ブログ版ききみみずきん

8月中には近況報告の記事を書こうと思っています

全体表示

[ リスト ]

授業で放射線リスクに触れることに

私は非理系学生向けの生物学入門の授業(オムニバス形式)の仕切りをしていて、遺伝学の講義を数回担当しています。
「生物学はこれから様々なリスクが煽られる時代を生き抜く上で必須の学問です」とガイダンスで話した通り、講義で社会の関わりを伝えることを心がけています。
ガイダンス時に生物学に関連した興味のあるニュースを聞いたところ、やはり放射能が質問に上がりました。

例年、遺伝学では DNA の塩基情報の変化や染色体の組換えによって癌化や進化が起きるメカニズムにも触れています。
そこで、今年は放射線リスクを考える上で必要な知識として DNA 損傷と DNA 修復について扱っています。

知識不足が背景にある断定口調

3月の原発事故以来、「5 mSv/年では子供がモルモットにされる!」と文部科学省に詰め寄る母親のニュースや、「福島で数万人が癌死する」「放射性物質が付着した昆虫が飛んでこないように殺虫剤を撒くべき」といったブログ記事を見てきました。

でも私は「5 mSv/年の放射線量が自然に存在する地域があったのでは?」「放射性物質による DNA 損傷は殺虫剤より深刻だっけ?」「そもそも、ある程度の DNA 損傷は修復出来るよね?」などと疑問に思っていました。
私は実験系生物学者なので、放射線に関する知識はそれほどありません。
しかしインフルエンザ騒動と同様に、健康被害に至るメカニズムは理解出来るし、リスクを見積もる論文のデータや論理性の穴を見つけることは出来ます。
ただ、自分の勉強量が不十分なうちは断定的なことは言わないし、生物学的な話でも検討の余地がある部分はそのように書くスタンスです。

ですから上記の疑問はすぐには口に出来なかったし、放射性物質のリスクはチーム中川など責任と実績のある人に頼るべきで、自分が細かい解説をすべきではないと考えていました。
そして児玉先生の国会での発言が腑に落ちない(私の知識や論理と違い過ぎる)ので一仮説に過ぎないとはコメントしましたが、科学的な議論は私より専門に近い人がすべきだと考えていました。
しかし社会科学者はしょうがないとして、物理系・化学系・地学系の「見た目理系」の研究者が「(1)低線量被爆の影響は生物学者も良く分からないので、将来色々な被害が出ることが推測されます」とか「(2)子供は特別に放射線に弱いです、(3)なぜなら細胞分裂時に DNA が損傷するからです、(4)DNA が一本鎖になるから損傷するのです」などと断定的な解説をすることに危機感を持つようになりました。

ネット検索で放射線生物学に関する情報も十分に得られる状態なのに、「そこまで分かってる?」「そんな理屈でしたっけ?」と私が自分を疑うほど理解がズレているんです。
ちなみにこれらの記述は(2)以外は以下のような理由で間違っています。

(1)「低線量被爆の影響は良く分からない」は研究者が少ないという意味ではないです。1945 年の原子力爆弾や 1960 年〜1980 年代に盛んだった核実験、1986 年のチェルノブイリ原発の影響を論じる論文は多数ありますし、宇宙進出(宇宙の放射線量が高いから)や医療技術(放射線治療などの影響をはかるために)も目的として細胞や動物を使った実験は多数行われ、被爆した人の健康調査も長期的に続けられています。ここから高い線量の被爆で見られる健康被害のうち、癌の発生は 100 mSv 付近まで線量を下げてもわずかに有為差があると推測されますが、それ以下では差が見えないのが主流学説です。「見えない=無い」とは言えないので低線量でも癌が増えるかも、癌以外の害があるかも・・と研究を続けている人はいるし、「チェルノブイリ膀胱炎」などの説もありますが、今のところ科学的なコンセンサスは得られていません。逆に「ホルミシス効果」を実験的に示す論文もあります。つまり、かなり研究されているがリスクがはっきりしないということで、「分からない=将来恐ろしいことが起きる」ではありません。
http://www.denken.or.jp/jp/ldrc/information/result/paperL.html

(2)動物実験では受精卵〜胎児〜子供の方が成体より感受性が高く、個体に照射した場合では未分化で増殖率の高い組織が感受性が高いです。ちなみにこのような実験で使う放射線量は3月以降に増えた野外の放射線量よりかなり強い線量です。感受性が高くなる原因が DNA 損傷で説明出来るのか?という点は十分に解明されていません。

