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自分が大学を休む間の学生(主に4年生、修士進学予定)の指導先を思案しているので、情報お願いします。
M2は私がいなくても実験は出来るし、修論の直しのついでの追加実験程度なので、同じ階の先生と週に1〜2回きて下さる技術員のNさんに安全管理をお願いしているレベルで十分だと考えています。
M1は3月の就活解禁に向けて既に不在がちで、3月はいないので、問題は無さそうです。

絶対に休むのは2月中旬〜2月末で、体調が戻らないと3月中旬くらいまで休みがちになるので、その間に共同研究者に預かってもらえないか相談するつもりですが、先方も急に頼まれても対応出来ない可能性があるので、セミナーなどを受けさせる事を考えています。

学生達は私が経費を出す限りは日本全国どこでも行くと言ってくれているので、1日数千円〜1万円くらいの範囲で情報をお願いします。
分野は光学顕微鏡、タンパク質、遺伝子、細胞培養辺りです。

自分でざっと調べたリンクを下に紹介しますが、追加情報があれば加筆していきます。

主なバイオ系企業のセミナー

Thermo のハンズオントレーニングは1日で数万円と高価なので、基礎研究を始める医師向けだと思います。
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/technical-resources/trainings.html#t03

GE のライフサイエンスアカデミーは無料でオンラインで受講出来るプログラムが多いので、この中からいくつか指定しようとは考えています。
実習は1日数万円と Thermo 並みですね。
https://www.gelifesciences.co.jp/hot_news/science_program/lisa.html?utm_source=toptext

Nikon はオンラインの資料が豊富です。
日本語で読めるものが多いのですが、英文の MicroscopyU はもっと詳しいのかも知れません。
http://www.nikon-instruments.jp/jpn/learn-know
講習会はそう多く無いですが、「顕微鏡の正しい使い方講習」(無料らしい)の実習はメンテナンスを学ぶには良さそうです。
http://www.nikon-instruments.jp/jpn/news-events/lecture

オリンパスの顕微鏡実習は1日5000円程度と安いですが「生物顕微鏡」「蛍光顕微鏡」の内容を見た感じ、蛍光顕微鏡を日常的に使っているうちの学生には物足りないようにも見えました。
http://www.olympus-lifescience.com/ja/support/technolab/plan/

Leica のセミナーの開催頻度は低く、学生が参加出来るものは少ないです。
生物顕微鏡・蛍光顕微鏡が1000円なので、時期が合えばお得だと思いますが、人数が少ないので購入前提の印象です。
電子顕微鏡トレーニングの15000円は価格の割に充実していると思いましたが、参加者が「科研費採択者または関係者」とされているので、こちらも購入前提でしょうね。
http://xlab.leica-microsystems.com/workshop/

学会関連のセミナー

日本顕微鏡学会の実習は3日間3万円くらいですが、内容の濃さを考えると妥当だと思います。
http://microscopy.or.jp/kanto/jitsugi/

日本バイオイメージング学会は今年の講習は無さそうです。
http://www0.nih.go.jp/niid/bioimaging/#

科学系の情報リンク

生物に限らず、理系分野の学会やセミナーのお知らせが掲載されているサイトでは「世の中に色々な学会があるものだな」と感心します。
http://www.kagaku.com/calendar.php
おかげさまで、日本PBL研究所を立ち上げて10年目を迎えました。
それを記念して、設立10周年記念フォーラムを開催します。
多くの皆様にお集まりいただき、新たなスタートにしたいと念願しています。
情報の拡散にもご協力いただければありがたく思います。どうぞよろしくお願いします。

イメージ

転載元転載元: PBLで次世代は育つ

例年春休みは学生を2週間ほど休ませて論文を書くのですが、今年は退官する教員の方に戴いた機器類や消耗品の整理などでほとんど休めませんでした(戴いた事自体はとても有り難いのですが、短期間に洗浄と整理をしないと収納出来ないので自分の都合では動けなくなってしまうんですね)。
それでも頑張って筋トレをしながら教育力の足しになりそうな本を読んだので、紹介します。

