ブログ版ききみみずきん

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新型(豚)インフルエンザ騒動に関して、政府もマスコミも総括しないまま年度が変わりそうです。
「大きな被害が出なかったんだから、もういいじゃない」という、うやむやにしたい雰囲気があります。

でも総括をしないと、今回のように従来の重篤度と同程度の感染症でも人権侵害のような騒動が起きるとか、重篤な感染症が発生しても「またあの時と同じ」とみんなが高をくくって被害が大きくなるという問題が起きるはずです。

総括の責任が一番大きいのは方針を決めた政府、次がマスコミ、マスコミ取材に応じた研究者、そして報道に振り回された私達だと、私個人は考えています。

ところが政府はこのレベルです。

新型インフル諮問委、記録残さず

夜中の大臣会見までやって記録が無いとは、「インフルエンザ・スキャンダル、厚生省の巻」の中でも一大スキャンダルなのに、マスコミもバツが悪いのか扱いが小さいです。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201002/2010022000211

舛添さんは最近も大臣の遅刻にあの時のように目を血走らせていましたが、本人は総括する気は全く無いのでしょうか?
新型インフル諮問委、記録残さず=首相に答申の専門家会議−非公開の10回検証困難

 政府の新型インフルエンザ対策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)に、国が採るべき方針を答申してきた専門家諮問委員会(委員長・尾身茂自治医科大教授)が、開いたすべての会議で議事録などの記録を残していなかったことが20日、分かった。
 実効性に疑問が残る空港での水際対策やワクチン輸入などは諮問委の見解に沿って実施されたが、決定に至る過程の検証は困難になる可能性が高い。
 諮問委のメンバーは、尾身委員長と感染症の専門家4人。新型インフルの発生を受け、昨年5月1日に初会合が開かれた。会議はすべて非公開で、原則的に開催自体が明らかにされていない。
 厚生労働省や内閣府の関係者によると、これまでに開催されたのは10回で、うち9回は前政権下で開かれた。同省側が対策の根幹となる「基本的対処方針」などの原案を用意し、委員に意見を求める形で議論は進められたという。
 5月は機内検疫や感染者の隔離措置など水際対策を主な議題に5回開かれた。6月は冬の流行拡大に向けて態勢を見直すため3日連続で開催。8月、9月は各1回で、外国製ワクチンの輸入や接種スケジュール、費用などの方針を検討した。
 会議には同省幹部らが同席したが、類似の会議とは異なり、議事録は作らず、発言は一切録音しなかった。残っているのは出席者の個人的なメモのほか、取材対応用に用意した数回分の議事概要だけで、どのような議論が交わされたのかが分かる資料は内部向けを含めて存在しないという。
 世界的に異例だった水際対策は、諮問委の「一定の効果があった」との評価で継続されたが、実際は潜伏期間の感染者が多数すり抜けた可能性があると指摘する研究者もいる。巨費を投じた輸入ワクチンは大半が余る見通しだ。(2010/02/21-02:33)
この記事には肝心な情報が抜けています
(1)「諮問委のメンバーは、尾身委員長と感染症の専門家4人」・・と書いてある、後の4人は誰なのか?
(2)「厚生労働省や内閣府の関係者によると」・・の関係者は誰なのか?
(3)「会議には同省幹部らが同席したが」・・の幹部は誰なのか?普通は同じ担当者が続けると思います。
(4)議事録を取らないと決めたのは誰なのか?
(5)「水際対策に効果があった」という報告書は「尾身委員長と感染症の専門家4人」の責任を持った共通見解として発表されたのか?
(1)はこの時期の他のニュースソースでも見つからなかったので、意図的に隠している?と勘ぐる部分もあります。でもこの4人と思われる人は夏くらいまで頻繁にマスコミに出ていたので、後日補足するつもりです。
(2)(3)(4)はさっぱり分かりません。
(5)は報告書を厚生労働省のサイトなどから探せば分かると思うのですが、掘り下げるのが難しそうです。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/
上記に関して情報をお持ちの方は教えて戴けると助かります。

ちなみに水際対策を否定するような以下の報告も厚生労働省から出ていますが、この「厚生労働省の研究班」は「諮問委のメンバー」とは違うのでしょうか?
http://mainichi.jp/select/science/swineinfluenza/news/20100227k0000m040056000c.html
新型インフル:帰国者対策重視で対応遅れ 厚労省まとめ