(3)(4)DNA 損傷は分裂期以外も起きるし、二本鎖にも起きます。DNA 複製時にはすぐに二本鎖が形成されるので、教科書の図ほど露出していないと思います。
放射性物質による健康被害を考えるためには、DNA 損傷に始まる細胞から個体までの影響に関する生物学的な知識が必要です。
今存在する放射性物質のリスクを考えるためには、地球上に存在する放射性物質の種類や量に関する知識が必要です。

私が自分の不勉強を自覚しているのはある程度の知識があるからで、知識が無さ過ぎると自分が不勉強であることさえ分からないのかな・・と断定口調の記事を見る度に思います。
私もエネルギー政策や教育学や政治について語る時に同じ間違いをしている可能性は大きいです(そういう自覚は以前からあるので断言を避けますが)。
「見た目理系」の科学者がそういうレベルだと、一般人は知識の土台が無い脳内に真偽不明の情報を積んでいる不安定な状況なのかも知れません。

DNA 損傷は今回の騒動をきっかけに勉強する人が増えたようですが、DNA 修復については良く知られていない印象です。

授業で扱った DNA 損傷と DNA 修復の基礎知識

私が授業で触れたのは以下のような内容です。
(A)DNA は紫外線・化学物質・活性酸素・放射線(宇宙線や自然界の放射性物質)などの DNA 傷害剤で切断されたり化学的な変化を起こす。紫外線ならピリミジンダイマー形成、放射線なら DNA 鎖切断など傷害剤の種類によって損傷の種類は異なる。

(B)紫外線などの外的要因とは関係なくDNA 複製時のエラーにより変異が起きることもある。しかし真核生物のDNA 複製は校正機能があるため変異率は低い。

(C)生物は様々な DNA 修復機構を持ち、DNA 損傷のほとんどは修復される。また、ゲノム DNA のうち遺伝子コード領域は一部なので、損傷が遺伝子の変化に直接つながる訳ではない。さらに、生体内では遺伝子の発現に異常が起きた細胞を排除する機構も働いている。

(D)細胞内では1日あたり 10 の4乗の塩基の変化や1本鎖切断、10 個の二本鎖切断が起きているが、ほぼ全てが修復されていると考えられている。これは個体内ではなく細胞一つずつの話で、ヒト一人の体の中では毎日 10 の 12 乗の二本鎖切断が起きているという見積もりがある。

(E)被爆による1日当たりの二本鎖切断の頻度は、20 mSv/年くらいまでの線量だと細胞あたり約 0.001 個〜 0.1 個の見積もりが主である。喫煙はこの範囲の放射線より深刻な DNA 傷害を起こすと考えられている。
上記の出典は田村隆明「分子生物学超図解ノート」(2011 年)・近藤宗平「人はなぜ放射線に弱いか」(1998年)や以下のサイトです。
http://asrc.jaea.go.jp/soshiki/gr/mysite5/index.html
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-02-06
http://www.iips.co.jp/rah/kangae/lowdose/ganni_s.htm
http://www.atomin.go.jp/reference/radiation/body/index04.html

ここで非生物系の方々に質問です

私が授業で扱った内容は大体ご存知だったでしょうか?
私は9割は昔の知識の通りでしたが、具体的な数値など新たに知ることも多かったです。また、代表的な論文を読むことで大まかな研究の流れを把握出来ました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/13615306
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10792040

非理系の学生達には外部被曝と内部被曝を分けずに、まず、放射線による DNA 鎖切断が日常的な DNA 傷害の一種であることと、DNA 修復が日常的に起きていることを理解する事を目的としました。
説明の足りない部分があったら次の授業で補足するつもりなので、アドバイスをお願いします。

「低線量被爆による DNA の切断率はもっと高いはず、相対的に放射線による損傷を低く見えるように解釈を曲げている」とか「低線量被爆は DNA 損傷だけではなく、別の経路で深刻な被害を起こすはず」などの仮説をお持ちの方もいるかも知れません。

