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遅読人 苦に喜多独歩
歌う桑田シリーズ 1978〜2017

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早いもので桑田佳祐の姉、岩本えり子さんが亡くなって8年になる。
一時は茅ヶ崎市長選に出馬まで取沙汰されていたが2008年、癌で急逝した。
彼女が書き下ろした本を読むと、かなり行動的な女性だったことが伺われる。
夫とアメリカ大陸を放浪し通訳となってEarth, Wind & Fireを伴って逆来日し、当時、既にサザンでデビューしていた弟とミュージック・フェアーのスタジオ内でばったり会ったなんていう話しもあるぐらいで驚かされる。

この姉弟は5歳違いで桑田の弁によると、姉からの音楽的影響はかなり強かったようで、熱狂的なジョン・レノン信者だった姉の啓蒙は、即、桑田に伝染し、ビートルズに限らず、洋楽マニアとしての音楽人、桑田には絶大な威力だったろう。
昭和41年、ビートルズが来日した頃に洋楽好きの姉が存在したということは確かに大きい。

が、それ以前。
まだベンチャーズの登場もなかった昭和30年代。
日劇のウェスタン・カーニバルなんか知らない世代の私や桑田がどんな曲を聴いていたのかというと、やはり歌謡曲だ。
当時はまだ子供向けの音楽などなく、大人たちの間で流行している歌を子供も真似して歌うような時代だった。
例えば美空ひばりの「柔」、村田英雄の「王将」、舟木一夫の「高校三年生」、それ以前では坂本九、守屋浩、飯田久彦、ダニー飯田とバラダイス・キングなんていうのもあった。

昭和30年代の後半はクレージー・キャッツ、ザ・ピーナッツ、弘田三枝子の全盛期で音楽番組と言えば「シャボン玉ホリデー」と「夢で逢いましょう」ぐらいか。
10数年前、ある音楽番組でタモリに尊敬する人はと訊かれた桑田は意外にも「植木等さん」と答えていた。
なるほど、サザンに「C調言葉に御用心」という曲があるが、この「C調言葉」を初めて使ったのが植木等だった。
青島幸雄が生前言っていたが、「あの植木さんのバカ笑いを聞いていると日本中か明るくなったんですよ」
言われてみれば植木等と桑田佳祐には似通う点もある。

洋楽を除いて彼に影響を与えた人と言えば加山雄三、前川清、堺正章ということになるか。
歌では「さらば恋人」「サルビアの花」「プカプカ」が大好き。
桑田はカバーアルバムを決して出さないことは有名だが、それ以外では例えばAAA、音楽寅さんなどでかなり幅広い曲を歌いこなしている。
ジャズ、ブルース、ロック、フォーク、ディスコ等。

そして昨夜、WOWOW開局25周年 桑田佳祐偉大なる歌謡曲に感謝東京の唄〜」という特別番組が放映された。
セットリストは以下のとおり!

・東京の屋根の下
・あゝ上野駅
・赤坂の夜は更けて
・有楽町で逢いましょう
・ウラ・セラ・ディ東京
・東京ドドンパ娘
・車屋さん
・すみだ川
・たそがれの銀座
・東京ナイト・クラブ
・男はつらいよ
・新宿の女
・新宿そだち
・紅とんぼ
・北国の春
・神田川
・東京砂漠
・唐獅子牡丹
・東京
・悪戯されて(ボーナス・トラック)

演奏は島健さんをバンマスに迎え、フルバンド編成で金原ストリングス、斉藤誠、片山敦夫、井上富雄、河村カースケ、山本拓夫、小倉博和、その他大勢で豪華な布陣で演奏も素晴らしかった。
選曲は懐かしい曲ばかり。
桑田はよく西田佐知子の名を口にするが、今聴くと「赤坂の夜は更けて」は確かにいい曲だ。
美空ひばりのという人は品の作り方が妙に上手い人で変な色気があった。
「車屋さん」では山口崇さんが車屋さんに扮して歌った番組があったが桑田は見ていたかどうか。

「すみだ川」は東海林太郎の曲だが後年、島倉千代子を交えて歌ったことがあり、それを聴いて以来、私も好きになった。
藤圭子の「新宿の女」に関して桑田は「ドスの効いた声」と言っていたがまったくだ。
何れにしても昭和歌謡には歌詞、メロディ、歌唱力と日本人を惹きつけるものがあり、若い頃はどこか馬鹿にしていたこれらの歌謡曲を今は自然な形で心のメロディみたいなものになっている。