大人になってからも論理性が身につくのか、と驚いた本

「偏差値37なのに就職率9割の大学」(メディアファクトリー新書)
http://mediafactory.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784040660561

地方の文系の定員割れ大学が、就職対策を通じて優秀な学生を集める努力をする様子が紹介されています。
今もセンター試験が50〜60%の得点で合格出来るし、倍率もやっと2倍前後に上がった程度とは言え、本を読んだ限りでは学生の満足度は高いと感じました。

進路支援センターでは「就職で逆転満塁ホームランを打つ!」というメッセージが掲げられています。
http://www.seiryo-u.ac.jp/u/career/index.html
前半の公務員対策講座やマナー講座は予想通りの内容だったのですが、この本が私にとって衝撃的だったのは後半の論理性を身につけさせるための教育です。

書籍中ではロジックツリーの手法を用いて訓練する・・と簡単に紹介されているのですが、その結果、授業への関わり方も改善され、就活での受け答えがしっかり出来るようになったそうです。

主体的に仕事をする人なら、ネットによる情報収集が日常的になっている現代では知識より論理構成力の方が重い事に気付くのは当たり前だと思います。
ただ失礼ながら、私はある程度の学力を身につけた学生じゃないと論理性は教えるのは難しいと考えていたんです。
しかしセンター試験で5割しか得点出来ない学生でも就活で自分の志望動機を論理的に語り、応募先の企業が希望する人材と自分の能力や将来性との摺り合わせをするだけの論理性が身についている事が私には一番の衝撃でした。
でも冷静に考えるとセンター試験で8割得点が当たり前のうちの学生達の中に著しく論理性が欠如している学生がソコソコいるので、学力と知能は別なのかな・・と思ったりします。

そうなると難関大学の学生は「社会性は無いけど学力や論理性は人並み以上」といった売り込みは難しいし、学力の上に築く別格の論理性を身につけさせる必要がある事が分かります。

世間は大学をこんな風に見ているのか、と再確認した本

「時間と学費をムダにしない大学選び 2016」(中央公論新社)
http://www.chuko.co.jp/tanko/2015/03/004710.html

内容にセンセーショナルところは無いのですが、いくつかの大学の現状を見聞きしている身としてはまぁ妥当だと思う内容なので、志望校をざっと選ぶ時には役に立つと思います。
(ただし各大学の特徴は深掘りされていないので、本気で選ぶ時はキャンパスの雰囲気を見たり、通っている人の話を聞いたり、カリキュラムを確認する事をお勧めします)

敢えて衝撃的だった部分を挙げると「ワイルドカード 国公立ギリギリの選択」というです。
私は国公立なら最低レベルの教育を受けられるだろう・・と思っていたので、崖っぷちの国公立大が結構ある事には驚きました。

「情報系学部と理工系学部、どっちがお得?」「○○大と××大、どっちがお得?」といった対決企画に関しては勉強したい事で学部を選ぶのが当たり前の自分は半分呆れて読んでいました。
私の場合、基礎科学を追究する理学部に行きたかったので、農学部でも微妙で工学部は無理、文学部に行くくらいなら大学には行かない・・くらいの感覚だったので、就職に少しばかり有利かどうかで決めるか?と思った訳です。
でもこの本から学べる事は「世間から見た大学はこんなもの」と言う感覚です。

私達が教育と研究にどれだけ熱心に取り組もうが、世間の大部分は旧帝や早慶なら人脈があるはず、理系なら文系より有利・・みたいな冷めた感覚で見ているのでしょうね。
それを肯定する必要はありませんが、カリキュラムの改革や大学のイメージアップ前略を考える時に、自分達の思い入れとは別の視点は必要だと思います。
最近も同僚と学生に博士進学を勧めるか?という議論で「生きていく上で有利になるという確信が無いと勧めない」と主張したのですが、大学が学びの場である事は当然としても、学ぶ事が本人の満足度(お金が稼げるようになったり心が豊かになったり)につながらない限りは、私達の存在意義が怪しくなると考えています。