論理性があればその仮説を立てるのは自由だし、科学はこの先も発展しますから、主要学説が否定される日が来るかも知れません。
ただ、リスクを科学的に論じるためには、これまでの科学の成果を知る必要があるのです。
例えば農薬は化学物質ですからヒトで DNA 損傷を起こす可能性はあります。食品から入ってくる程度の量の農薬による DNA 損傷ならほとんど修復されるとは思いますが、福島の昆虫が死に絶えるほど散布した場合は、まずヒトの中枢神経系に傷害を起こす可能性もありますから、現実的な選択ではないのです。そもそも昆虫が持ち出す放射性物質の量は測定誤差レベルです。

さらに理系の方々に情報提供をお願いします

以下は私が授業の準備をする中で疑問に感じたことなので、情報をお持ちの方は是非教えて下さい。
十分な知識が無いうちは授業では扱いませんが、学生からの質問が出る可能性はあるので、調べておきたいのです。
1)DNA の修復系でまだ研究が足りないのはどの領域か
2)DNA 損傷が起きやすい部分はあるか?DNA 複製時はリーディング鎖はすぐに2本鎖になり、ラギング鎖も次々に連結されるのであまり露出していないがわずかな1本鎖は損傷を受けやすいか?。また、DNA が転写される時にも露出する1本鎖も損傷を受けやすいか?
3)DNA 修復系に異常を持つ疾患のうち、放射線による DNA 損傷に過敏な遺伝子型の疾患はあるか?(私が知っているのは化学物質と紫外線による修復系に異常のある疾患)
4)放射性カリウムと放射性セシウムのリスクは単純に量で比較出来るか?内部被曝は生物濃縮が起こりやすく、人体に取り込まれやすく、体内に蓄積しやすく、特定の臓器に集中しやすく、半減期が長く、排出されにくい核種だと野外に存在する量に比べて内部被曝が大きくなるが、この点において放射性カリウムと放射性セシウムの違いは何か?セシウムのみが関与する生化学的な反応は存在するか?
5)カリウムは必須元素なので普段の食事で新たなカリウムと置き換わるが(ただし放射性のカリウム40も一定量摂取することになる)、セシウムはセシウムを摂取しなくても排出されるか?
上記の疑問は安斎育郎「からだの中の放射線」(2011年)や中川恵一「放射線のひみつ」(2011年)でも良く理解出来ませんでした。
この授業の担当はあと何年も続くし、たぶん他の入門者向け授業の担当も増えるので、アドバイスお願い致します。

この記事に

閉じる コメント(153)

icchou さん、やぁどさん、物理と数学の弱い私を助けて下さって有り難うございます。

icchou さんのブログで、体内や食品から検出されたセシウムの量を放射線量から換算する方法を教えて戴きました。やはり多めに見積もってもカリウムの方が8〜10乗多いようです。

そうなると、「セシウムそのものの毒性で死ぬ」とか「セシウムがカリウムが関与する代謝系に割り込んで阻害することで悪影響を及ぼす」などの仮説は成立しづらいと思います。

「セシウムがカリウムよりターゲットとなるタンパク質などに親和性が高い(10の5乗以上の結合定数は必要かも)」などの条件があれば「セシウムはカリウムに似た挙動をするけれども、一度結合したら解離せずに体内に留まって悪影響を及ぼす」という仮説は成立するかも知れませんが、そうい話は聞いたことがないです。

やぁどさんのお嬢さんにも宜しくお伝え下さい。
東北の生物系の研究室はサンプルを失ったり大打撃でしたが、皆さん頑張ってらっしゃいます。

2012/1/25(水) 午後 8:57 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

セシウムの化学毒性は、133も134、137も同等のはずです。

133の化学毒性は、ラット等で検証されていますが。 人の体内にも133は3から6mgは存在する言われています。
133を入れても134、137をくわえることで、化学毒性量に達することは無理では。 134、137の毒性は放射線ということで、ほぼ議論されていたはずです。 カリウムポンプ阻害にしても、体重1kgに133が0.00005mg存在しても、起こってないようですから。 削除

2012/1/26(木) 午前 8:13 [ omizo ] 返信する

omizo さんご指摘の通り、セシウムそのものの毒性は核種には関係ないですが、どう計算しても化学毒性量に達することは無理なんですよね。

私はこの遺伝学の授業に関連して何人かの学生から「国会で話題になったセシウムはどのように健康被害を起こすのですか?」という質問を受けたのですが、答えることが出来ませんでした。
私も授業前に気になって結構勉強したのに、当時の放射線量と化学毒性ではこれといって危険性を導く情報が得られなかったからです。

