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“ほほ笑み引き出す人材”を養成
笑いで温かい家庭と地域を
青森県では、「青い森のほほえみプロデュース事業」
という、ユニークな取り組みを行っています。
これは、不安やストレスを和らげる笑いの力に注目し
家庭と地域に、ほほ笑みをもたらす人材を養成しよう
というものです。
この取り組みの内容と、ほほ笑みを引き出すための
ポイントなどについて、青森県こどもみらい課に
聞きました。
職員の提案で事業化
――「青い森のほほえみプロデュース事業」について
教えてください。
職員からの提案を事業化する、県の庁内ベンチャー
制度で採択された事業です。
昨年度と本年度の2年をかけ、実施しています。
狙いは、家庭や地域に、たくさんのほほ笑みを生み
出すことです。
――事業を始めるきっかけは?
全国的に増加傾向が続いている「児童虐待相談」です。
児童虐待を予防する取り組みはないかと考え、提案しました。
虐待の背景には、親の「孤立」や「ゆとり」のなさがあると
いわれています。
そこで、不安やストレスを和らげ、癒やしをもたらす
ほほ笑みや笑いの力に注目しました。
これらを通して、思いやりをもって子どもを育てる
和気あいあいとした家庭、温かく広い心で触れ合う
地域社会を築きたいと考えています。
――具体的にどういう取り組みを行っているのですか。
事業では、相手の心に寄り添い、ほほ笑みを引き出す
ための幅広い知識と技術を持っている人材を3段階の
仕組みで養成します。
このために特定非営利活動(NPO)法人「21世紀癒し
の国のアリス」会長で、日本医科大学准教授の高柳和江さん
の協力を頂きました。
まず、この取り組みの中核となる「コア笑いプロデューサー」
と各地域での推進役である「笑いプロデューサー」を養成します。
そして、その皆さんが、各市町村で講習会の講師となって
一般県民の方々に、ほほ笑みを引き出すポイントを伝えています。
この講習を受けた人を、「ほほえみプロデューサー」
と認定します。
これまでに「ほほえみプロデューサー」が1万2600人
誕生しました。
まず、相手を褒める
――講習会で習う、ほほ笑みを生み出すためのポイント
について具体的に教えてください。
相手からほほ笑みを引き出すためには、自分がほほ笑む
ことが必要です。
その前提になるのは、「私が好き」という自尊感情です。
この部分を分かってもらうために、講習会では、ペアを組み
お互いが良いところを言い合います。
普段だったら、面と向かって褒められると
「そんなことないわ」と照れ隠しで、否定してしまいがち
ですが、この場では否定しないで受け入れます。
そうすると、「今まで、嫌いだと思っていたところも
人によっては良いところだと認めてくれるんだ」と気付き
自分のいろいろな部分を肯定的に受け入れられるように
なります。
お互いが良い部分を認め合うと、とても気持ち良くなり
笑顔が生まれます。
この経験を通して、笑うためにはまず、相手の良いところを
見つけ、伝えることから始めましょうと提案しています。
――気持ちに余裕がないと、なかなか笑えません。
そうですね。大変なこと、不安なことが多いと
なかなか笑えないものです。
講習会では、大変なことが詰まってきたら、分かって
もらえる人に聞いてもらいましょう、と伝えています。
つらい気持ちをどんどん表に出すことで、心に詰まって
いたものが出てきて、ほほ笑みが生まれる、心のゆとりが
できます。
また、相談された人も、「もっと、がんばれ!」と
突き返すのではなく、まずは相手の大変な気持ちに共感
してあげることを第一に考えましょう、と伝えます。
大変な気持ちを誰かに聞いてもらえれば、多くの人は
自分の力で元気を取り戻し、笑うことができるように
なるからです。
会話にちょっと工夫
――会話の中で、気を付けるべき点はありますか。
PNPと呼ばれる会話の方法も紹介しています。
PNPのPは「ポジティブ」(積極的・肯定的な)の
頭文字。
Nは「ネガティブ」(消極的・否定的な)の頭文字です。
何か注意しなければいけない、ネガティブなことを伝える
時には、少し心を落ち着かせて、ポジティブでネガティブ
な部分を挟んで伝えます。
――どういうことでしょうか。
例えば、妻が塩辛いみそ汁を作ったとします。
これを、そのまま「みそ汁が塩辛いよ」と伝えると
妻は嫌な気持ちになります。
そうではなく、「いつもおいしい料理をありがとう」
「でも、今日のみそ汁はちょっと塩辛いんじゃない?」
「君の作るみそ汁で、元気が出るんだよ。
たくさんお代わりしたいから、明日は薄味がいいな」と
伝えます。
ネガティブなことをポジティブで挟むと、伝わり方が
かなり柔らかくなり、笑顔が生まれるものです。
――講習会を受けた県民の皆さんからは、どのような
感想が寄せられていますか。
「笑顔は相手を癒やしたり、励ましたりする力がある
と教えてくれました。
家族に対して、反発してしまう時がありますが、笑顔を
心掛けていきたい」
「子育てで大変な気持ちを、自分の中で押し殺さなくて
良いと分かり、気持ちが楽になった」
このように、ほほ笑みを増やすために心掛けることで
家庭環境が改善したという声がたくさん寄せられています。
事業は本年度で終わりますが、今回誕生した1万人を
超える「ほほえみプロデューサー」を通して、地域と家庭に
たくさんのほほ笑みが生まれることを願っています。
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自尊感情の記事を書いたら、「こんな記事もあります」とのメッセージが出たので訪問しました。自尊感情を上手に育てることは、とても大切ですね。
2009/1/29(木) 午後 6:05