自分を高めようとする人が周囲を動かす

ただ、世間一般がどうだとしても、ドラゴン桜のように「出来る事は全てやろう」「自己満足の頑張りではなく戦略的にやろう」「自分自身を乗り越えよう」とする人の姿はいつの時代も周囲を動かすものです。
金沢星陵大の取り組みも、自分に自信を持ちたい・・という学生達の切実な思いと、それを形にしようと頑張る著者の姿に感じ入るものがありました。
私が国際教養大を応援しているのは、娘がお世話になったというのも理由ではありますが、教育の質を高め続ける努力に感動しているからです。

どちらの大学も「自分達が大学の評価を作る」という意識を持っている学生が多いようですが、大学で知識や論理性だけでなく、自分が所属する場所をより良いものに高めていくという意識を身につける事が出来れば、その先の人生も豊かになると思います。

私自身も授業や研究指導を改善しつつ頑張っている同僚を支え(迷惑をかける方が多い様な気もしますが・・)、学生と一緒に大学を作っていく気持ちが持てるよう精進したいです。
とにかく忙しくてブログが放置気味ですが、恒例の春の研究機関の一般公開の日程をお伝えします。

筑波エリアの農水系の研究機関は4月17日(金)・18日(土)
http://sto.affrc.go.jp/publicity/openday

理研筑波も4月17日(金)・18日(土)
http://rtcweb.rtc.riken.jp/openhouse27/

理研和光は4月18日(土)
http://openday.riken.jp/

卒研生・大学院生の研究意欲を高めるのにお勧めです。
お土産が多いのでお子様連れもお勧めです。

4/5 追記:
筑波エリアのリンク先を修正しました。
毎年ギリギリまでまとまったサイトが出ないし、見つけにくいのが難点なんですよね・・・

修論は理系の華

修論指導のため祝日も終電帰りでした。
年明けから土日どちらかは出勤していたのですが、先週から土日どちらも出勤になり、今月はたぶん休日無しです。
ブラック企業の「月100時間残業、休みが1日だけ」はこういう状態を指すんでしょうね。私は2ヶ月が限界だし、私の場合は自分の都合の良い時間帯に100時間働くだけなので、つくづくひどい話なのだと思います。

・・と脱線しましたが、ここまで苦しい思いをしても修論の生みの苦しみの中で成長していく学生を見るのは教員冥利に尽きます。

「3年寝太朗の目覚め」に立ち会う

研究指導の楽しいところは本人の長所が見えてくる事、それを本人が自覚して自信をつけていく様子を見る事です。
今年修了のS君は真面目さだけは分かっていたものの、バイト経験も無くサークルにも入らず、友達も少なく、同級生の間でも「誰だっけ?」と言われる存在の薄さでした。
私も配属になるまで全く記憶に残っていない学生で、「大学3年生まで何していたの?アンタは3年寝太朗?」と聞いたほどです。
本人曰く「運動神経も壊滅的」で、確かに実験も激しく印象に残るほど不器用で、行く末の心配な卒研生でした。
S君のブログ初登場は配属直後の「怒声その3」です。
その後、個別指導のバイトの面接で一度落ち、別の塾でもすぐに呼ばれなくなり、私が勧めたイベント運営バイトでやっとお金が稼げるようになりました。
http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/65528680.html

卒研の頃は日常会話も弾まず、熟考型だけにディスカッションも弾まず、毎日「雑談スピーチ」を課題に出したり、論点を箇条書きにさせたり、かなり手をかけてきました。
私のおせっかいな指導が苦痛になる学生もいるのですが、彼は「同じ授業料を払うなら、たくさん怒られる方が得」という名言で辛抱強く付いてきました。

最初の学会発表では見ている方が倒れそうになるほどのアドレナリンを全身から発散していましたが、2年目くらいから普通に会話が出来るようになり、去年の学会は1人で発表準備も進めました。
そして「運動は出来ませんが、体は丈夫です」と言う通り、根を詰めるような実験も重ねて信頼性の高いデータを出し、今はみんなから頼りにされる存在です。