 新型インフルエンザの発生初期段階で、全国の保健所職員が平均で1人当たり計33人の帰国者の健康監視と、計180件の発熱相談に対応していたとの調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。渡航歴のある人への厳格な対策が人員不足を招き、結果として国内集団発生への対応が遅れたと総括している。
 昨年8月、全国510保健所に送ったアンケートの回答(回収率65%)から推計した。
 国は発生初期、発生国からの帰国者全員に最大10日の健康監視を続け、インフルエンザ症状が出た場合は保健所の発熱相談センターに電話するよう呼び掛けた。研究班によると、この結果、3000人の保健所職員が10万人の健康監視に当たり、5000人が10万件の発熱相談を受けた。93%の保健所は土日出勤で連日対応、6割以上が「医師や保健師の人数が不足していた」と回答した。【清水健二】
(毎日新聞2月27日)
毎日新聞は煽り記事を書き続けた末に自分の総括も出来ていないので、他人にもツッコミようがないとは思うのですが。

もう一つ、総括に必要な情報が抜けているニュースを紹介します。

日本は”今回だけ”低い死亡率?

医療関係者向けのキャリア・ブレインは当初より煽り色の少ない記事を出し続けているので参考にしていますが、この記事にはひっかかる点があります。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26370.html

論文で言えば「材料と方法」が一部抜けているとか、「ディスカッション」で「ここは論じるだろ」と思うところが抜けているようなひっかかりです。
低い死亡率、少ない妊婦患者―新型フル、日本は特異?
 ようやく峠を越えつつあるように見える新型インフルエンザ。日本での患者数は昨年11月末以降、ほぼ一貫して減少しているほか、WHO(世界保健機関)も世界的な大流行(パンデミック)が最悪期を脱したかどうかを検討するための緊急委員会を開く方針を固めた。そんな中、WHOなど関係者の間では、日本での発生状況をめぐる「謎」が話題となっている。
 WHOが昨年11月にまとめた資料によると、新型インフルエンザによる死者は人口100万人当たりでアルゼンチン14.6人、オーストラリア8.6人、米国3.3人、カナダ2.8人などとなっている。一方、日本は0.2人と飛び抜けて低い。
 入院したインフルエンザ患者の年齢層も、他国と日本では様相が少し異なる。WHOの調査によれば、最も割合が高いのは5歳以下の乳幼児で、他の年齢層の少なくとも2倍に上る。ところが日本の場合、最も割合が高い年齢層は5−9歳。昨年7月28日から今年2月9日までに入院した新型インフルエンザ患者(1万 7195人)のうち40.2%(6917人)を占め、次に多い1−4歳(3470人)の倍近くとなっている。
 さらに入院患者の中でも、特に目を引くのが妊婦の少なさだ。WHOなどの調査によれば、世界各国では新型インフルエンザの入院患者のうち7−10%を妊婦が占めている。ところが日本の場合、妊婦は昨年7月28日−今年2月9日の累計でも71人で、全入院患者(1万7195人)の0.004%にすぎない。
 このほか、他国では新型インフルエンザの流行が始まってからほどなくして千人単位の患者が発生したのに対し、日本では大阪や神戸で流行が始まった時期に確認された患者数が百人単位にすぎなかった点も、関係者の間では「よく分からない現象」として注目されている。

■高リスク者にウイルスが到達していないだけ?
 国立感染症研究所第一室の谷口清州室長は、こうした状況がなぜ日本だけで発生しているのかについては、はっきりとした理由は分からないとした上で、次のように指摘している。
「『日本では、妊婦や乳幼児など高いリスクを負っている人々に、まだ新型のウイルスが達していないだけのことではないか』と推測する関係者もいる。その推測が現実であれば今後、さらに感染が拡大する可能性が残されている」
(キャリア・ブレイン 2月15日)
この記事で抜けている、一番大切な情報は「これまでのインフルエンザでは、日本は他国と同じ程度の死亡率だったのか?」という点です。

