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第4回目は、6日、公明党・北側一雄幹事長を迎え、Channel Jスタジオで行った。インタビュアーは、川戸惠子・TBS特別解説委員。 冒頭、川戸氏は「公明党は、平和の党というイメージがあるが、そのイメージギャップについて伺いたい」と切り出した。 同党の安全保障環境に対する認識や防衛庁の『省』昇格など、与党として自民党と足並みを揃える公明党の考え方を、課題毎に一つ一つ質問した。 インタビューは3回に分けてお届けします。 しかし一方では、集団的自衛権の問題と結びつける人もいるので、なかなか難しいのではないか。 北側: 私は安倍総理の発想に賛成だ。こういう問題は、抽象論で観念的な議論をしても仕方がない。やはり個別具体的な事例に即して、この場合は憲法で許されている個別的自衛権の範囲なのか、逆に禁止されている集団的自衛権の行使にあたるのかあたらないのかという議論をしていくことはむしろ大切なことだ。 <「個別的自衛権」で対処可能 > 川戸: 後援団体の創価学会などから反対があるのではないか。 (個別具体的に議論をすることは)どうしても、右寄りの方向に向かうのだというイメージを持たれてしまうと思う。 北側: 政府の統一見解が変更されるようなイメージになっているのがよくない。 私の感覚では、今言われている事例はかなりの部分、個別的自衛権で対処できるのではないかと思っている。 今までは観念的な議論が多くて、事例を個別具体的にきちんと議論されていなかったのではないか。今、大いに議論すべきだ。 < 憲法9条は残す。自衛隊の存在、国際貢献は規定を > 川戸: 安倍総理は、6年間の任期内に、憲法・集団的自衛権をもう少し変えたい、という感が当然あると思うが、憲法改正について公明党としてどう考えるか。 北側: 憲法改正については今まさに議論している。私共は「加憲」。9条については1項(戦争の放棄)・2項(戦力の不保持)は残す。したがって、集団的自衛権を新たに認める規定はいらないと考えている。 ただ、今は憲法に何も触れられていない自衛隊の存在や役割、国際貢献については、大事な国の基本政策なので憲法で規定していくべきだと考えている。 < 国民投票法案、与野党で幅広く合意形成を > 川戸: 改正のためには、まず、今国会で審議している国民投票法案を通さなければならないが。 北側: なんとか通したいと考え、与野党で協議している。 憲法に関わる問題は、与党だけでやるという話ではない。民主党も含めてなるべく幅広く合意形成をしていくことが大事だと考えている。 < 核武装は論外、「非核3原則」は日本の安定した政策 > 川戸: 北朝鮮の核実験のおかげでいろいろな議論が飛び出したが、その中で一番大きかったのが、「非核3原則について話しあいたい」という中川昭一・自民党政調会長の発言。これは内外に大きな波紋を起こしたが、これについてどう考えるか。 非核3原則は我が国の安定した政策になっていると思うし海外からもそのような目で見ていただいている。また、我が国は、日米安保の下、アメリカの核の傘によって核抑止力を働かせている。かつ、日本は現在、大量のプルトニウムを保有しているが、これはNPT(核拡散防止条約)体制の下「平和利用」ということで認められている。 「日米安保とNPT体制の中の日本」という基礎を覆してしまうような議論というのは、するのは自由だが、然るべき人が発言するのは誤解を生む可能性があるので、そこは気をつけないといけない。 川戸: そうするともちろん核武装なんて論外ということですね。 北側: 全く論外だと思う。 川戸: 海外でも核武装は論外という声が多いですよね。 北側: まずアメリカとの関係が不安定になるのではないか。そして近隣のアジア諸国が「じゃあ自分ところも」という話になりかねない。 日本は技術も金もあるので、その気になれば(核兵器を)すぐ持てるということはみんなわかっている。だから、発言には慎重であってもらいたい。 (坂西 雅彦) ※〈3〉「在日米軍再編」と「防衛庁の『省』昇格」へ続く |
日本の安保・防衛「国をまもる」
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第4回目は、6日、公明党・北側一雄幹事長を迎え、Channel Jスタジオで行った。インタビュアーは、川戸惠子・TBS特別解説委員。 冒頭、川戸氏は「公明党は、平和の党というイメージがあるが、そのイメージギャップについて伺いたい」と切り出した。同党の安全保障環境に対する認識や防衛庁の『省』昇格など、与党として自民党と足並みを揃える公明党の考え方を、課題毎に一つ一つ質問した。 インタビューは3回に分けてお届けします。 〈1〉現在の安全保障環境と、北朝鮮の核実験実施川戸: 私たちのイメージだと、公明党は「平和の党」なのだが、イラクへの海外派遣や防衛庁の『省』昇格などに賛成した。