小型で大容量の空気亜鉛電池を使ってESP-WROOM-02を1週間、動かすことができました。
アルカリボタン電池といえば、 LR44 が有名ですが、同じ大きさの空気亜鉛電池が登場しています。今回、空気亜鉛電池 PR44 (P675)を使ったワイヤレス通信の実験を行ってみました。 なお、初めての実験だったため、開始時に電池を消耗しています。おそらく、1週間以上、動くでしょう。
また、送信中は電池の仕様である標準電流(2mA)を大幅に超え、70〜80mAに達します。このあたりが安全かどうか分からないので、十分に注意してください。
空気亜鉛電池のことを、あまり知らなかったので、まずはWikipediaを読んでみました。「燃料電池の一種」とのことなので、化学変化により発電する仕組みのようです。
上記の説明の通り、電極のプラス側にシールが貼られていました。剥がしてから約30秒後に電圧が生じます。
次に、同じ大きさのアルカリボタン電池 LR44 の仕様と比較してみました。
下記はネット検索で得た一般的な仕様値です。写真のものと一致しているかどうかは分かりません。
およそ容量が5倍で、値段も5倍です。
電圧は、1.4Vと、やや低下しますが、標準電流が10倍に増えており、ESP-WROOM-02などで使用した場合の電池寿命が、容量比の5倍以上に得られそうに感じられました。
早速、ブレッドボード上を製作してみました。下図は通常のアルカリ電池を使った比較実験用の製作品です。
アルカリボタン電池での動作確認が完了したら、空気亜鉛電池へ置き換えますが、ひとつ注意事項があります。アルカリボタン電池と同じように電池を直列に密着させると、空気穴が塞がってしまい、放電することが出来ません。そこで、電池と電池の間にピンヘッダのピンを挟んで、電池の空気口を塞がないようにしました(下図)。
まずはESP-WROOM-02を取り付けない状態で、空気亜鉛電池PR44の保護シールを剥がし、電池をブレッドボードへ装着して、電池電圧を測定してみましょう。始めは、3直列で1Vくらいしか出ません。徐々に化学反応により電圧が上昇するでしょう。4.2V(1.4V×3個)まで上昇したら、準備完了です。
この状態で、ESP-WROOM-02を取り付けてみたところ、適切に動作し、Ambientへ電池電圧値を送信しました。ところが、得られた電池電圧値は約2.0Vと、著しい電圧降下が発生することが分かりました。
また、ディープスリープに入っても、すぐにはコンデンサへ充電されず約30秒くらいかけて4.2Vまで戻ることが分かりました。使用開始時の空気亜鉛電池の内部抵抗は、アルカリ電池に比べて、高いようです。
今回の実験では、ESP-WROOM-02が電池電圧を測定し、測定値をAmbientへ送信します。下図は実験を開始した直後の様子です。
ESP-WROOM-02は、起動時した瞬間に大きな電流が流れ、その時に一定の電圧が確保できていれば、おおむね動作します。それでも、新品の電池を入れた状態で2.0Vまで下がってしまうようだと、あまり電池が持たないのは明らかです。電圧が低く、いつ停止しても、おかしくない状態でした。
ところが、しばらく動作させていると、電圧が上昇しはじめます。約半日ほどをかけて、2.7Vまで上昇しました。。シールをはがしてから半日くらいは待ったほうが良かったのかもしれません。
その後、5日ほど一定の電圧で放電し、6日目から電圧が下がり始めました。下図は、1週間の動作試験後の様子です。
以上のように、空気亜鉛電池を使ったESP8266搭載ワイヤレスセンサで、1週間以上の動作が可能であることが分かりました。また、空気亜鉛電池の使い方に関する理解が少し深まりました。
ボクにもわかるESP-WROOM-02
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