日本での例年の季節性インフルエンザによる死者数は、直接にインフルエンザが原因とされる例で1000人くらいだったと記憶しています。死者は高齢者(肺炎など)や乳幼児(脳症など)が中心です。
これに対して「インフルエンザの患者数が増えた年に増加した死者数はインフルエンザが遠因である」という超過死亡数という概念があり、年によっては10000人くらいになります。季節性インフルエンザの致死率 0.1% という数値は超過死亡数を元に出していると思います。
しかし超過死亡数は本当にインフルエンザが原因なのか?という議論もあります。
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-rpd/00abst.html
http://www.sih.jp/news/kenkou/no28.htm

日本での季節性インフルエンザの流行に連動した死者数・超過死亡数とも他国と同じなら今回だけが特異なのですが、私は昔から日本のインフルエンザの致死率は 0.1% もないのでは?という印象です。
もし、季節性の A(N1H1)が 0.1% で、新型(豚)の A(N1H1)が私がざっと計算した 0.004% 以下なら、季節性が豚に押されて流行しなくなったのは有り難いという話になります(天然痘より牛痘の方が安全・・というジェンナーの研究みたいですね)。
でもどちらも同じ程度なら、今までと同じように高齢者や乳幼児を守るための対策が必要です。これらの集団にとっては高リスクの感染症ですから。

私は日本の致死率の低さは医療制度(国民のほとんどがどこの病院でもすぐに受診出来るのは世界でも希)と衛生状態・栄養状態の良さにあると考えています。ここ数年流行していた季節性インフルエンザはタミフル耐性が多かったので、タミフルの効果とは考えにくいです。
だから、昔からインフルエンザによる被害が他国より少なく、それが今回も再現されたのではないでしょうか。

総括というと、自分が責められそうだから避けるのかも知れないけれど、良かったところを確認すれば、他国にも有益な情報となりますよね。

総括なんて関係ない人々

「メキシコ人を集めてPCR検査をしろ!」「メキシコ人を強制送還しろ!」「語学研修を止めさせろ!修学旅行も中止しろ!」「学級閉鎖をしろ!」「アイツが感染源だ!」とブログなどに書きまくった人々の多くは、すっかり忘れたように他の記事を書いていますね。

彼らは最初から総括する気などないのでしょう。
そういった記事を書く人は批判するネタを見つければ、脊髄反射で食いつくだけで、今は別のネタに食いついているようです。次の騒動でもそんな人々の雑音は無視して良いと思います。

「時事問題(科学系)」書庫の記事一覧

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ある検証に協力した。
http://phi.med.gunma-u.ac.jp/flu.pdf

>季節性インフルエンザはタミフル耐性が多かったので、

これは、誤解を招きます。 現行のA/H1N1ではと、記載してください。

野また、季節性が豚の表現も、正確性にかけます、現行のインフルエンザは、豚さん由来です。

2010/3/5(金) 午前 10:24 [ おみぞ ]

おみぞさん、情報有り難うございます。

おみぞさんが紹介された
「新型」インフルエンザ対策の公衆衛生学的視点(中澤先生@群馬大)
http://phi.med.gunma-u.ac.jp/flu.pdf
・・は西浦先生からも教えて戴いたので私は既に読んでいますが、社会的な影響も含めて良い総括となっていると思います。
おみぞさんも分析に協力されたのですか?

>季節性インフルエンザはタミフル耐性が多かったので、

・・という部分は記事の字数制限ギリギリだったため表現を端折っていたのですが、「ここ数年流行していた季節性インフルエンザはタミフル耐性が多かったので」に直して他の文章を少し削りました。

>季節性が豚の表現も、正確性にかけます、現行のインフルエンザは、豚さん由来です。

すいません、この部分の意味は良く分かりませんでした。
どちらも A(H1N1)なので「季節性」と「豚」としか表現が分けられません。

2010/3/5(金) 午前 11:42 [ bloom@花咲く小径 ]

青木先生の「感染症診療の原則」というブログで紹介されていた「blogで振り返る新型インフルエンザ」も総括色があります。

青木先生の記事
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/2e03179633c69ee8024841f88413b587

ooyake さんの「blogで振り返る新型インフルエンザ」
http://itokazu.cocolog-nifty.com/ooyake/2010/02/blog-01d1.html

