房: いや、それはわかりますよ。わかるんだけれどもさっき町田さんが言ったようにね、中央銀行の独立性を否定するってことを言うのはね、禁じ手なわけだ。

町田: そこは牧野さんも全く同じで、なぜそこを敢えて言ったかっていう点で、政治的な立場があったというところまでは、この3人の認識は一緒でしょう。では、政治的な狙いが何なのかというところでは、少しニュアンスが違う感じはありますけれども。

早房: それは相撲で言うとね、マゲの中に手を突っ込んだらね、いくら勝ったって負けなんだから。それに近いことをやってるわけ。

町田: そうですね。それから東京市場に入ってくる外国人投資家は、当然独立しているはずの中央銀行を日本が持っていて、適正な金融政策が運営されるはずであるという前提で入ってきているわけです。
 もし、このまま本当に日銀が屈して、量的緩和もゼロ金利も何もできずにいって、(金融緩和解除の)タイミングを失するようなことがあれば、日本の金融政策が信任を失って、お金が全部海外に逃げていってしまう。そうすると、相場も景気もまた元の木阿弥になってしまうわけですから、そういう意味ではやっぱり日銀は惑わされずにきっちりやるべきだろうと思います。
 で、まさに牧野さんがおっしゃるように、なぜ今やらなければならないかを、いかに理路整然と説明して、政府・与党を押し切っていただくかということになりますよね。やはり、解除は避けられないこと、必要だなあという印象ですね。

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
blognews2005
blognews2005
非公開 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

過去の記事一覧

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

花王ニベアクリームをお得に購入
マツモトキヨシで使えるクーポンが
当たるチャンス!<Yahoo! JAPAN>
衛生対策製品クレベリンの姉妹ブランド
クレベ&アンドハンドジェルが新登場
今だけ。お試しキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
10/31まで秋の行楽キャンペーン実施中

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事