その時はとりあえず「勉強が足りないので断言は出来ないけれど、自分は危険だとは思っていない」と答えたのですが、これまでは授業に関連したことは大抵答えられるように準備していたので、自分のプロ意識としてはそのままに出来なかったんですよね。

だからこうやって勉強を続けているのですが、知識が増えるほどに「あの騒動は何だったの?」という気持ちになっています。

2012/1/27(金) 午前 1:09 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

参考情報の提供です。(ご存じかも知れませんが)

生物学的半減期モデルを用いた、毎日放射性セシウム摂取量からの体内放射性セシウム蓄積量推定
http://togetter.com/li/244663
この中に過去のセシウム137の摂取量や蓄積量のグラフがあります。
例えば、摂取量のグラフ(早野先生まとめ)では、1960年代前半で5Bq/日くらいで現在の福島と同じ、とか、体内蓄積量のグラフでは1964年に510〜560Bqくらい(原典はatomica:フォールアウトからの人体内セシウム40年の歴史)、など。

やぁどさん
私の記事へのお褒めの言葉、ありがとうございます。最近、更新ペースが鈍っていますが、このような一言を戴くと力になります。また、お立ち寄りください。
(システムの違いで設定が面倒なので、こちらの名前は、20を付けたまま、URLリンクなし、でスイマセン)

2012/1/27(金) 午後 0:25 [ icc**u20 ] 返信する

icchou さん、情報有り難うございます。
ネットは辛いことがたくさんあるけれど、自分の代わりに情報を集めて下さる方がいるのは助かります。

過去の体内のセシウム量に関しては別のブログ記事で紹介した安斎育郎先生の本が良く分かります。

40代後半だと0歳頃のセシウムの蓄積量は福島の人々のここ1年分と同じくらいで、それが10年近く続いた・・といった解説があったと思います。

「それでも健康なのだから大丈夫」というのが疫学的な分析になるのですが、「なぜ健康なのか」という理論を補足出来る方が皆さん安心するだろう・・と授業では DNA 修復について解説しました。
時間と勉強が足りなかったのでセシウムの体内動態は解説していません。元々、文系向けの授業なので、そもそも DNA が傷つくと何が起きるのか・・ということから始まり、DNA 修復機構があるということを伝えるだけで結構な手間がかかるんですよね。

2012/1/28(土) 午後 2:09 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

セシウムの存在量が微量過ぎて毒性が出るとは考えにくい、
放射性セシウムから推定される線量が自然界の放射性カリウムの線量より低すぎて被爆と言えるほどではない
・・というのは原発事故直後から言われていますが、「どれくらい微量なのか」「どれくらい低いのか」という数値が示される方がより多くの方が安心すると思います。

また、現在の放射性セシウムによって起きえる DNA 障害の頻度と、普段の DNA 修復能力が示せると分かりやすいだろうと勉強を続けてきたので、このブログのゲストさんの情報には本当に助かっています。

2012/1/28(土) 午後 2:11 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

自分の勉強用のメモです。
セシウムに関してはあらゆるリスクを想定してみたものの、それらを肯定するような情報源が見つからなかったので(ガセネタならたくさん見つかりましたが)、放射線による DNA の直接切断と間接切断について調べてみました。

直接切断と間接切断の比は1:3くらい?
http://asrc.jaea.go.jp/soshiki/gr/mysite5/index.html

間接切断の化学式はすぐ見つかるのですが、直接切断はランダムに切れるのかな?という程度の図しか見つかりませんでした。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09020206/01.gif

活性酸素による間接切断は上の方のコメントにも書いたように野菜不足やストレスなどでも増えるので、その上下幅に微量の放射線が加わったところで気にする方が体に悪いと私は考えています。

直接切断が他の DNA 障害より激しいダメージになるなら考慮すべきリスクになるかも・・あれ?でも、それは放射性カリウムでも起きますよね?
ちょっと話がループしたかも。

2012/1/28(土) 午後 2:14 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

放射線による DNA の化学変化はこのブログ記事がきれいにまとまっていますが、リスクの論じ方は同意出来ません。
http://scienceportal.jp/contents/guide/rikatan/1201/120110.html

また、この記事を書いた方の「30年間のトータル被ばく量は2mSv」というのは自然放射線(日本は年間 2 mSV だけど、海外はもっと高いし)を除外しても考えにくいです。
医療機関にも行かず(CT が数 mSv なので)、飛行機にも乗らず(0.2 mSv )・・という仙人生活?