研究者や医師といった一個人(何の報酬も出ていないはず)が総括をしているのに、それで給料や研究費を戴いている厚生労働省の方々や諮問委員が総括をしないのは「イタダケナイ」と思います。

2010/3/5(金) 午後 1:01 [ bloom@花咲く小径 ]

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豚さん由来は、A型は、H1N1、H2H2。現在CDC研究所の冷凍庫保存、H3N1、H3N2がありますから。分けるなら、 A/Brisbane/59/2007(H1N1)亜型とA/2009(H1N1)pdm といいかたでしょうか。Swine Flu 、Novelの言い方は、現在、少なくなっていますし。

2010/3/5(金) 午後 1:09 [ おみぞ ]

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厚生労働省、結核感染症課の出した、症例定義にも大きな問題があります。 どこの、保健所も、積極的なPCRを、避けていましたし。

2010/3/5(金) 午後 1:21 [ おみぞ ]

おみぞさん、

>A/Brisbane/59/2007(H1N1)亜型とA/2009(H1N1)pdm
>Swine Flu 、Novelの言い方は、現在、少なくなっていますし。

う〜ん。見ての通り、ニュースは未だに「新型インフルエンザ」ですから、一般の方には分かりにくいのではないでしょうか。海外は今でもニュースなら「Swine Flu」だと思います(論文は違いますが)。
私のブログでは鳥と区別するために「新型(豚)インフルエンザ」と書いています。

症例定義の問題とはどのようなことでしょうか?
どこの保健所も医者も夏頃まではPCRどころか診察を避けたり、こっそり風邪として処理するという話も良く聞きましたね。

2010/3/5(金) 午後 6:52 [ bloom@花咲く小径 ]

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日本の新型インフルエンザとの呼び名は、感染症法の新型インフルエンザ等の指定からきていますから。 難しいところです。


症例定義は
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090429-03.html

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090513-01.html

東京都福祉保健局長
http://www.metro.tokyo.jp/SUB/PDF/no32.pdf

地方研PCR確認で、感染研でPCR確認で、確定でしたから。 5月22日以後は、地方研PCR確認で確定になりましたが。それ以後も、保健所は、PCRに積極的で、ないと臨床医からいわれていましたし。

2010/3/5(金) 午後 7:29 [ おみぞ ]

脊髄反射に笑ってしまいました!!
ほんと、そのレベルなのかもしれませんね〜〜〜

きちんと総括しないでうやむやで終わる、日本社会らしい「あいまいさ」は今後の命取りになる可能性もあるわけで、そのあたりをあいまいにすることへのリスクをちゃんと考えてないってことがすっごくイヤですね。

2010/3/5(金) 午後 8:52 まり

まり先生、騒動の中で辟易としたのは「うつしたらどうしてくれる!」というヤクザの言いがかりみたいな雑音でしたね。

誰が感染してもおかしくないし、感染したらうつす側に回る・・という当たり前のことが分からない人がいて、「あんたはそんなにクリーンな環境で生活しているのか?SPF豚か?」とホントに嫌になりました。

ここで思いっきり声を上げないと、本当に総括しないと思うので、久々に新聞投書でもしようかと考えています。

2010/3/5(金) 午後 11:28 [ bloom@花咲く小径 ]

SPF豚にまたウケてしまいました〜!!

新聞投書、ぜひしてください!
で、新聞名は?! 期待しています。

2010/3/6(土) 午後 11:20 まり

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報道は、やめたほうが良いのでは、西浦さんみたいに、都合のよい部分を、引用されるだけかも。

SPF豚さん、は、設備投資、維持管理に多額のお金がひつようですからね。 それに、病気に弱い。 深窓のお嬢様と言うのも、近年はやりませんし。

2010/3/7(日) 午前 10:56 [ おみぞ ]

おみぞさん、新聞投書は掲載前に確認が入るので大丈夫です。社説もたぶん大丈夫。過去に新聞取材を受けた時も、原稿の最終チェックをしたので、自分の意図と違う内容にはなりませんでした。

まり先生、果たして掲載が決まったとしても、新聞名を書くとモロに身元バレするのでご容赦下さい。今は投書という形ではなく、特集記事という形にならないか働きかけてみようかと考えています。

2010/3/7(日) 午前 11:57 [ bloom@花咲く小径 ]

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