そのイメージギャップについて、まず伺いたいのですが。北側: 我が国の安全保障の根幹は、日米安保体制と国連中心主義の2つ。そういう原則に従った判断をしている。 < 日本の安全保障を今、冷静に議論すべき > 北側: 戦後、我が国の安全に対して直接の脅威となりうる事態は、幸いにもそんなになかった。そんな中、日本の安全保障論議が必ずしも実りある論議ができなかった時期があるのは確か。 安全保障は大きなテーマだから、現在そういう事態に直面している中、冷静に論議をしていかなければならない。 < 公明党は、世論を大切に、国民の一歩先を進んできた > 川戸: 公明党の中でも論議が行われているのか。 北側: 私が国会初当選した平成2年、湾岸戦争の90億ドルの支援も我が党は賛成している。その翌々年のカンボジアへのPKO派遣も、当時は野党であったが我々は賛成した。 川戸: 確かに「平和の党」の公明党が他党に先がけて賛成をするとみんな安心するという面もあった。 北側: そういう意味で多くの国民がどう感じているかを大切にしながら、その一歩先を進んできたと思っている。 北側: 7月5日のミサイル発射、10月9日の核実験という2つの事態が連続して起こった。そんな中、対話と圧力の、圧力の面を強めていくのは当然のこと。 しかし一方で、対話の道も閉ざしていない。6ヶ国協議の再開の努力をしているわけで、対話と圧力の両面がある。 (坂西 雅彦) ※「〈2〉『集団的自衛権』と、『核保有論議』」へ続く |
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第3回目は、自民党・中川秀直幹事長にご登場頂いた。造反議員の復党問題が佳境を迎えた27日、自民党本部で、20分余り、岸井成格・毎日新聞特別編集委員のインタビューに答えた。 現在の安全保障環境については、安倍総理の訪中・訪韓が対話と圧力路線の推進・強化に結びついている現状を評価した。核保有論議についても、世論を誘導する意図は全くないときっぱり否定。核保有した際の弊害を明解に上げた後、非核3原則堅持を明言したことが注目された。 インタビューは3回に分けてお届けします。 岸井: 沖縄知事選、勝利ということでほっとしているでしょうし、沖縄県民の感情も変わってきたと私も思っているが、そうは言っても、普天間基地移設の問題、日本全体の再編に伴う基地の問題は、これからが大変だと思う。どう進めていくおつもりか。 だからそういう中で、イラク復興支援のための自衛隊派遣と同様、今度の在日米軍再編は「アメリカ依存の終わりの始まり」だと受け止めている。 沖縄の基地負担が目に見えて軽減されるということだけは間違いない。しかしそれと同時に米軍のプレゼンス(存在感)が持続的に効果的なものでなければ、日本の安全に関わる。これをしっかり確保することも日本の国益にかなっていること。 アメリカも民主主義国家。もし過度な孤立主義になった場合、アジア太平洋の平和はどうなるのか。今回の米軍再編合意は、国際社会、日本の国益など全体を考えながら、アメリカが過度の孤立主義に陥ることがないことを確認したものでもある。 < 沖縄県知事選勝利、県民が「新しい選択」をした結果 > 中川: 沖縄について言えば、100年に1度の大変革なわけだから、これを活かして自ら白地のキャンパスに絵を描くように、沖縄が「平和な島」でまた「北東アジアの十字路」としてシンガポールのような存在になって、多くの人たちが来れるような島になればと思う。 ただ、安保反対、自衛隊反対、と言っているだけでは何も変わってこなかったわけですから、(沖縄知事選では)むしろ、「この現実的な対応の中で新しい『美ら島(ちゅらしま)』を作っていこう」という我々の訴えに対して、県民が新しい選択をしたのではないかと思っています。 岸井: ただ基地問題の解決には党としても相当まだまだ汗をかかなければいけない部分が多いのではないか。 中川: もちろんです。 < 『省』昇格で、「真の文民統制」。今国会で成立させる > 岸井: 最近、民主党が条件付きで容認という方向を出したようですが、『省』昇格問題の見通しはいかがでしょうか。 中川: 何よりも、昇格で「文民統制の強化につながる」と私は思っている。戦時中の日本軍部は政治の統制も参謀本部の統制もきかなくなって勝手な暴走をして自滅したと思う。戦後の日本はそういう反省の上に成り立っている。 しかし、戦後の文民統制はというと、私個人の見方では、財務当局出身者が防衛局長だったり次官だったりと、お金で自衛隊を縛るという発想だったように思う。これは真の文民統制とは言えない。 むしろ大事なことは、戦略の企画立案の部門において、国民の代表である政治家が文民統制をやっていくこと。 エージェンシー(Agency)、今までの『庁』は、世界の常識的な位置づけで言うと、企画立案部門は持っていない。まさに執行部門。 『省』になることによって、企画立案部門を国民から選ばれた政治家がやっていくことが本当のあり方。今までは業務執行部門と総理大臣だけだった。考えてみると「誰が戦略を立てていたのか。米軍がしていたのかあるいは制服組か」ということまで言われかねない状況だった。今度、デパートメント(Department)、『省』になることでいい方向に行くと考えている。 民主党の中にもかなりそのような意見があって、今度は賛成論が出てきたのではないか。我々は今国会で必ず成立させる。 【 中川秀直・自民党幹事長インタビュー・了 】 |
