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阿部智里著『発現』(NHK出版)を読んだ。
「八咫烏」シリーズで人気の作家だということは知っていましたが、
作品を読むのは初めてです。
幼い頃に母親を亡くした大学生の村岡さつきは、父親との二人暮らし。
ある日、妻と娘と幸せに暮らしているはずの兄(大樹)に異変が生じていることを知る。
物語は、大学に通う村岡さつきのところに兄の幼い娘のあやねが姿を現すところから始まる。
あやねに突然訪ねてきた理由を尋ねると、どうやら兄と義理の姉の間に何かがあったらしい。
義理の姉によれば、兄の様子がおかしいという。
「パパ、もう、あやねも、ママのことも嫌いになっちゃったみたい」
と小さな声で訴える姪のあやね。
穏やかだった兄の身に何が起きたのか。
さつき、兄、そして父が口を閉ざしてきた一家のタブーとは?
彼岸花と少女の死体の幻。生臭い血の匂い……。
さつきの兄は現実には見えないものが見えると訴え、
統合失調症かもしれないと内緒で病院に通っていたのだ。
やつれた大樹を見たさつきは、かつて突然狂ったようになって自殺した母親を思い出す。
母親の自殺は村岡家にとっては触れたくないタブーな出来事だったのだが、
兄がかつての母親のように見えたのだ。
実家に戻ってきた兄と入れ違いに兄の家であやねの面倒を見るようになったさつきは、
次第に自分も現実とは思えない恐ろしいものが見えてしまうことに気づき始める。
物語は昭和と平成の2つの時代に起こった不可解な事件が交差するという構成が斬新で魅力的。
敗戦後の満州で起きたある凄惨で忌まわしい出来事が、さつきの家系を苦しめてゆく。
戦争の悲劇が柱だ。
それにしても、トラウマが遺伝するというのはあるんだろうか。
だとしたら、子孫は叶わないなぁ。
平成と昭和の2つの時代に起きた不思議な事件を行き来しながら、
兄の混乱をきっかけに主人公のさつきが恐怖の真相を突き止めていく様子を描いている。
ラストの感想は人によって意見が分かれるかもしれない。
深い問いと余韻を残して、物語は静かに幕を閉じる。
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我が姉も60数年前の青春を鉄路に落としました・・・・・。
わが身も間もなく姉の魂と会えます・・。
2019/2/26(火) 午前 10:20
くろまめさん、あなた様も人には言えぬ事情があったのですね。
どなた様にも、そういう事情は抱えて生きておられるのだと思います。
力強く生きていきましょう。
2019/2/26(火) 午後 4:07 [ bodai_ju ]
若いときに、恐れていた死が、なんとなく受け入れられる、余裕が出てきましたねー。
2019/2/27(水) 午前 6:47
くろまめさん、そうですか。
私はまだまだそういう余裕はありません。
修行が足りませんねぇ。
2019/2/27(水) 午後 6:11 [ bodai_ju ]
おはようございます。
今日は小学校の絵本読みです。
楽しんできます。
2019/2/28(木) 午前 5:52
くろまめさん、童心に帰って楽しんでください。
2019/2/28(木) 午後 7:10 [ bodai_ju ]