私は研究業界に入ってからどれくらいかな・・リン・ヨウ素・硫黄・炭素あたりは使ったことがあるのですが、遮蔽ビンに入っているので、間違えて飲まない限りは大丈夫かも。それより飛行機に累積50回くらい乗って、手術もかなり受けているので、自然放射線を別にして累積 100 mSv くらいかも。

2012/1/28(土) 午後 2:44 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

受精後被曝で検索すれば、生物がいかに、強靭であるかわかります。
妊産婦(胎児)・小児に対する放射線影響に関する主な知見の整理

で検索ください・

胎児の被曝での絶対リスク推定値は0歳から15歳までにガンになる確率は10mGv当たり0.06%

被曝なしの胎児が0から19歳までに癌にならない確率は99.7%
10mGy、99.6%、100mGy。99.1%

日本での小児がん発生率が、10万人中13人。0.00013%

0.06%上昇では、0.0001378% 削除

2012/1/28(土) 午後 10:12 [ omizo ] 返信する

漫画で解説する「放射線の正しい測り方」が、分かりやすく、かつ、正確に書かれていることに感動し、来年の授業のために URL をメモっておきます。
野尻美保子先生・早野龍五先生・菊池誠先生が協力されています。
http://p.booklog.jp/book/30823
http://p.booklog.jp/book/43253

作成者の鈴木みそさん
http://p.booklog.jp/users/misokichi

著作権フリーなので授業でも配れます。
個人的には原稿料をお支払いしたい気分です。

2012/1/30(月) 午後 8:37 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

漫画にもあるように、機器を包むビニール袋は毎回交換してください。交換せずに何回か使うと、核物質が付着した土壌粒子がビニルに付着したままで、あることがあります。これで測ると線量が高い事になります。 実はあったのですよね。 削除

2012/1/30(月) 午後 9:46 [ omizo ] 返信する

omizo さん、私は「エンドウィンドウ型」を実験中の安全モニターと(遮蔽板より自分側に置いて作業)、実験机の汚染チェックに日常的に使っています。

一時、ガイガーカウンターブームが起きましたが、私は自分が普段使っているカウンターでも野外の線量を測定する意欲は湧きませんでした(文部科学所から大学に「一時帰宅した人の身体のサーベイ」のボランティアの募集がかかった時だけ少し悩みました)。
なぜなら、普段から検知器の向け方などで値がブレることを実感していて、中の構造を熟知している物理系の人の方が、私より正確な値を出すと考えていたからです。
逆に自分が不適切な測定でとんでもない値を出したら申し訳ないと・・

それから、この漫画の「ポケット線量計と携帯電話を一緒に所持してはいけない」という注意ですが、これで怖い思いをした人もいるかも。
うちの大学のRIセンターはポケット線量計を借りる時に携帯を預ける約束になっています。

2012/1/30(月) 午後 10:31 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

そう言えば、omizo さんの累積被爆量は自然放射線抜きでどれくらいになりそうですか?

実験中、私の頭や胴体はアクリルの遮蔽板で守られていますが、遮蔽板の向こうにある手は放射性物質の至近距離にあります。

でもATPなどβ線ばかり使っているし、どれも半減期が短いので、うっかり口に入れないようにすれば大丈夫だと思っています(意図的には飲みませんが、飛沫には注意しています)。
医療関係者はもっと気を付けることが多そうですね。

過去にはアイソトープセンター内に実験途中の放射性物質が放置されるトラブルもあったので、初めて入る実験スペースはガイガーカウンターで念入りにチェックします。
そのような経験から「放射性物質はすぐに検出出来る」と実感しているので、ターゲットを決めて分析しないと危険量に達していても気付かない化学物質の方が怖い・・と思っています。

2012/1/30(月) 午後 10:44 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

Xで年50msv以内です。 決められていますから。

ただ、The National Council on Radiation Protection and Measurementsでは、核物質汚染者の緊急治療は、1000msv、緊急でない場合は、25msvとなります。

このへんは、日本では暗黙の了解で行われるでしょう。

昔の集団検診をしていた、放射線技師は多分1000msvちかったもしくは超えていた可能性が。 削除

2012/1/30(月) 午後 11:47 [ omizo ] 返信する

顔アイコン

私でしたねb年13ぐらい。トータル140ぐらいですかね。










削除

2012/1/31(火) 午前 7:32 [ omiz ] 返信する

omizo さん、医療関係者は 50 なんですね。私は職種による基準は無いものの、フィルムバッチの累積数値が高くなると一定期間実験が出来なくなるのだと思います(高くなったことが無いので知識が不十分かも)。