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第3回目は、自民党・中川秀直幹事長にご登場頂いた。造反議員の復党問題が佳境を迎えた27日、自民党本部で、20分余り、岸井成格・毎日新聞特別編集委員のインタビューに答えた。 現在の安全保障環境については、安倍総理の訪中・訪韓が対話と圧力路線の推進・強化に結びついている現状を評価した。核保有論議についても、世論を誘導する意図は全くないときっぱり否定。核保有した際の弊害を明解に上げた後、非核3原則堅持を明言したことが注目された。 インタビューは3回に分けてお届けします。 < 「非核3原則堅持」、検討機関不設置で理解を! > 岸井: 北朝鮮の核実験によって、核不拡散体制が壊れるのではないかという国際的な懸念。これについてはどう考えているか。 中川: 朝鮮半島の非核化は、6ヶ国のうち北朝鮮を除く5ヶ国の共通の思いですから、ただちに崩壊ということはないと思う。 ただ、日本がもし非核3原則をやめるということになると、完全崩壊するだろう。そういう意味で私は、「非核3原則は堅持」という安倍総理の立場を断固、支持している。また、政府と党は、正式機関として核武装の議論は行わない。 < 核抑止、北朝鮮には効果なし > 第2に、日本のように狭くて東京に人口や機能が集中している国は核抑止戦略に適しているのか。私は適していないと思う。抑止戦略というのは、どこかがやられても反撃するところが残っていたり、広い海洋から反撃できる(必要がある)。日本が広い海洋から反撃するといったら、核武装原子力潜水艦でも持たないといけないのだろうが、それ自体が核不拡散の放棄になる。 もう1つは、相手の指導者が「自国の国民が被害を受けてもいいよ」という国には通用しない。 岸井: 経済も、原発のことなど考えると、成り立たなくなる。 中川: 日本がもし核武装すると、ウランの入手は今までのようにはいかない。そうすると日本の3分の1を占める原子力発電のエネルギーの供給が止まる可能性もある。 そういう意味では、私はむしろ被爆国として、ミサイル防衛。百発百中で打ち落とせることに全資源と政策を投入していくべきで、その有効性が高まるほど、「“非”核の傘」を広げていける。 安倍さんも中国の胡錦濤・総書記に、「我々は(非核3原則を)堅持するけど、中国も約束の核廃絶・核軍縮をもっと真剣にやってもらいたい」ということを、APECで言ったようだが、そういう路線が正しいと思う。 < 「核保有論議すべし」の麻生・中川(昭)発言、首相の代弁では「絶対にない」 > 岸井: 幹事長に伺いたかった懸念は、北朝鮮の暴挙があって安全保障環境が変わったことがあるにせよ、麻生外務大臣、中川政調会長が「核保有論議をすべき」と繰り返し言った。 個人の意見としては自由だけれども、政府与党全体で考えると、それぞれの立場の重みというものがある。意見の真意を疑われたり誤解を受けたりするところはあるかと思うが、どうお考えか。 中川: 先ほど言ったとおり、政府の最高責任者は総理大臣。それが政府の正式機関として「しない」と言っている。党の最高責任者も安倍総裁で、党務を預っているのが幹事長の私。その二人が、「党の機関でも論議しない、非核3原則を堅持する」(と言っている)。それ以上でも以下でもない。誰が何と言おうと。 岸井: ここは我々の疑い深いところかもしれないが、安倍・総理総裁の言えない部分を、外務大臣や政調会長が代弁して、世論を誘導しようとしているのではないかと。 中川: そんなことはない。 岸井: 絶対にないと。 中川: ないです。現実にこれだけ取り上げられてもどこにも検討機関はできないし、議論の場は作っていません。 岸井: わかりました。そこは幹事長を信じます。 岸井: 同時に、最近ですが久間防衛庁長官が非核3原則について言及しているし、集団的自衛権の問題、こういう状況になってくると、戦後の特別な状況の中でとりわけ憲法との絡みでタブー視されていた部分に風穴が開き始めたのかな、それがまた現実的な論議として進んでいくのかなという感じを持たせるところがある。 1つは、「非核3原則堅持と、万一の時の対応は変わってくるのか」ということ。