平成の世も28年も経つと、嘗ての昭和歌謡を知らない世代も増え、ましてや現在ではポップス・シンガーが、このように昔の歌謡曲を歌うことは稀。
古賀正男、服部良一、吉田正、中村八大、宮川泰と受け継がれてきた歌謡曲。
私も昔を偲ぶ世代になってしまった。

ところで今回は珍しく小倉博和をバンドに迎え斉藤誠とのギターバトルと期待したかったところだが、そこはそれ、主体は歌謡曲なので、あまりギターが目立たなかったことは少し残念だが久しぶりに桑田の元に小倉が帰ってきたことは、まずは目出度い。
ともあれ、Jポップもいいが洋楽であれ邦楽であれ古い時代の曲を鑑賞してみるのも乙だと思うのだが。

この写真、あまりにも決まっているので片山君のツイートから拝借させてもらいますね。
左からカースケ、片山、井上。

イメージ 1


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    いい番組でしたね。
    歌謡曲、当時は泥臭くて、貧乏くさくて好きではありませんでした。って小学生でしたから。(笑)
    今は、心に染みるようになりました。桑田さんの歌唱もよかった。すみだ川が良かったですね。
    私としては小倉さんが桑田さんの元に帰ってくれたのが一番うれしかったですけれど

    ミハエル

    2016/6/26(日) 午後 11:57

    返信する
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    歌唱曲ってもともと洋楽の要素を
    たくさん取り込んでいたのですよ。
    だから、我われが洋楽にササッと移行できたのも、
    ちゃんと下地があったわけです。
    だからそういう意味でも、歌謡曲には
    ありがとう、です。(笑)

    takeshi2393

    2016/6/27(月) 午前 1:04

    返信する
  • こんばんは
    歌謡曲って凄いですよね
    昔はいろんな曲がありましたよね

    ところで先日ミュージックステーションで桑田さんの新曲を聴きました
    題名を見て驚きました
    うちのかみさんがすごく喜ぶ題名です^ ^
    まぁこれ以上は書かないことにしましょう

    本当に思うんですが彼はカメレオン!
    どんな色にでも染まる!
    ホンモノの天才!

    [ 安井算珍 ]

    2016/6/27(月) 午後 8:10

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    > ミハエルさん

    昭和歌謡の良さが解るような歳になったということですね。
    最近のJポップはどれもこれも同じで個性というものを感じません。
    まあ、そんなことを言うこと事態、オジサンになった証拠なんだろうと思いますが。

    ところで小倉君、今年はAAAあたりでまた見たいですね。
    或はソロツアーがあった場合はないかも知れませんが。
    たまにはツアーも小倉起用でいいと思いますよ。

    駄目男

    2016/6/27(月) 午後 8:27

    返信する
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    > takeshi2393さん

    そうなんですね!
    そして昭和40年、私は初めて加山雄三という人を知ったんです。
    と、同時にエレキ・サウンドというものも初めて聴きました。

    あの時、日本にこんな人が居たんだと驚いたのをよく覚えています。
    今まで聴いてきたものとは確かに違う音楽、まさにエレキブームの到来だったんですね。
    私の中ではいつしか知らないうちに洋楽の下地が出来ていたと思います。

    駄目男

    2016/6/27(月) 午後 8:32

    返信する
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    > 算珍さん

    そうですか!
    奥さんが喜びそうな題名だったんですね(笑
    よく分りました。
    とにかく全国でも多くの女性が喜んだことは間違いないでしょう。

    次回は男性の名前も是非お願いしたいところなんですが。
    出来れば私の名前で(笑

    駄目男

    2016/6/27(月) 午後 8:36

    返信する
  • おはようございます。
    桑田くんのお姉様が亡くなられてもう8年になるんですね。。

    これはほんとにいい企画でしたね。
    同時代なら子供のころに聴いた曲が殆ど。
    そして、彼はお姉様の影響で洋楽にのめり込んでいく。
    作る曲のルーツを見るようでした。
    同じ時代に生きて来て幸せだなあと思いました。

    元気でいて欲しいです。kei

    [ sas***** ]

    2016/6/28(火) 午前 6:24

    返信する
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    > keiさん

    滅多にない企画でしたからね。
    懐かしい時代のカバー曲で楽しかったですね。
    こんな企画なら第二、第三と続けてほしいところです。

    しかし、思った以上に短い時間で、その辺が少し残念でした。
    8月にスペシャル版があるとのことですから、どうなんでしょう、メーキングも入った特別版ならいいのですが。

    駄目男

    2016/6/28(火) 午後 9:22

    返信する

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