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ゴールドと人民元を含むSDR通貨の案(第2節で詳述)
 黄色-ゴールド, ピンク-人民元, 黄緑-米ドル, 青-ユーロ
(●グラフ画像右下端にポインターを当てると拡大表示できます)


◆このブログ記事は有料メルマガ8月28日号の後半にあたるものです。
 http://www.mag2.com/m/0001627731.html

前半はブログで下記に掲載しています。

【前編】中国のSDR戦略はドル・システムを衰退させるか
     ーゴールドを含むポスト・ドル支配体制ー
 http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38975115.html

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 中国のSDR戦略はドル・システムを衰退させるか

  ーゴールドを含むポスト・ドル支配体制ー


【目次】
【1】 中国の金保有量の推定
【2】 中国のSDR戦略
【3】 BRICS主導下のSDR構想


   【2】 中国のSDR構想 

次に中国のSDR構想です。人民銀行の周小川総裁は2009年4月に、現在のSDRに中国の人民元を加えたSDR構想を発表しています。

SDRとはIMF加盟国のなかでの融資を受ける「権利」です(「特別引き出し権」:Special Drawing Rights (SDR))。このSDRは、現在は「通貨」ではなく「権利」ですが、段階的な移行を経て、最終的に「通貨」として流通させ、ドルに代わる基軸通貨にしようという動きが中国・ロシア・ブラジルなどを中心にしてあります。
現在は米ドル、ユーロ、ポンド、日本円の通貨バスケットによる算出を行い、SDRの米ドルでの価値が毎日IMFのウェブサイトから提示されています。

SDRを解説した記事を以下に3つ挙げましたが、最後の記事はわかりやすく書かれていると思います。


IMF:特別引出権(SDR)の配分
http://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/sdrallj.htm

ドルに代わる通貨システムは?〜2.SDRは現代の“金預り証”か?
http://www.kanekashi.com/blog/2009/10/1061.html

SDRの値は現在4通貨での通貨バスケットによる算出を行います。その際のSDRを構成する各通貨の比率は、現在、米ドル43%、ユーロ37%、英国ポンド12%、日本円8%です。

6月11日のロイターによれば、「IMFは、SDRの構成通貨に人民元を加えるかどうか、来年2015年1月までに決定する」そうです。米国のオバマ大統領は2011年1月の米中首脳会談の共同声明において、「中期的には人民元がSDRの構成通貨になることを支持する」としています。

ゴールドの動向と国際通貨システムが専門であるダン・ポペスク氏によると、「新しい国際通貨システムの準備をするために、IMFとBIS(国際決済銀行)が後ろだてとなった、公表されていない交渉が現在も続けられているらしい」ということです(4月の方の記事)。

実際に、新しい国際通貨システムのあり方には多くのシナリオがあるそうです。そのなかには、SDRの構成通貨にゴールドを組み入れたものもあり、2つのSDRの案をポペスク氏は紹介しています。

1つは1999年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・マンデル氏(※注-1)が2009年に提案したSDRで、現行の米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円の構成比率を少なくして、ゴールドを50%の比率で組み入れてあります(※ 冒頭円グラフ参照)。

その後マンデル氏は、2011年11月に中国で開催された「中国ゴールド・サミット・フォーラム」で次のように提唱しています。

「SDRの構成通貨である米ドルとユーロへ中国人民元を加え、この3つの通貨にゴールドを組み入れた国際金本位制を創設する」(Forex News 2011年11月14日)

(※ このマンデル教授の提唱については2011年に私のブログで扱い、レポートしてあります−下記記事参照−)

中国の金本位制へむけた準備−ノーベル経済学賞のマンデル教授が人民元を加えた金本位制を提唱 (2011/12/14 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/36148686.html?type=folderlist

そしてもう一つのSDRの案は、ドバイのDIFC(ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター)のエコノミスト達が2010年に提案したもので、現行の4通貨の比率を下げ、ゴールドを20%、中国人民元を15%、それにインドルピー、スイスフランを組み入れています(※ 冒頭円グラフ参照)。

上の2つの円グラフは、ダン・ポペスク氏による前出の“Gold and the Special Drawing Rights (SDR)”の記事のページにあるものです。

ジェームズ・リカーズ氏もダン・ポペスク氏も、将来的に中国が、このようなゴールドを組み入れたSDR通貨を、ドル基軸通貨に代わる通貨にする戦略で動いていると見ています。

また、ノーベル経済学賞を受賞したマンデル氏は、「SDRの構成通貨である米ドルとユーロへ中国人民元を加え、この3つの通貨にゴールドを組み入れた国際金本位制を創設する」と提唱したことは今述べたばかりです。

各国の中央銀行は外貨準備の一部としてゴールドを保有しています。
リカーズ氏が、「中国は新しい金本位制を創るためにゴールドを大量に買っているのではなく、人民元を魅力的にするためにゴールドを買っているのだ」と述べているのは、将来的にSDRが基軸通貨となった時に、そのSDRを構成する<準備通貨としての人民元>の価値を高め、魅力的にし、国際金融市場で優位に立とうとしていることを言っているのだと思います。


   【3】 BRICS主導下のSDR構想

さて、ここで果たしてこの3人が言ったように、中国は<IMFが>創設した現行のSDRへ人民元を組み入れることを、今現在でも本当に考えているのでしょうか。

7月15日、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの5カ国BRICSの首脳会議が開催され、「米国の金融覇権に挑む」(共同通信)新しい開発銀行の設立を決めました。
この新開発銀行は米国が主導する世界銀行やIMFに対抗し、それらから離れる試みとも見られています。

前述したように、2015年1月にIMFがSDRの構成通貨に人民元を加えるかどうかの決定を出すのを目前にしながら、米国主導のIMFや世界銀行に挑戦的、対抗的、そして揺さぶりともとれる行動を中国がロシアなどとともにとったのです。

これは中国が、IMFの下でのSDR構想からBRICS主導下のSDR構想へと、通貨戦略を変更させたのではないかと私は見ています。もちろん、BRICS主導下のSDR構想でも<ゴールド>が組み込まれます。

現在、財政難と資金不足から途上国の資金需要に対応できていない世銀グループに対して、BRICSの新開発銀行は加盟国を今後拡大させていくという見方もあります。

長い間、中国はIMFのSDRをドルに代わる基軸通貨にしようと主張し、交渉もしてきたようです。しかし、そもそも米国主導のIMFで、米国がドルの地位を放棄してSDRへ地位を譲り渡すというようなことを、ドル体制で法外な既得権益を手にしている米国がするでしょうか。

そのようなことはありえないと中国政府は判断し、BRICS主導下の<ゴールドを含む>SDR構想へと、通貨戦略を大きく変更させたのではないかと私は考えています。

※【ロシアとインドの金保有量】 2014年9月のワールド・ゴールド・カウンシルの統計ではロシアが世界6位で1105トン、インドが同11位で558トンです。この統計では、この数年で特にロシアの保有量が急増しています。ロシアはこれまでにSDRへ自国通貨ルーブルを入れるように主張していて、2008年のリーマン・ショック以降、大規模な金の購入も行っています。またインドは中国と同様、ゴールドの公的保有量を未発表にしていると市場から見られたことがあります。−2014.9.27記



Robert Mundell(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Mundell


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    12/21 米上院がIMF改革を承認、中国の出資比率3位に浮上へ (2015年12月21日)
    http://jp.reuters.com/article/usa-fiscal-imf-idJPKBN0U30Y620151220

    DOMOTO

    2015/12/21(月) 午後 9:58

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