例えば久間長官は、万一そんな事態になった時に、非核3原則で「持ち込ませず」ということはありうるだろうか、ということを防衛庁長官として言っていますよね。 中川: 防衛庁長官の発言ではあるが、最高責任者の総理大臣が国会でも「堅持」と言っているわけです。当然その枠内の発言だと思う。マスコミとのやり取りの中での話であって、3原則を変えようという話では全くないと理解している。またそうでなければ内閣不一致になる。久間さんはそのへんを十分わかっている。 岸井: 集団的自衛権についてはいかがでしょう。 中川: 今は内閣法制局の見解で、国際法上では持てるが憲法では容認される範囲ではないということはまだ変わっていない。 ただ、いろいろなケースがある。例えば、日本が危急存亡の侵害を受ける恐れがあるときに船が並走していて、米軍艦船がやられている時に日本は何もしないのかと。これは「個別的自衛権としてできる」という答弁も中曽根さんの時にしている。 「それが個別的自衛権になるのか」というケースを勉強しておく必要がある、というのが総理の考えだと思う。 今、集団的自衛権を、勉強することなしに、憲法上の制約がある内閣法制局見解を変えるということではない。いろいろ安全保障環境も変わっている中であらゆるケースを想定して、何ができるのかできないのか、その研究をしようということに過ぎない。 ※「〈3〉在日米軍再編と防衛庁の『省』昇格」へ続く |
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第3回目は、自民党・中川秀直幹事長にご登場頂いた。中川幹事長は、造反議員の復党問題が佳境を迎え、多忙な27日午後、自民党本部で、20分余り、岸井成格・毎日新聞特別編集委員のインタビューに答えた。 現在の安全保障環境については、安倍総理の訪中・訪韓が対話と圧力路線の推進・強化に結びついている現状を評価した。核保有論議についても、世論を誘導する意図は全くないときっぱり否定。核保有した際の弊害を明解に挙げた後、非核3原則堅持を明言したことが注目された。 インタビューは3回に分けてお届けします。 < 対北朝鮮、対話のためにこそ圧力が必要 安倍外交の果実―日中韓の『朝鮮半島の非核化』確認 > 岸井: 北朝鮮が7月にミサイルを発射して、10月には遂に核実験に踏み切ったということで、安全保障環境は大きく変わってきているように思うが、基本的にどういうふうに認識しているか。 ポイントは、(北朝鮮と)陸路の国境線を持つ中国だと思うが、核実験直前に、日中首脳会談が行われ、日中双方が「戦略的互恵関係」ということで合意した。これはまさに北朝鮮の核を放棄させることは、日中共通の利益。また日本の拉致問題についても、日本の最も重大な関心事項だということも中国はよく理解した。成果を挙げつつある路線でしっかりやっていくことに尽きる。 安全保障全体で言うと、国際情勢の観点から重要なのは、テロリストという新しい脅威の台頭と軍事技術の発展、アメリカが今までとってきた前方展開戦略という3者のバランスをどうしていくかであると思う。 例えば、アメリカの前方展開戦略について言うと、世界中のテロリストが米兵を標的にしている。そして、軍事技術も発達してきているから本土からの展開で対応が可能になれば海外の米軍基地は段階的にさらに縮減していこうという方向にあると思う。99年のベオグラードの中国大使館誤爆事件、あのステルス爆撃機も米本土からの出撃だった。 そういう3者の関係をどうバランスさせていくかというのがポイントだと見ている。 < 核実験で状況変わる―日中韓、日米の理解と協力で「対話と圧力路線」実効的に > 中川: 6ヶ国協議、北朝鮮も最終的には出てくるとは思うが、関係国との強化にはつながっている。今までは日中・日韓首脳会談も行われていないし、中国も北朝鮮に一定の配慮をしているし、韓国も太陽政策で南北対話。なんとなく日本のほうが孤立しているような感じが多少あったが、今度は北朝鮮を3国が囲んでいるという方向になりつつある。 拉致問題についても、日本の重大な関心事項であるということを重く理解しているということが中国首脳からも言葉で聞かれるようになってきたし、戦略的互恵関係は北朝鮮の非核化が、日中韓三国の共通の利益である。特に日中についてはそうだから、戦略的互恵関係のテーマだと確認したことは大きい。 岸井: 小泉内閣では対話と圧力ということで、対話路線はかつての福田官房長官が体現して、圧力路線の代表が安倍さんのように見られてきましたけど、その流れで言うと、対話と圧力という政府の基本姿勢は基本的に変わってないということか。 中川: 基本的には変わっていないが、核実験までする段階になってきたわけで、状況が変わってきた。 だから、対話で成果を上がらしめるために圧力が必要だと。 あるいは、国際的な、日中韓、日米の理解と協力によって、対話と圧力路線を成果あらしめるものになってきているのではないか。 |