ここ1年はあまりアイソトープ実験を行っていないので、フィルムバッチは居室に置いてあることが多いです。
でもリン酸化実験ばかりしていた頃も、その後も、原発事故以降も、バッチはバックグラウンドのままなので、関東は空間線量はバッチで検知されるほどは変化していないようです。

ホットスポットなどと騒がれた東葛地区の同業者が調査のために線量計を持って暮らしているのですが、せいぜい平常時(年間1〜2 mSv)の2倍くらいの被爆量かな?と言っていました。

医療関係者や実験系の生物学者にとっては気にならない量なのですが、分野外の人にその理由を理解してもらうには DNA 修復機構などの知識が必要だと考えて授業を組んでいます。

2012/1/31(火) 午後 9:49 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

顔アイコン

見かけ理系(数学)です。
4) 量のほかに滞在時間があります。被曝は量と時間の積に相関します。カリウム40の自然吸収量に対処できる人体となっていますが、カリウム40と比べセシウム137は3倍以上重いので、人体で水溶液でイオンとなって通過する時間が長くなるためです。このためセシウム排泄のために膀胱滞在時間が長くなり、膀胱がんのリスクが増加します。セシウム特有の反応は知りません。
5)人体のカリウムチャネルをセシウムも通過できるようなので、人体はカリウムとセシウムの区別なくプラス1イオンとして対外に排泄できるようです。物理的半減期より少ない6ヶ月とかの生物的半減期ともいうようです。 削除

2013/12/2(月) 午後 1:55 [ ぼくはくま ] 返信する

ぼくはくまさん、情報有り難うございます。

>カリウム40と比べセシウム137は3倍以上重いので、人体で水溶液でイオンとなって通過する時間が長くなるためです。

イオンの物理的な性質も影響するようですが、イオンチャンネルとの相性もあるようです。
http://www.yasuienv.net/WrongIchika.htm
http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-347.html

>セシウム排泄のために膀胱滞在時間が長くなり、膀胱がんのリスクが増加します。

尿中のセシウム濃度は体液より高いですか?
仮にそうだとしても、チェルノブイリ膀胱炎の論文の尿中の Cs137 の濃度(Bq/L)が 6.47±14.30(←信頼性は低いですが)で、尿中の K40は 40 Bq/L なので、現実には放射性カリウムとに比べると微量なようです。
http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/65541542.html

私は物理的な理解が甘いので、次回の授業までにもう少し勉強したいです。

2013/12/2(月) 午後 7:54 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

授業のためにカリウムチャンネルについて調べるついでにコメント欄も読み直して情報を整理しました。

「化学」2012年(67巻)11月号によると
Cs の細胞内の取り込みは Na-K pump(Na に比べて入りにくい)
Cs 細胞外への排出は K channel(Na に比べてかなり出にくい)
http://www.kagakudojin.co.jp/book/b104226.html
そのために K に比べて排出が遅い
K channelの親和性: K > Rb >Cs >Na > Li(K チャンネルは100種類くらいありますが、イオン親和性は概ね同じようです)

但し
体内の Cs(0.0015 g)の含量は K(120 g)の10の-5乗とかなり少ない
体内の放射性 Cs の含量は放射性 K の 10の-8乗〜-10乗とかなり少ないが、半減期が短いので放射線量は放射性 K の 1/10〜1/100 程度くらいにはなる

2013/12/6(金) 午後 9:48 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

コメント欄もざっくりまとめると
*セシウムが化学的な性質だけで健康被害を起こすには量が少なすぎる
*セシウムが放射線で健康被害を起こすには放射性カリウムに比べて放射性セシウムの量が少なすぎる
・・という意見でしたね。

調べ直す過程で「セシウムがカリウムチャンネルを阻害して危険」「セシウムがカリウムチャンネルを通過している最中に崩壊を起こしたら危険」みたいな記事も見たのですが、モル比が違い過ぎて無理がありそうです。

自己レスですが、カリウム濃度は細胞質>尿>体液だそうなので、セシウムもそれに準じるならば膀胱で被爆するより、細胞内で被爆する率が高そうですね。

2013/12/6(金) 午後 9:57 [ bloom@花咲く小径 ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


みんなの更新記事