武士道

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ふぬけ魂

江戸城に登城した外様大名たちは、控の間で様々な話をしたようだ。

あるとき大名たちが「西国武士は魂が一つ足らんと聞くが知らないか。」と話していたが、勝茂公にも「存じないか?」と聞いてきた。
勝茂公は「それなら知っている。ふぬけ魂が一つ足らん。」と言った。

勝茂公が九州大名と知らなかったようだ。

しかし、ふぬけ魂とはよく言ったものだ。武士はとかく東国を中心としている。坂東武者などと言い、その朴とつな気性を売りにしているのだ。
それに勝るとも劣らないのが九州の武士だろう。気性の激しさとか、まさに「討ちてし止まん」の精神だ。

遺恨を晴らす

葉隠には、遺恨を晴らさんとする事件が幾つか出てくる。
これが実に、相手をし止めることに徹底している。

遺恨が生じて討ち果たそうとする相手を自宅に招待した。他の仲間とも酒を飲んで終始和やかに歓談し、気がつけばもう夜明けとなる。そろそろ帰ろうとするところを引きとめ、「今から粥でも出そう」といって落ち着いているところを急襲。「覚えたか!」と言って討ち果たしている。

実に佐賀藩士らしいというか、正々堂々でもないが、目的は果たしたから思い残すことはないだろう。
武士道とは真っ向勝負のいさぎよいものと思われがちだが、この殺し方と遺恨の強さにはまいったね。

残された日本人の心

右翼とかではないが、今、日本人としての心はどこにあるのだろうかとたまに思う。
現代人の宗教はすでに「金」と化し、祖先への忠節も金銭の話で片付けて、なやんだ先は銭金で決める。
歌舞奏楽に至っては、アメリカのロックやらラップやらがメインとなり、絵画その他の芸術も西洋化し、何よりエンドユーザーが欧米化した価値観で物をみている。
かく言う私も、ロックやらラップは嫌いではない。

歴史のある時期から、日本人の思想に禅が加わり始めた。これが問題だ。
禅はインドに始まり、中国に伝えられ、日本で昇華した、と言っても過言ではない。
ところが日本では、禅の修業そのものより、思想だけが金科玉条と化し、やれ、茶道だの花道だのが漠然と認められ、武道がないがしろにされている。
私は、茶道、花道が性に合わない。これみよがしなおせっかいにしかみえない。もったいぶった作法と屁理屈。利休はそんなものをめざしていたのか?
まあ、他流儀をとやかく言うのは好みで無いのでこのへんで止めとこう。

古事記に描かれている幾柱もの神々は、実に大和民族の気性を現していると思う。
楽しいことは大いに笑い、腹立つことは大いに怒り、悲しいことはどこまでも受け入れない。
こんなことが我々の遺伝子に染み込んだ感情ではなかろうか。

時代は変わり、利己主義や個人の権利だけがクローズアップされ、社会の教育力や悪を排除する自浄作用が消えようとしている。いずれ日本は外国に支配されるだろう。今でも支配されてるようなもんだが。
国粋主義とは違うが、わが国は日本人のアイデンティティーを取り戻すべきだ。

道場破り

道場破りといわれる輩が時代劇に登場するが、これは一つの商売なのだろう。
道場主をたおして看板を持っていっても、はっきり言って何の得にもならない。そんなことで強さを証明しても、道場の組合みたいのから締め出されるだけだ。

道場破りがすべきことは、道場主に負けることである。
まあ、最初にかかって来た師範代ぐらいはやっつけて、道場主を引っ張り出す。
2・3合あわせれば、双方力の差を理解するから、そこでわざと負けてやるわけさ。
平伏して「まいりましたー!」とかいうと、「御貴殿もなかなかの腕前。あちらで一献」とかなるわけだ。そんでもって、「少ないですが、こんなところで」とかいって、1分銀とか出すんじゃないかな。

かくして、道場破りは金を手に入れ、道場主は名誉を保ち、門下生は立派な師匠だと感心する。

武士は食わねど空楊枝

「坊主は、慈悲の顔を外に見せながら、腹には勇気を持たなければ、数珠一つで侍と渡り合うことはできない。武士は外に勇気を示しながら、腹がちぎれるぐらいの慈悲を持っていなければ、勤めは果たせない。」

   武士は食わねど 空楊枝 外は虎の皮 内は犬の皮

まー、なんていうのかな〜。かっこつけてもいいが、腹に何か持ってろってことか?
貧乏でもそこそこ権威があるという点では武士と坊主は近いかも

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