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“Thimble Summer” by Elizabeth Enright 「ゆびぬきの夏」 エリザベス・エンライト 作 エリザベス・エンライトの作品の中では珍しく農家が舞台になっている「ゆびぬきの夏」。場所はウィスコンシン。日照りが続いて農家は作物がだめになるのではないかと心配しているところから始まります。ふと思い出すのがローラ・インガルス・ワイルダーの「小さな家」シリーズです。お天気に賭ける農場の生活。19世紀のローラの時代はもっと深刻だったかも知れませんが、1930年代のガ―ネットの時代もやはり心配の絶えないものでした。 けれどもこの物語は農家の苦労話ではなく、主人公ガーネットの一夏のできごとを追ったほんのりあたたかく、にっこりさせてくれるお話です。 ガーネットは家族と暮らすこの農場が好きでした。兄のジェイはお天気に悩まされる農業はまっぴらだ。大人になっても農業なんかやるもんかと宣言します。 乾ききった暑い夏のある夕方、ジェイと泳ぎに行った川原でガーネットは砂に埋もれたゆびぬきをみつけます。ジェイに魔法なんかないよ、と言われてもガーネットは銀色に光るゆびぬきは魔法のような気がしたのでした。 その夜、待ち望んだ雨の到来によって、作物は危険から救われ、一家の心配も去ります。新しい納屋を建てることもできたし、偶然迷い込んだ天涯孤児の少年エリックが家族の一員に加わって、農作業を手伝い始めます。小事件を巻き起こしながら夏は過ぎていき、その内ガーネットの毎日にも変化のきざしが・・。仲良しだった兄のジェイが少しずつ大人になっていくにつれて、ガーネットから離れていくのでした。収穫時のいそがしさの中、失敗を責めたジェイの言葉に傷ついたガーネットは「一時家出」を決行。 何か悪いことが起こりそうな予感がするのですが、そこはエンライト、とても安全路線です。ガーネットは危険な目にも合わずに、新しい発見をしたり思いがけないプレゼントをもらったりして冒険をエンジョイしたのです。ヒッチハイクのおかげで、秋の品評会には自分で育てた子ブタのティミーを出場させ、ブルーリボンを獲得するのも夢ではないことも発見しました。 家に帰り着くと待っていたのはフリーボディーおじさんです。おじさんは親戚ではないけれど、いつでもこっそりとガーネットの力になってくれた人です。今回もおじさんに諭され自分の行動を省みたガーネットでした。 それから秋の品評会。アイスクリームやメリーゴーランドを思う存分楽しみながらも最後までなにやら事件が・・・。ティミーの審査の前にガーネットとシトロネラの乗った観覧車がてっぺんで止まってしまったのです。 小事件、大冒険、発見、あせりなどを経験したガーネットの夏は、ブルーリボンをもたらし、エリックの熱心さにジェイまでが将来やっぱり農業を続けていこうと思い直します。 これも銀のゆびぬきの魔法のせいに違いないと、ガーネットは信じるのでした。 この物語は1938年のニューベリーメダルを受賞しています。
私には「どうしてこれが・・・?」という意外さがあります。エンライトの作品なら、メレンディー一家のシリーズや、GONE AWAY LAKEの2部作の方がずっと愉快だからです。この作品は短いせいか、キャラクターの魅力が今一つ不足しているように思えてなりません。家族や兄妹をテーマにエンライトが書く物語は、心底うらやましいと思う部分が多いのですが、この作品はやや弱い感じ、「ああ、おもしろかった」というより「フム、よかった」にっこり。で終わってしまいました。 しかし、アイスクリームをよくあんなに食べるなぁ、というのが最後の感想です! |
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お初です。ランダムから来ました。急にすみませんが、ブログ友達になってください。友達少ない者で・・・宜しくお願いします。返事待ってます。
2007/1/6(土) 午後 2:33