知性を削り出す

人間的な成長は卒研の1年だけでも見えてくるのですが、修論指導では学生の中にある知性を削り出す作業に何よりの充実感があります。
S君は12月にはデータをまとめ、年末から修論を書き始めるなど準備が早かったので1月中旬には材料と方法〜結果、図、図の legend は揃っていて、イントロも1月中旬には大枠が出来ていました。
しかし考察を書き始めたところで筆が進まなくなってしまったので、まずイントロをしっかりまとめる事にしました。

彼はこれまでも50本くらいの論文は読んでいるのですが、2週間でさらに50本を読み、私もそれ以上の本数の論文を読んで実験条件や要点を論文のタイトル横に書きだしました。
その中からS君の細胞解析と同じ指標で解析している論文を選んでエクセルにまとめ、イントロをきれいに書き直しさせてからもう一度「S君の実験では細胞の中で何が起きていると思うのか?」と聞きました。

そうしたら思いつく可能性は増えたのは良かったのですが、今は思い付きが羅列された考察を前に「一体どの可能性が一番高いの?」とキレているところです。

ちなみに先週は要旨提出が間に合わなくて「少しくらい長くても私が直すから、こちらに回して」と夜中に受け取った要旨は余白 10 ミリのワードファイルで1ページ半もあり、普通の余白にしたら2ページになり「どういうつもりよ?!」「アタシが自伝を書く時に”余白 10 ミリ事件”と記録しておくから!」と怒っていました。
理系の研究は先行研究から問題点を洗い出したり新しい可能性を考えたりして、その中から自分の手持ちの材料と技術で解決出来る仮説を立てて、実験系を組み上げ、出てきたデータが適切な条件下によって得られたものであるかを評価した上で考察に入るので、たくさん頭を使うところがあります。
先行研究から問題点を洗い出したり新しい可能性を考えたり
→情報を収集するだけでなく取捨選択する能力が必要です(捏造や雑なデータも結構入っているので)。

自分の手持ちの材料と技術で解決出来る問題を仮説を立てて
→手持ちの技術が世間的にどのような立ち位置になるのか、論文を書く時に妥当と判断される技術なのかを判断する力が必要ですし、どのレベルの仮説を立てるのかによってその後の負荷が変わってきます。

実験系を組み上げ
→最初から実験区を作り過ぎない事、実験の成否が確認しやすい区から作る事など、他の仕事でも役立つ経験です

出てきたデータが適切な条件下によって得られたものであるかを評価
→不適切な条件によるデータではない事や、安定してデータが出ているのか(誰がやっても同じなのか)を確認するために、深く考えるだけではなく周囲に意見をもらう必要があります(私はポスドク時代までは他の人に追試を頼んだ事もあります)。捏造論文の中には最初の異常データに引っ張られて引っ込みがつかなくなった例もあるんですよね。
そこまで頑張ってやっと考察に入っても「もっと深く考えて」「辻褄が合わないじゃん」「その程度の考察しか出来ないなら実験やった意味が無い」などと怒られて、去年のNさんは涙目になっていました。

私にガツガツに叩かれて、苦し紛れに出した考察が結構良かったりするのですが、それは学生が実験をする中で色々と考えていた事が知性として削り出されたようなものだと思います。

努力が報われるように

文系の娘1号も卒論をまとめていますが、データを分析して仮説を立て、その仮説に合致する事例を探していくという流れなので「それは研究ではない」と言いました。
まぁ、うちの大学でも文系の卒論はそのレベルらしく、夜中まで実験を頑張っても「データが雑」とか「なぜその条件にしたのか?」などと責められている bloom 研の卒研生と違って、バイトや遊びを入れる余裕があるそうです。

最近、就活では理系人気とか言うけど、文系ももっと深いところまで突っ込めば就活でも人気が出るんじゃないでしょうかね・・まぁ、修士くらいになると調査活動はするので理系の実験に近いのだとは思いますが。

良く「理系は修士まで進んでこそ」と言われますが、私も修論は理系の華だと思っています。
そして自分の心の中に世界の研究者と伍するだけの知性がある事に気付いてくれればいいな・・と思いつつガツガツ叩いてこっちはヨレヨレになっています。

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